発達障害の子がきょうだいの誕生日に機嫌が悪い⁉楽しく過ごすためのマル秘大作戦

発達障害ADHDのお子さんがきょうだいの誕生日にムスッとして対応に困ることはありませんか?嫉妬してると感じますが、実は理由はそれだけとは限りません。ちょっとした工夫で家族全員が楽しく誕生日を過ごせるマル秘大作戦をお伝えします。
 
 

発達障害の息子、きょうだいのバースデイを素直にお祝いできない!

 
 
入学、卒園・卒業、七五三、誕生日など、子育てをしていると、いろいろなお祝いの場面がありますよね。
 
 
中でも、誕生日は誰にとっても特別な日。ケーキやごちそうを食べたり、プレゼントをもらったりと、子どもが楽しみにしている1日です。
 
 
親も、バースデイは楽しく過ごさせてあげたい、と思うもの。
 
 
特に発達凸凹を持つお子さんのきょうだいは、普段から何かと我慢させることも多いから、バースデーくらいしっかりお祝いしてあげたいという気持ちになると思います。
 
 
 
 
でも、発達障害・グレーゾーンのお子さんの中には、自分のお祝いはうれしいけど、きょうだいのお祝いはおもしろくない、って思っちゃう子もいますよね。
 
 
我が家には、2歳差の男子兄弟がいます。
 
 
兄は発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプ。
 
 
去年の弟の誕生日では、ケーキのろうそくを弟の代わりに吹き消したり、プレゼントを勝手に開けたりとやりたい放題
 
 
私もイライラして怒鳴ってしまい、弟のバースデイが残念な思い出になってしまいました。
 
 
このお悩み、きょうだいのいる発達凸凹キッズのご家庭では、大きな悩みの1つなんです。
 
 
自分が主役じゃないと分かった瞬間ムスッとしてしまう
 
プレゼントをもらえないことで、きょうだいにあたってしまう
 
 
結局けんかになってしまい、お母さんもイライラ。せっかくのバースデイが台無しになってしまうこともあるんです。
 
 

嫉妬心だけじゃない。笑顔でお祝いできない理由はこれだった。

 
 
では、発達凸凹キッズはなぜきょうだいのバースデイを笑顔でお祝いできないのか。
 
 
その理由の1つは、ご相談者さんがおっしゃるように、嫉妬です。
 
 
きょうだいというのは、特別なつながりを持つかけがえのない存在であると同時に、一番身近なライバルでもあります。
 
 
きょうだいだけがお祝いされ、プレゼントをもらってうれしそうにしている、という事実に、身近だからこそ嫉妬してしまうんです。
 
 
でも、理由はそれだけではありません。
 
 
発達凸凹キッズの場合、以下のような特性のために、きょうだいのバースデイでうまく振る舞えないことがあります。
 
 
衝動性が強いため、ろうそくを吹き消す、プレゼントを開けるなど、ついつい目先の楽しそうなことをやってしまう
 
先を見通す力が弱いため、自分のバースデイまで待つことが難しい
 
いつもと違う場の雰囲気を感じることができず、落ち着かない
 
相手の気持ちを察することが苦手なので、きょうだいが嫌な思いをしていることに気がつかない
 
 
発達凸凹キッズたちは、きょうだいに対する嫉妬心だけでワザとバースデイを妨害しているわけではないんですね。
 
 
 
 
でも、特性が原因だからって、バースデイを楽しく過ごせないなんていやだ!何かいい方法はないの?
 
 
そう悩むご相談者さんに、我が家で実践したきょうだいバースデイ大作戦についてご紹介します。
 
 

発達凸凹キッズが大成長!きょうだいバースデイ大作戦

 
 
昨年弟のバースデイが気まずいものになってしまった我が家ですが、今年は去年と違い、家族みんなが笑顔で弟のバースデイを迎えることができました。
 
 
私がやったことは、兄のくすぐりポイントをくすぐっただけ。
 
 
それだけで、楽しいバースデイを過ごせただけでなく、きょうだいの関係まで良くなったんです。
 
 
発達凸凹キッズを成長させた、バースデイマル秘大作戦についてお伝えしますね。
 
 

バースデイ前

 
 
バースデイ2週間前。次男はプレゼントやケーキのリクエストを口にし始めます。
 
 
その話を聞くたびに、「いいな〜」という長男に、私はこう耳打ちしました。
 
 
「弟くんのお誕生日に、ないしょの作戦を実行したいんだけど…」
 
 
この「ないしょ」という言葉に子どもは弱い!大好きなお母さんと二人だけの秘密を持つという特別感を、まず兄に感じさせました。
 
 
そして、二人で弟のパーティプランを立てます。
 
 
楽しいことに目がない兄は、どんどんアイディアを出してくれました。なかには突拍子もないものもありましたが、大人にはない発想もたくさん!
 
