新学期を不安がる繊細な不登校の子が学校に向かえたママの会話と安心のお守り

不登校のお子さんが、給食だけ参加したり、自分のペースで行事だけ参加したりはできるということありませんか?新学期を前に築いてきた安心がリセットされそうになったら、「安心の見通しづくり」がカギになります。 私と娘が不安を乗り越えて新学期を迎えた体験をお伝えします。

1.繊細な不登校の娘の対応に困った私が出会った新しい学び

 

私の娘、千帆(仮名)は小学5年生。繊細な気質を持ち、学校や習い事での失敗体験から自信を失い、不登校になっていました。

 

不登校になった小学3年生の夏、家では元気を取り戻しているのに、なかなか外の世界に出て行こうとしない千帆の対応に悩んだ私は、繊細な子の心と脳を強くする親子の関わりを専門に教えている、むらかみりりかさんに出会い「発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)」を学び始めました。

 

学びを実践していくと数週間で娘は、家族や気の合う友だちと出かけることも増えてきたのです。

 

「元気な不登校」と自称し、学校の勉強には興味を示さないものの、給食だけ食べに行ったり、行事だけ参加したりすることもできるようになってきました。

 

小学5年生になる直前、学校の先生と新学期以降どのように学校と関わっていくかを相談する機会がありました。

 

千帆の希望したことは

・教室以外の場所でも過ごしたい

・行事には参加したい

・宿泊体験で予定されている海でのカヌーにも挑戦したい

 

不登校ながらも少しずつ学校での関わりを増やしたいという前向きな気持ちが見えてきました。

 

 

2.長期休みに入る前に築いた安心がリセットされる新学期

 

千帆は4年生の後半、主に過ごすのは職員室ではありましたが自分のペースで安心して通うことができていました。

 

なぜなら

・たくさんの子どもたちの目に触れない安心できる和室(職員室の隣の部屋)

・職員室の顔なじみの先生たち

・ついたての陰からそっと観察できた自分のクラス

・休み時間だけなら入れたクラスの輪

 

少しずつ積み重ねた「安心」が、千帆の自信になっていました。

 

「今日来たんだね」と自然に迎えてくれるクラスメイト、無理に誘ったりせず、そっと見守ってくれる先生。

 

そんな環境が、繊細な千帆の心を支えてくれていました。


しかし、新学期になると、それがほとんど「いったんリセット」されてしまうのです。

 

 

3.繊細な子は見通しが立たないものに心のブレーキがかかる

 

長期休みに入ると、千帆から「あ~あ、イヤだな~、クラス替え、知らない人ばっかりだったらどうしよう」という声が聞かれるようになってきました。

 

繊細な子の脳の中では、新学期など環境の変化があるとき、「よく分からなくて不安」「不安だからやめておこう」と行動を止めてしまう心のブレーキがかかることがあります。

 

心のブレーキは、見通しが立てられず漠然とした不安に思う場面で働きが強くなります。新学期から「どんな先生で、どんなクラスメイトか分からない」といった状況は、千帆の行動を止めてしまうかもしれません。

 

では、どうすれば繊細な子は不安があっても行動することができるのでしょう。

 

発コミュで学んだコミュニケーションで解決していきます。

 

 

①基本のコミュニケーション「好ましくないことはスルーし、できていることを肯定」

 

生活の中では当たり前にできていることを肯定し「できた!」の自信を貯めていきます。自信が貯まると、不安なことがあっても、「自分ならできる!」と行動することができます。

 

さらに、学校に関係することでも、できていたことを思い出すような会話をすることで、学校に対してポジティブな感情を抱くことができます。

 

②安心を育てる細かい見通し

 

一つ一つ解決していくことで「これなら大丈夫だ!」「これ知っている」安心を貯めることができます。

 

この自信と安心を積み重ねていくことで、ちょっとした不安があっても、「自分ならなんとかできる」と、乗り越えていくことができます。

 

4.繊細な子の不安を安心に変えるママとの準備

 

長期休みで、まだ新しい担任の先生もクラスメイトも分からない状態ではありましたが、見通しの立たない不安を少しでも「安心」に変えるために、お家でできることはあります。

 

新学期当日「知ってること」があれば、それが安心のお守り」になってくれます。

 

ママと一緒に確認できることとして

・靴箱の位置(学校に行けなければ見取り図で)

・新学年の教室の場所(同上)

・先生たちの写真(広報誌や学校HPで)

などがありました。

 

私が「この場所やあの先生知っている?」と問いかけると千帆は言いました。

「知ってるよ、新しい学年の靴箱」

「教室はあそこでしょ」

「新学期最初の日は鉄棒のところに集合なんだって」

「手提げ袋と上履きと鉛筆と連絡帳を持っていくんだよ。先生がこの前言ってた」


えっ、そんなに覚えてたの?

 

「メモも見ずに、よくそんなに覚えていたね!」と正直びっくりしながらも、できていることを肯定する声かけをしました。

 

 

5.安心のお守りを持って迎えた新学期

 

新学期初日、行けても行けなくても、新しい学年の見通しを二人で立てられたことがすでにハナマルでした。

 

不登校であっても、安心の準備を積み重ねれば「一歩踏み出す勇気」につながり、行動しやすくなります。

 

私は内心「初日に行けたらこのあとスムーズなんだけどどうかな?」と期待と不安の入り交じった気持ちで様子を見ていましたが、千帆は、しっかり準備した「安心のお守り」を手にして、学校に向かうことができました。

 

毎日通うことはないかもしれませんが、いつでも千帆のペースで学校に通えるようこれからも安心を増やして行きたいです。

 

そして、もう一つ、私ができる作戦があります。

 

それは、「まず母である私が先生と仲良くなる」ということです。

 

初めて千帆の学年を受け持つ先生でしたので、あまり馴染みがありません。

 

ちょっとしたことでも、先生のことが分かれば、それもまた安心のお守り」になっていきます。

 

「あの先生、ママと仲良かったな~」

「あの先生なら大丈夫かも」

 

こんな思いが安心に繋がります。

 

学年が上がるタイミングだけではなく、長期休みが明けるときは、それまでの学校の様子を振り返って「できていたこと」「知っていること」を伝えて、そっと背中を押してあげたいです。

 

 

執筆者:あなんしほ
発達科学コミュニケーション

 

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