不登校で生活リズムが崩れた繊細な子の新・歯磨き習慣

不登校で生活リズムが崩れ、歯磨きが嫌いになった繊細な息子。歯磨きに誘うたびに、「うるさい」と反発され悩んでいましたが、脳に届く言葉かけを学んだことにより、自然に歯磨き習慣を取り戻すことができました。お子さんの脳が動き出せる関わり方をご紹介します。

1.不登校になり、生活リズムが崩れた繊細な息子

  

わが家の次男(通称:優士)は、不登校になってから、生活リズムが大きく変わりました。歯磨きやお風呂をその日の気分によって、やったりやらなかったりしているうちに、「めんどくさいからイヤ~」と、歯磨きが嫌いになり全くやらなくなりました。

 

歯医者さんから定期健診のはがきが届いたため、歯医者に行くと「虫歯だね~」といわれてしまったのです。

 

優士は、少しずつ元気を取り戻していたため、これをきっかけに、歯磨き習慣を取り戻そうと思いました。

 

 

2.「歯磨き嫌」の声かけにためらう日々

 

不登校になってからは、生活全体がルーズになってしまい、何もかも「めんどくさい」の一言で片づけてしまう優士。

 

そのため、「今日歯医者さんで虫歯が見つかったから歯磨きしようよ」と誘っても、「うるさい!」と言われ、どう声を掛けようか悩んでいました。

 

なんとか自然に歯磨きができる流れを作ろうと考えました。

・私が歯ブラシを持ってくる

・優士が受け取る

・テレビを見ながら歯磨きする

 

このステップなら、優士にも負担が少なくできる!と思った私。実際にやってみると、「うるさい!やんなくたっていいんだよ!!」と、あっさり跳ね返されました。

 

何度も跳ね返されるうちに、段々声をかけるのをためらうようになっていきました。

 

 

3.繊細な息子の歯磨きが嫌いを作っていた私の声かけ

 

私は、優士の言葉の意味を考えてみました。「歯磨きしてね」と伝えていたと思っていましたが、優士にとっては、一言多く言葉を伝えていたことに気付きました。

 

「また虫歯になるよ」

「テレビ観ながらなら出来るでしょ」

「もう元気になってきたんだから歯磨きぐらいやろうよ」

 

繊細な子の脳は、人の評価に敏感に反応します。指摘・指示をすることにより、繊細な子の脳は「否定された」と受け取ってしまい、行動にブレーキをかけてしまうのです。

 

私は、「虫歯になって歯医者に連れていくのも大変になりそう」と心配で、なんとか歯磨きをさせようとしていたため、優士の反発する言葉にイラっとしてしまい、つい、余計な一言を重ねてました。

 

優士の「うるさい」は、私の余計な声掛けに対するものだったのです。気付かぬうちに、私の関わりで、「歯磨き嫌い」を強めていたのでした。

 

 

4.歯磨き嫌いがなくなった脳に届く声かけ

 

 優士が自然に歯磨きができるようになった私の作戦をご紹介します。

 

①息子に指示することをやめる

 

優士が「うるさい」と聞く耳が閉じてしまわないように、勇気を持って歯磨きをすることを指示することを止め、期待することも、イライラすることも手放すことを決めました。

 

②家族で歯磨きをする姿を見せる

 

優士がリビングでゴロゴロしているタイミングで、家族で歯磨きを始める空気を意図的に作りました。1週間ほど経つと「みんなが歯磨きをしている」空気を感じとった優士は

 

「オレの歯ブラシもちょうだい」と自然に話してくれました。

 

「自分で持ってきなさい」とは伝えず、優士に歯ブラシを手渡し、歯磨きが終わった後は「さっぱりしたね」とだけ伝えました。

 

たった、これだけで、あんなに「いやだ、うるさい」と跳ね返していた優士は、すっかり自分のタイミングで歯磨きをできるようになれたのです。

 

5.不登校繊細な子の「歯磨きが嫌い」は解決できる

 

不登校の繊細なお子さんは、お家の中で周りの空気をとても敏感に感じとります。「やらされている」と感じると抵抗を生みやすい反面、安心できる環境の中では自分から行動を起こしやすくなるのです。

 

優士の場合、指示をやめ、家族で自然に歯磨きする場面を作ることで、安心を受け取り自ら行動することができました。

 

お子さんによっては、口の中の感覚の過敏さによって歯磨きに苦手意識があることもあると思います。そんな時も、無理にやらせようとせず、繊細なお子さんの安心できる空気・環境作りをお勧めします。

 

不登校になると生活リズムが崩れるので、わが子を心配して焦ってしまいますが、繊細な子脳に届く声かけで、落ち着いて関われるようになりますよ。

 

執筆者:増山陽香

発達科学コミュニケーショントレーナー

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