 
このように誰かを楽しませるための計画を立てることで、相手のことを思う気持ちを育てることができるんです。
 
 
また、兄は視覚優位なので、カレンダーに丸をつけて見えるところに貼っておきました。
 
 
少し先の予定を意識して行動するトレーニングにもなりました。
 
 
次に、一緒にケーキを注文に行きました。お店の人に予約したい日にちとどんなケーキにするかを伝え、お金を払ってもらいます。
 
 
ケーキの注文やお金の支払いを体験させることで、買い物というソーシャルスキルを身につけることができます。
 
 
さらに、弟大好きな兄は、弟の好きなキャラクターの絵を添えたお手紙を書いてくれたのですが、そのキャラクターをネットで検索し、かっこいいイラストを真似して書いてくれました。
 
 
調べたいことを自分で調べる力や、イラストを見ながら書き写す力、しっかり観察して色を塗る力も鍛えられるんです。
 
 
どうですか?
 
 
バースデイの準備段階だけで、子どもの成長につながるたくさんのことを経験することができるんです。
 
 

バースデイ当日

 
 
バースデイ当日は、テンション高めの弟を見て、「いいな〜」がついつい口から出てしまう兄でしたが、「ないしょの作戦、頑張ろうね」という母の耳打ちでとたんに笑顔になってくれました。
 
 
まずはパーティの前に一緒に飾り付け。折り紙で輪っかの飾りを作ったり、風船を膨らませ壁を飾ってくれました。
 
 
そしていよいよパーティ!ごちそうやプレゼントに嬉しそうな弟でしたが、兄もにこにこしながら過ごしてくれます。
 
 
弟へのお手紙も渡し、ケーキも食べた後、私はこっそり買っていたプレゼントを兄に渡しました。
 
 
プレゼントは弟がもらったものと同じタイプのおもちゃ。弟ほどの豪華さはないものの、2人で一緒に遊ぶことができます。
 
 
「頑張ってくれてありがとう。弟と一緒に仲良く遊んでね」
 
 
と言って渡すと、兄はもう満面の笑顔!その後も2人で仲良く遊んでくれていました。
 
 
 
 
去年と違い、家族みんなが笑顔で過ごせたバースデイ。兄の成長に、感動しきりの母なのでした。
 
 

バースデイ後

 
 
無事にバースデイが終わって一安心。でも、ここにもまだまだ成長ポイントがあります。
 
 
例えば、ケーキを注文したお店にまた行ったとき、「ここで上手にケーキ注文してくれたよね、ありがとう。」と笑顔で声をかける。
 
 
弟がもらった手紙を眺めているとき、兄に「弟くんすごくうれしそうだね。今度母ちゃんにも書いてね」と声かけしてみる。
 
 
パーティで歌って踊ってくれた曲をかけて一緒に踊る。
 
 
子どもの使うタブレットの待ち受けを、バースデイパーティのときの写真に変える。
 
 
脳には、楽しい、嬉しいといった感情と結びついた記憶は定着しやすいもの。「あのとき楽しかったな〜、うれしかったな〜」という記憶を増やしてあげましょう。
 
 
楽しかった記憶をさらに思い出させてくれるちょっとした工夫を取り入れることで、「また誕生日に楽しいことしたいな」というやる気にも繋がるんです。
 
 

きょうだいを笑顔にするのも忘れないで

 
 
ここまで、発達凸凹のお子さんを成長させる作戦をお伝えしてきましたが、あくまでもバースデイの主役はきょうだいです。
 
 
発達凸凹キッズのきょうだいは、いろいろなことを我慢したり考えたりしていることが多いもの。
 
 
そのきょうだいを笑顔にしてあげるのもまた、お母さんの大切な役割の1つです。
 
 
どうか、バースデイだけは、きょうだい本人が笑顔で過ごせるようにしよう、という気持ちをお母さんが持っていてほしいなと思います。
 
 
例えば、我が家では、子どものバースデイ当日は、その子と私が2人っきりでデートする、というルールがあります。
 
 
夜はみんなでパーティをするけど、お昼は2人っきりで過ごして、普段ゆっくり聞けない話を聞いてみるのもいい方法かなと思います。
 
 
 
 
いかがですか?
 
 
バースデイ当日、発達凸凹のお子さんに気をもみ、主役であるきょうだいをみんなでお祝いしてあげるのは至難の技!というご家庭に送るのはこの一言。
 
 
バースデイを楽しく過ごすコツは、バースデイ前後にあり!
 
 
きょうだいがいるお子さんが、家族で楽しくお誕生日を過ごせますように。応援しています。
 
 
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執筆者:森中博子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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