1.繊細な子の不登校のはじまり
わが家には小学3年生の繊細な息子(なお)がいます。
小学1年生の2学期頃から寝る前になると、
「なおにはともだちがいない」
「だれもあそんでくれない」
と言うことがありました。
それでも朝になると元気に登校していました。
そのため、“どうして嫌だったことをいつまでも覚えているんだろう?“と感じながらも、様子をみていました。
そして、
「そっか。それは悲しかったね」
「大丈夫だよ」
「遊ぼって自分から声をかけてみるといいよ」
と寄り添い、励ます声かけを続けていました。
しかし3年生のGW直前のある日、激しく泣いて「もう学校にいきたくない」と言いました。
それまで積み上げてきたものが、一気に崩れてしまったように感じました。

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2.寄り添っても変わらないネガティブな言葉
2025年5月
本やインターネットで不登校について毎日調べたり、先生に相談しました。
「見守りましょう」「寄り添いましょう」
その言葉を信じて、子どもの気持ちを否定しないように寄り添ってきました。
学校に行けなくなり、ぼんやりとテレビを見たりゲームをして過ごす日々。
いつしか私や兄の些細な言葉や行動に苛立つようになりました。
そして、
「どうせじぶんなんて」
「ぼくには一つもいいところがない」
「ぼくなんていなくなればいい」
そんなネガティブな言葉を口にすることが増えていきました。
「そんなことないよ」
「無理しなくていいよ」
「今はゆっくり休もうね」
責めないように、否定しないように、そう思って選んだ言葉でしたが、それで子どもが楽になるわけではありませんでした。
“学校に行かずにゆっくり休んでいるはずなのになんで?“
“寄り添い、見守っているのになんで?“
どう関わるのが正解かわからなくなり、気づけば私も自信をなくしていました。
このままではいけないと思いながらも、何をどう変えたらいいのかわからないまま、時間だけが過ぎていったのです。
そんな中、悩みながらも子どもとの関わりを模索する中で出会ったのが、脳科学・心理学・教育学をベースにした発達コミュニケーションの学びでした。
家庭での関わり方や日常の声かけに目を向けていく視点に触れたことで、私自身の受け止め方が少しずつ変わっていきました。
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3.ネガティブな言葉が止まらなかった理由
2025年6月
最初に教えてもらったのは、繊細な子がどのように世界を見ているか、どんな脳の特徴があるかということでした。
たとえば、友達に遊ぼうと声をかけて断られた出来事。
私にとっては小さな出来事の一つで、こども同士ではよくあることだと思っていました。
しかし、なおにとっては、その時の悲しさや不安と強く結びついて記憶に残り続けていたのです。
そしてその体験が、“ぼくが悪いんだ“ “みんなに嫌われているのかもしれない“ そんな思いにつながっていきました。
さらに、私の表情や言葉から不安や焦りも敏感に受け取っていたことで、“お母さんを困らせている“という感覚も重なっていきました。
そうして少しずつ、「どうせぼくなんて」という言葉につながっていったのだと知りました

4.繊細な子の脳に合った3つの関わり
2025年7月
学び始めて最初に見直したのは、子どもの「できていないところ」に向けていた注目を「できているところ」に変えることでした。
①指示・指摘を封印する
「ハンカチ持った?」
「宿題やったの?」と先回りし、
「お茶碗持って食べようね」
「テレビは離れて見ようね」と注意する。
それまでの私は子どものできていない行動にいつもアンテナを張り、「ちゃんと」させようとしていました。
このような過保護やしつけの関わりでは、子どもが自分で考えて行動する機会が減り、自信を持って行動できなくなると知りました。
しかし、気づくと自己流に戻ってしまい、これまでの見方を変えることの難しさを感じました。
それでも関わりを見直す中で、“今は言わなくていいかも“と、自分の中で声をかけられているような感覚が出てきました。
学んだことで、これまでとは違う見方や判断が自分の中に少しずつできていったのだと思います。
②できて当たり前のことに注目する
「できていること」に肯定的な注目を増やすと、
“お母さんが見てくれている。自分はできる。大丈夫。“と、子どもの自信とやる気が育ちます。
例えば、朝起きてきたことや、ごはんを食べていること。
それまでの私はそんなことは「できて当たり前」と思い、意識して見ていませんでした。
しかし、その“当たり前“の中にこそ、その子なりの頑張りがあるのです。
「おはよう、起きてきたね」
「ごはん、おいしそうに食べているね」
そんなふうに、できていることをそのまま言葉にして伝えるようにしました。
そんなことで?と思うかもしれませんが、私が声をかけると、なおは嬉しそうにニコニコとしていました。
③表情、オーラに気をつける
食事の準備や片付けをしている時に、「おかあさん、つかれてる?」と聞かれることがよくありました。
繊細な子は人の感情を敏感にキャッチします。
そのため、私の表情や雰囲気から“大丈夫?機嫌悪いのかな?“と感じて不安になっていたのだと思います。
そこで、音楽を聴きながら鼻歌を歌ったり、目があったらニコッと口角を上げるようにしました。
すると「おかあさん、つかれてる?」と聞くことは減っていきました。
また、目があった時になおが真似をして口角を上げたり、時には変顔で返してくれるようになりました。

5.自分を否定する子に向き合う中で、私が見落としていたもの
2025年8月
学び始めて1ヶ月ほど経つと、「なおのいいところをおしえて」と聞いてくるようになりました。
私がいくつかあげると、少し照れたように笑って「それから?」と聞いてきます。
「ぼくには一つもいいところがない」
私がどれだけ言葉を重ねても、自分を否定していた息子。
ネガティブな言葉を耳にしなくなり、心からホッとしたのを覚えています。
振り返ると、私は子どもをどう変えるかばかり考えていました。
また、寄り添うことが大切だと思いながらも、子どもの見ている世界や脳の働きまでは想像できていませんでした。
しかし、発達科学コミュニケーションの学びに触れたことで、子どもを「どう見ていくか」に目を向けるようになりました。
子どもを変えようとするのではなく、まず自分の見方を変える。
どうしていいのかわからず動けなくなっていた私の中で、子どもを理解できないことへの不安やもどかしさが少し緩んだのを覚えています。
子どもへの関わりを変えることは、自分自身を整えることにもつながっていたのだと、今は感じています。

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執筆者;あべ ゆき
発達科学コミュニケーション





