繊細で傷つきやすい不登校の子が復学で頑張り過ぎた時に心と脳を回復させる3つのポイント

不登校繊細な子は、安心するお家から離れ、学校に少し行くだけでも、心と脳はとてもエネルギーを使います。「お母さんのために」「先生のために」みんなの期待に応えようと頑張りすぎてしまうのです。この記事では、そんなお子さんの心と脳をお家で回復させる関わり方をご紹介します。

1.お家でゴロゴロしている不登校繊細な子

 

私には、不登校を経験しながら、登校にチャレンジしている繊細な息子(通称:優士)がいます。

 

久しぶりに放課後登校から帰ってくると、何もせずにリビングでゴロゴロしてテレビを見ながらぼーっとしている時間や、漫画本を読んで、ダラダラしているようにみえました。そんな姿を見ると、つい私は、

 

「手洗ったの!?手紙もらってきたの!?」

「ランドセルが玄関に起きっぱなしだよ!」

「やることやって自由にしなさい!」

 

と、声をかけていました。すると、優士は「うるさい!」と反発し、親子で言い合いになることもありました。

 

実は、繊細なお子さんがゴロゴロするのには、きちんと理由があるのです。

 

では、次に、その理由を見ていきましょう。

 

 

2.不登校繊細な子が学校で頑張り過ぎる理由とは?

 

不登校繊細な子は、周りの空気や人の感情にとても敏感です

 

「ちゃんと行かなくちゃいけないのに・・」

「みんな行けているのに、自分だけ行けない・・」

 

後ろめたさや罪悪感を強く感じやすく、そんな気持ちから、「不登校の自分はダメなんだ」と自信を失いやすくなります。

 

だからこそ、「お母さんのために」「先生と約束したから!」と、自分を奮い立たせ、期待に応えようとして無理に頑張り過ぎてしまいます

 

また、「怒られたくないな」「嫌われたくないな」と、自分の本当の気持ちを我慢しながら、周りに合わせ過ぎてしまうこともあります。

 

ほんの少しの言葉や表情でも傷つきやすく、自分を責めてしまう傾向が強いのです。

 

こうした状態で登校チャレンジをすると、自分の気持ちよりも「周りにどう思われるか」に意識が集中し、心と脳のエネルギーは限界まで使い果たしてしまいます。

 

そのため、お家に帰ると、何もできくなるほど、ぐったりと疲れきってしまうのです。この姿こそ、心と脳が限界を迎えてるサインといえるでしょう。

 

 

3.頑張り過ぎた不登校繊細な子の心と脳を回復する3つの安心ポイント

 

そんな、頑張り過ぎた状態が続いてしまうと、繊細なお子さんの脳はエネルギーを失い、やる気や元気が戻りにくくなってしまいます。

 

そのため、不登校繊細なお子さんが元気を取り戻すには、「お家の過ごし方」がとても大切です。お家でいつも通り頑張らせるのでなく、安心して心と脳をしっかり回復させることが大切です。

 

ここからは、お家で実践できる3つの回復ポイントをご紹介します。

 

①何もしない姿をそっと見守る

 

繊細なお子さんが、ボーっとテレビを見たり、リビングでゴロゴロしているときは、学校で使い果たした心と脳のエネルギーを取り戻しているのです。

 

お子さんには、「お疲れ様」「お帰り」「大好きな○○食べようか」と、お母さんの優しい声と笑顔で迎えましょう。

 

「そのままでいいんだよ」、「今は休む時だよ」というメッセージが、繊細なお子さんに安心を与えます。

 

②指示を一旦置いておく

 

学校から帰宅後すぐに、手を洗うことや片づけることを指示したくなる気持ちは自然なことです。しかし、心と脳のエネルギーを使い果たしている状態では、お母さんのお話も聞き入れる余力がありません。

 

「優先は、心と脳のエネルギーの充電」と考え、お母さんのやってほしいことを、一旦置いておくことを始めてみて下さい。

 

お子さんが、外の環境でも自分らしさを出せるようになった時、自分から動き出す力が戻ります。そのため、今は回復する時間と思える視点が大切です。

 

③安心して回復できる環境を整える

 

不登校繊細なお子さんにとって、「お家は安心できる場所」であることは、何よりのエネルギー源になります。

 

例えば、

一緒におやつを食べながら過ごす

テレビを見ながら、同じ空間で一緒にリラックスする

「お疲れ様」とそっとマッサージをしてあげる

 

このような関わりは、「自分のままでいいんだ」という安心感を繊細なお子さんの心と脳に与えます。

 

安心感が心と脳にたまっていくと、繊細なお子さんは、自分の力でまた前に進めるようになるのです。

 

 

4.心と脳が回復した不登校繊細な子

 

優士は、私が「登校できた・できない」ではなく、心と脳を回復させる時間を最優先にする関わりに変えてから、少しずつ自分の気持ちを言葉にできるようになっていきました。

 

ある日、ご飯を食べていると

「今日友達と一緒に遊んで、本当は○○やりたかったんだけどいえなかったんだよね」と、自分から話してくれるようになったのです。

 

今までは、私がどんなに話しかけても「別に、関係ないじゃん」としか言わなかったのに、自分から本音を少しずつ話してくれるようになってくれたことが、何よりうれしかったのを覚えています。

 

お母さんが、「あなたはそのままで大丈夫だよ」と、言葉や態度で伝え続けることは、不登校繊細な子の心と脳に安心の土台が作られ、自分らしさを発揮できる力に変わっていきます。

 

心と脳に安心をたっぷり貯める環境作り、始めてみてくださいね。

 

執筆者:増山陽香

(発達科学コミュニケーショントレーナー)

 

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