水が苦手な繊細な子がプール嫌いを克服できた!自信がみるみる育つ「脳に届く声かけ」

プール嫌いで幼稚園や学校に行きたくない、ということはありませんか? 繊細な子は、水への恐怖心や不安が大きくなることにより行動できなくなっているかもしれません。 苦手なことが好きなことに変わった、繊細な子の自信を育てる肯定の仕方をご紹介します。

1.息子は繊細な子で、こういう性格なんだと決めつけていた私

 

我が家には、怖がりで不安が強い繊細な子、通称・ゆうちゃん(年少・3歳・男の子)がいます。

 

2歳から通っている保育園では、他のお友だちと一緒にする遊びや初めて取り組む遊びになかなか参加できないことを先生から度々聞かされていました。

 

子どもは向こう見ずで何にでも飛び込んでいくものと思っていた私は、我が子は特別慎重な性格なのかなあ…と、そういうタイプなのかな?と安易に考えていました。

 

 

2.お風呂嫌いやプール嫌いが加速した「水が怖いという記憶」

 

もともとお風呂は大好きだったゆうちゃんが、ある日を境に湯船に足を入れられなくなりました。

 

なかなか入ろうとしないので私が抱えて入れようとすると、大泣きで全力拒否。

 

一体何が起こったのか、思い当たることは何ひとつなく全く理解ができませんでした。

 

湯船に入るということが一筋縄ではいかなくなってしまい、お風呂の時間は本当に大変…!

 

同じ頃、保育園でプールの時間が始まっていました。

 

「プール嫌いというのか…水が苦手みたいでなかなか入ろうとしなくて…。実はいつも見学なんですよね」

と、先生から聞いたのはプール遊び期間が半分くらい過ぎた頃でした。

 

お風呂に入れない様子を毎日見ているので、プール嫌いも納得。

 

お風呂では、2週間ほどかけて何とか私にしがみつきながらでも少しずつ入れるようになってきたのも束の間…いつも自分が入る時と順番が変わったり、どこか一つでも様子が変わったりすると入れなくなってしまうということがわかりました。

 

ゆうちゃんは先に入っていた弟を湯船から出すように私に言い、おもちゃも全部出してまっさらの状態を求めます。

その後「ママが先に!」と言って、私を先に入れます。

 

足が下につくかどうかわからない、転ばないかどうか不安という恐怖心からきているのかなと想像していましたが、そこまで怖がる理由は何なんだろう。

そして、本当に単に「プール嫌い」なんだろうか…。

 

私は、そうなってしまう理由が知りたいと思いながらもどうすれば良いのかわからず、その時々でゆうちゃんの望む通りに動くことしかできませんでした。

 

ただでさえ次の行動に移るまで時間がかかり寝るのも遅い日々だったので、毎日とにかく早く上がって1分でも早く寝かせたいという思いが先に来ていたからです。

 

家で私がどうにかできるうちはいいけれど、外の世界で同じようなことが起きた時に、こんなに繊細な子は自分の力で生きていけるんだろうか…と次第に不安は膨らんでいきました。

 

 

3.繊細な子だからと息子を守りたい一心で違う方向に進んでいた

 

当時の私は、ゆうちゃんの側にいる時間を増やしたり願いを聞くことに一生懸命でした。

 

繊細な子なので、なんだか辛そう、なにか嫌なんだろうなと私が感じ取ればわがままも受け入れてやりたいようにやらせたり、泣きながら登園したゆうちゃんの姿が目に焼き付いて離れなくて早くにお迎えに行ったり…。

 

土日は好きなことを思いっきり楽しませたくて、ゆうちゃんの「行きたい」「食べたい」「ほしい」を叶えることばかりしていました。

 

そして、それをすればするほど、ますます外を嫌がり私から離れられなくなっているように感じていきます。

 

登園渋りも1年以上続いていました。

 

そんな時、繊細な子の心と脳を強くする親子の関わり方を専門に教えているむらかみりりかさんと出会いました。

 

繊細な子はとくに、安心して過ごせる範囲が狭く、いつも決まった場所や人でないと落ち着けないので、おそらくゆうちゃんは園という集団の中で本来の力を充分発揮できずにいると教えていただき、思い当たることがいくつも浮かびました。

 

寄り添うだけとも違う、言われるままに願いを叶えるだけでもない、ゆうちゃんの安心安全の範囲を広げてあげるとはどういうことだろう。

 

心の土台が安定すれば不安が少しずつ払拭されていき、できることも増えていく…。

この時点ではなんとなくの理解でした。

 

いま目に見えている悩みはほんの一部分で、本当に解決すべきことはもっと別のところにあると知り、学ばない選択肢はない!と思いました。

 

