1.なんでも「ママやって」と自分でやろうとしない息子
どこに行っても「褒めるのがいい」と言われ、「すごいね」「じょうずだね」とたくさん褒めているのに、褒めても褒めても自信が育たない…それどころか、なんでも「ママやって」と自分でやろうとしないお子さんに悩んでいませんか?
私は「こんなに褒めてるのに、なんで自信が育たないんだろう?」と思っていました。
わが家の3歳の息子(通称スカイくん)は、「ママやって」が口ぐせで、はじめてのことに挑戦するのが怖い、できそうなことでも自分でやってみようとしない繊細な子です。
たとえば、「ボタンとめて」「えをかいて」「(折り紙で)ひこうきつくって」など、できそうなことにもなんでも「ママやって」が飛び出してくるのです。
保育園の先生からは、「あとは自信だけなんだけどね…」と言われることもあり、自信をつけようと「すごいね」「じょうず~」とたくさん褒めていました。
しかし、どんなに褒めても、スカイくんの自信は育たず、「ママやって」はむしろ増えていったのでした。
2.繊細な子の脳には一般的な褒め方は逆効果!
実は、繊細な子どもの脳には、「すごいね!」「じょうずだね!」という褒め方は逆効果なのです。
なぜなら、結果を評価する言葉が、「100%できることがいいことなんだ!」「100%できないとダメなんだ!」という強い思い込みを作ってしまい、繊細な子どもの白黒思考・完璧主義を強めてしまうからです。
すると、100%できると思わないことに対する不安が強くなり、スカイくんは「できないからやりたくない」「失敗しそう…」という気持ちになり、ますます「ママやって!」と言うようになりました。
3.繊細な子どもの自立がグンと進む褒め方
では、なんでも「ママやって」が口ぐせのスカイくんの「やってみる!」を育て、自立がグンと進むためにはどうすればいいのでしょうか?
私が実際に試して効果バツグンだった3つのポイントを紹介します。
◆結果ではなく過程を肯定する!
行動のし始めこそ、たくさん肯定してあげます。
実は、人間の脳は車のエンジンと似ており、動き始めに一番エネルギーを使うので、最初の一歩を肯定することで、行動が続きやすくなります。
例えば、「着替え始めたね」「お片付け始めたんだね」と声をかけます。
また、幼児さんはもともと集中できる時間が大人より短いため、途中で疲れてしまい、最後まで続けることが難しくなります。
そのため、途中で「もう半分までお着替え終わったね」「あと少しだよ~」とたくさん肯定の声をかけてあげることで、少しずつエネルギーをいれてあげることが大切なんですよ!
◆「ハナマル作戦」で自信を育てる!
「できた!」という結果よりも、頑張った過程に注目することがとても大切です。
たとえば、「着がえようとしただけでハナマルだね!」「服を選んだんだね!ハナマル!」「右手を通しただけでハナマルだよ!」「ズボンを半分まであげたね!ハナマル!」というふうに、過程を肯定してあげましょう。
このようなハナマル作戦で、スカイくんは「ぼくできてる!」「大丈夫だった!」と安心感を得られ、自信が育ち、「次もやってみよう!」と思うようになれたのです。
◆簡単にできる肯定のコツは「実況中継」
そうは言っても、「肯定するところがない…」と思われるママには、簡単にできる「実況中継」がオススメです。
たとえば、「服選んだね!」「右の靴下脱いでるね!」「座ってご飯食べてるね」「ズボン脱いでるね!」など、目の前で起きている事実をそのまま言葉にするだけで肯定することができるので、とっても実践しやすいですよ!
スカイくんは、最初はなんでも「ママやって!」が口ぐせでしたが、この方法を取り入れると、自分でできることが増えて、「ぼくやりたい!」と自ら進んで行動するようになりました。
最初の頃は「できない…」と不安そうだったお絵かきも、今では自信をもって自分でペンを握るようになり、お着替えも自分から進んでやるようになりました。
ぜひ自立がグンと進む3つのポイントを試して、お子さんの自立をサポートしてあげてくださいね。
執筆者:まるやま あやか
(発達科学コミュニケーショントレーナー)