子どもの暴言に巻き込まれる日々
我が家には発達障害グレーゾーンの中学1年生の男の子がいます。小学校を卒業するころから、子どもの暴言がだんだん増えてきました。
例えばこんな様子です。
学校から家に帰ると、テレビを見ながらスマホゲームが始まります。
始めのうちは私も「学校から疲れて帰ってきているからリラックスした方がいいよね」という気持ちで見守っています。
しかし、夕食が終わればまたテレビを見始め、一向に宿題などを始める兆しはありません。私も見守るのは限界に達してきました。
そして、とうとう使用時間制限しているスマホの時間が無くなると「もう!何で時間制限するんだ!クソ!カスが!」と穏やかではありません。
「スマホ時間は計画的にね」とアドバイスしても、もちろん聞く耳はありません。
しばらくして私が「スマホも終わってしまったことだし、そろそろ…」と切り出すと、ものすごく怒って「だまれ!それ以上しゃべるな!やる気がなくなる!」と返してきます。
私も頭にきて「あのね、かなり待ったけど、やらないから言ってるのよ!」と応戦して親子バトルが発生し、子どもは癇癪を起こしてしまいます。

このように、私が良かれと思った発言に子どもが反抗し、ネガティブな感情をぶつけてきます。
私はその感情にいちいち振り回され、応戦してヘトヘトになり、後で「またやってしまった…」と後悔する日々を送っていました。
このままではいけない、子どもの暴言に何とか冷静に対応しなければ、もっと暴言がエスカレートしてしまうと恐れていました。
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子どもの暴言の原因とは
なぜ、私の言うことにいちいち反抗して、暴言をぶつけてくるのでしょうか。
子どもの暴言の原因として、思春期独特の不安定さと、脳の特性が考えられます。
思春期とは、小学生の高学年から中学生の頃にかけての、身体の成長に心の成長が追い付かず誰もが不安定になる時期であり、自立や親離れが進んでいく時期でもあります。
また、発達障害グレーゾーンの脳の特性として、
・自己肯定感は高いが、他人から注意されると攻撃的になる
・衝動性が高く、すぐカッとなって怒りっぽい
・自分の気持ちを言語化することが難しい
というものがあります。

子どもは自分でやろうと思っていることを母親から干渉されることに、無意識に反抗してしまうのです。
その上、脳の特性もあるのですぐに攻撃的になったり、その気持ちをうまく表現できず「クソ!」などの一言で片づけてしまっています。
そして、自分の腹立たしさなどを表現する方法として暴言や癇癪を選ぶことで、周りに知らせているのです。周りが反応してくれることで、コミュニケーションも成り立っています。
私も、頭では冷静に対応すべきだと分かっていながら、子どもの表面的な態度や言動に振り回されています。
では、内面はどう考えているのでしょう?内面が分かれば、すぐにムッとすることも抑えられますし、共感もできそうですね。
その上で、暴言や癇癪に対しては注目せずに、落ち着いたら褒めるという方法で対処することにしました。
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子どもの暴言がスッとおさまる方法
では、私が子どもの暴言に対応した方法を3つご紹介します。