ゆうちゃんを守りたい一心で力を注いでいたことの方向性が、違っていたと気付いたからです

 

それであれば、1日も早くそのコミュニケーションを学んで実践したい!と学ぶことを決意しました。

 

 

4.繊細な子に自信をつけてあげたい!今できていることだけに注目

 

発達科学コミュニケーションを学び始めてまず取り組んだことは、2つでした。

 

①できていることへの注目と肯定

 

これまで私も夫も褒めている方だと思っていたので、肯定はできているような気がしていました。

 

しかし実際にやってみると、「えらいね!」という抽象的な褒め言葉を多用していたことや、過程には触れずにやり終えたことだけを「じょうず!」と褒める習慣がついていることに気づいていき、肯定と褒めるはイコールではないことを学んでいきました。

 

【具体的な肯定の仕方】

 

◆見たままの息子の行動を実況中継する

 

「起きてきたんだね!」

 

「お、着替えはじめてる!」

 

「リビングから出て玄関に向かってるね!靴を履こうとしてるね!」

 

◆感謝の気持ちを息子に伝える

 

「ゆうちゃんー!って呼んだらすぐ来てくれたね、ありがとう!」

 

「お茶碗ぴかぴか!たくさん食べてくれたらママうれしいよ!」

 

はじめは、できていることへの注目を日常に取り入れることの徹底から始めました。

毎日繰り返していくうちに、できていることの肯定が家の中で当たり前になっていきます

 

これまではやっていて当たり前で、できなかった時にだけ注目していたんだと気づくことも多かったです。

 

始めて1週間で、次の行動に移るのがとてもスムーズになり、それをまた肯定しました。

 

ゆうちゃんの表情から、少しずつ自信がついてきているのを感じました。

 

②見通しを立てる

 

できていることの注目でだんだんと自信をつけていることが見えたので、お風呂では湯船に足はどこまで入るのか?入ったらどうなるのか?を伝えながら、安心させて徐々に自分で入れるように促す方法に変えていきました。

 

私は必ず先に入り、

「こっちの足をママの足に乗せてごらん。ここより下はないからね、ここが底だよ。」

「今度は反対の足をおろしてごらん。肩につかまってていいよ。」

 

こんな声掛けをして、先の見通しが立たないことへの不安を取り除いていきました

 

ママの足の上に乗る形で入ってみる、次は湯船の底まで自分の足をつけてみる、

 

「入れた!気持ちよかった!また明日もやってみる!!」

 

とゆうちゃんの反応も徐々に変わっていきました。

 

発達科学コミュニケーションを学び始めて3ヶ月。

お風呂には浴槽の縁をつかんで一人で安心して入れるようになりました。

今では弟が入っていようと、湯船におもちゃが浮かんでいようと、どんな状況でもスッと入れるようになっています。

 

もう私が先に入っている必要も全くなくなりました。

 

 

5.プール嫌いはどこへやら…!「まだ上がりたくない」と言うほど、大好きに

 

ほんの数ヶ月前までは、何がそんなに不安なんだろう、どうしてそこまで怖がるんだろう、とゆうちゃんの行動や気持ちが理解できませんでした

 

発達科学コミュニケーションを学んでいくにつれて、どうしてそのような行動に出るのか、何がそうさせているのかが理解できるようになりました。

 

すると、いま自分がどのような手助けをしてあげれば良いのかがわかるようになっていきます

 

私が正しく理解をして、もっと早くに手助けができていたら…ゆうちゃんはあんなにたくさんの涙を流さなくて済んだかもしれない、と今なら思います。

園でのプール遊びも、お風呂でさえも、先の見えないことに怖い気持ちでいっぱい、その場で見ているので精一杯だったのです。

 

最近では、私が見通しを立ててあげられたり不安を安心に変えてあげたりすることができれば、こんなにも色々なことにチャレンジできる子だったんだ!と驚きと感動の連続です。

 

ゆうちゃんがお風呂で湯船に入るのを躊躇うことは、今どんな状態なのかを知ることができる私のバロメーターのひとつにまでなっています。

 

湯船に入れるようになったので、プールも大丈夫かもしれないと思い、年末年始の旅行で宿泊先のプールに入ってみました。

 

「プール嫌い」はそのままなのだろうか…。

 

びっくりすることに、こちらがもうあがろうよ〜と何度も声をかけるほど泳ぎに夢中になり、プール嫌いから一転!プールが大好きなものに変わりました

夏の保育園のプール遊びを、冬から楽しみにしているほどです。

 

今年度のプール遊びは、全力で楽しめるだろうと確信しています。

 

 

執筆者:ふじもと はるな

発達科学コミュニケーション

 

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