子どもの言動と気持ちのズレを理解する
今までの子どもの言動から、彼がどのような気持ちだったのかを想像することにしました。言動と気持ちのズレを理解することで共感でき、冷静に対応できると考えたからです。
スマホやゲームの時間が終わった時は、楽しい時間が終わったこと、ゲームの途中で制限時間になり強制終了してしまったことで、ものすごく残念で悔しい気持ちになっています。
また、自分でも勉強はしなければと分かっているのですが、内容が難しかったり、なかなかやる気が起きなかったりします。
そこで、まずゲームでリラックスして、勉強を始めるタイミングも自分で決めようとしているところです。
そのような時に母親から「じゃあ、勉強やろうか」と言われても、すぐに気持ちは切り替えられません。「だまれ!」はこのような背景から出た言葉です。
「分かってる。やるタイミングは自分で決めたい」というのが本音です。
このように、子どもの暴言が出る場面を紐解き、本当はこんな気持ちだなと理解したら、メモをしておきます。
私はこのメモをお気に入りのクリアファイルに入れ、キッチンのレシピ本を置く棚に挟んでおくことにしました。
そして、子どものネガティブな感情に巻き込まれそうになった時に確認するようにしました。
暴言に注目せずに落ち着いたら褒める
そして、暴言に注目せず、落ち着いたら褒めます。
「いつもであれば、私はこのタイミングで怒っているな」という場面で、見て見ぬふりをしてスルーし、子どもが落ち着くまで待って、最後に褒めて終わります。
例えば、スマホの使用時間が終わり、散々文句を言いながら、机にノートを投げつけているとします。
子どもは、楽しかったスマホの時間から嫌いな勉強をするのですから、行動を切り替えるには心の準備が必要なのです。子どもにも自分のタイミングというのがあります。発達特性のある子どもであればなおさらです。
ですので、心の整理をする時間を子どもに与え、暴言や癇癪には注目せず、しばらくして落ち着いたら「落ち着けたね」、勉強を始めたら「始めたんだね」と小さなことでも褒めていきます。
暴言や癇癪に注目しない対応は難しいので、次の4つができているか確認してください。
① 好ましくない行動が始まったらすぐに見て見ぬふりをすること
注意したり叱ったりしてから見守るのではなく、始まったなと思ったら、最初から見て見ぬふりをします。
②子どもの方に視線、体を向けないこと
「お母さんは、気づいていません」という態度をとることが重要です。なぜなら気づいて応対すると、子どもの暴言に注目していることになり、子どもとの間にコミュニケーションが成り立ってしまうからです。
③ 否定的な表情・態度・言葉・感情を示さないこと
睨んだり、ため息をつかず、気づいていないふりを徹底するために、本を読んだり、掃除をしたりします。
私は、キッチン棚からレシピ本を取るふりをしながら、さきほどのお気に入りのクリアファイルにあるメモを見て、子どもの本当の気持ちを確認して平静を保つようにしています。
④褒める準備をする
忘れてはいけないことが「褒め」て完了することです。何をしたら褒めようかなと考えながら待つと、イライラも少し落ち着きます。
このように子どもの暴言に注目しない対応を始めると、子どもは、ネガティブ感情をぶつけたところで相手の反応がなく、その代わりにとった行動が好ましい場合に、褒められてコミュニケーションが成立するということに気づいていきます。
その結果、子どもは試行錯誤しながら、好ましい行動を取るようになります。
これとは逆に、暴言が増えたと感じる場合は、まだ子どもに注目してしまっている可能性があります。気づいていないふりを徹底してください。

ここで気をつけていただきたいことは、今回取り上げているのは、子どもが気持ちを切り替えできずに発する暴言や癇癪です。
暴言や癇癪のなどの問題行動によっては、自分や他人の体に危険を及ぼす行為や社会のルールやマナーに反する行為があります。
そのような行為は「許しがたい行動」であるので、お母さんは感情的にならず、子どもと向かい合ってその行為は許されないことだと理由を話して教える必要があります。
できていることを認める声かけをする
この中で一番大事なことは、普段からできていることを認める声かけをするということです。
つまり、暴言が起こってからどうするかではなく、暴言が起きていない時にどう対応するかということが大事なのです。
例えば、このような声かけです。
「起きてきたんだね、おはよう」
「もう、着替えたんだ!早いね」
「宿題終わったね、お疲れさま」
思春期の子どもに「えらいね!」「すごいね!」などのあからさまな褒めことばは、逆に反抗されることもあります。
ですので、このできていることを認める声かけは、子どもにも褒めていると気づかれずに、褒めることと同じ効果が得られるのでおすすめです。
肯定されることで子どもの小さな成功体験が積み重なり、暴言そのものが減ってきます。
今日からすぐに実践できますよ!
さて、上記を実践した我が家の場合ですが、スマホでゲームをしていたら「今は何のゲームしてるの?」と興味を持って尋ねます。
そして、制限時間が来る前に「あと残り何分ありそう?」と時間に気づかせて「あと、10分。あと2ゲームくらいできそう」と見通しを持たせておきます。
時間が来たら、ちょっとイライラしている息子には注目せず、今は切り替えの最中なんだろうなとメモを見ながら、褒めるタイミングを待っています。
しばらくして勉強をはじめようとしたら「始めるんだね。ゲームから切り替えられたね」と声をかけました。
「しょうがないから、やるよ」と息子。だんだんと暴言が減ってきましたよ!
思春期の不安定な時期ですが、普段から息子のできていることをどんどん伝えて、彼の自己肯定感を高め、乗り切っていきたいです。
よかったら、参考にしてくださいね。
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執筆者:奥山 楓
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
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