宿題や課題をやらない中学生に悩んでいませんか?
発達障害・注意欠陥多動障害(ADHD)傾向の中学生の提出物のお悩みを持っていらっしゃるお母さんはいませんか?
・宿題や課題をやらない
・自分でやらないで答えを丸写ししている
・期限までに提出物を出さない
私の息子はADHD傾向がある子で、中学生時代には宿題や課題を自分でやらないで答えを丸写しするという悩みがありました。
学生時代は真面目だった私にとって、答えを写して提出するということはとても許せない行為で、「きちんと自分でやらなければ意味がない!」と思っていました。
息子が答えを見てしまうなら答えがなければ自分で解くようになるだろうと考え、答えを全て預かることもしました。
しかし、かえって言い争いが増えてしまい、ふてくされた息子は課題をやる意欲すらなくしてしまいました。
そして、期限に間に合わない、そもそも出す気もないという状態にだんだんになってしまいまったのです。
発達科学コミュニケーションに出会い、親子のコミュニケーションを学ぶ中で、私は息子の意欲を取り戻すにはどうすれば良いかをまず考えました。
発達障害ADHDの中学生が宿題や課題を自分でやらない理由とは
発達障害ADHDの特性がある子は、脳の特性で宿題や課題を自分でやらない理由があるのです。
◆集中力が短い
発達障害・ADHD傾向の子は、みなさんが思っている以上に集中力が短いです。
私の息子は、当初は10分しか集中が持ちませんでした。
10分ではなかなか課題はやりきれません。
そして、集中が切れる時間が早いため、終わらない宿題の量を膨大に感じてしまいます。
無理だ、面倒だという気持ちが先に立ち、毎日コツコツやるということがとてつもなく難しいことになっていたのです。
◆苦手なものややりたくないものへのハードルが高い
発達障害ADHD傾向がある子どもは苦手と感じたり、興味のないものには取り組めないということがよくあります。
これは脳の特性なのです。反面、好きなことには集中して打ち込めるという特徴もあります。
ですから、苦手な勉強や宿題に取り掛かかれないかったり、面倒と感じてしまうのも脳の特性から無理ないこと。
このことを理解すると、苦手な勉強や宿題へ向かう気持ちのハードルが高く、答えを写してしまう息子の気持ちも少しは理解できるようになったのです。
中学生の提出物を答えを写してでもやり遂げた方がいい理由
もちろん課題は自分でやった方がいいには決まっていますが、まず初めの段階として、
「答えを写してでも出したほうがいい理由」が実はきちんとあるのです。
その理由は次の2つです。
◆子どもにもプライドがある
提出物を写してでも出す意義はあります。
それは子どもが「提出物を出せた!」という肯定的な気持ちになるからです。
彼の気持ちをじっくり聞いたところ、期限後の提出は持って行きづらいということで、なんとしても提出日には出したいとのことでした。
私と同じように真面目なお母さんは、
「自分で解いていないものを提出するなんて、全く意味がない」
と思われるかもしれませんが、そうではありません。
当初答えを写して提出していた息子は、「自分もみんなと同じように、提出物が出せている!」ということで自分のプライドを保っていました。
しかし、私が答えを隠し提出ができなくなると、「今回も提出できなかった」「みんなと同じにできなかった」とマイナスの感情ばかりを持つようになってしまいました。
マイナスの感情に苛まれていった息子がどうなったかというと、授業を聞くことがつまらなくなり、授業中に机に突っ伏して寝てしまうようになってしまったのです。
学校から、授業態度の指摘を受けた私は、自分がやっていることが息子のやる気を奪ってしまっていることにようやく気づきました。
そしてまずは「答えを写してでも提出日に間に合わせたい!」という息子の気持ちを優先することにしました。
そうすると息子は、また「みんなと同じように出せた!」「期限内に出せた!」と成功体験を積んでいくことができました。
自信を取り戻した息子は、授業中に寝ることがなくなり、授業に参加できるようになっていきました。
◆提出物を提出できれば評価が付く
私が「提出物を答えを写してでも期限内に提出したほうがいいと考える理由」がもう1つあります。
それは、提出物が帰ってきた際の先生のコメントや評価を全てチェックしてみたことからわかりました。
先生がつけている評価は、私が思っているよりもずっと良いものでした。
ワークやプリントなどはAや、A+がついているものもありました。
逆にノート提出など意欲的に何が書いてあるかを問われる課題の場合は、評価が悪い傾向にありました。
つまりワークなどの提出物を、ただ「評価」という観点からだけ見ると、内容よりも、提出期限を守って出したかどうかを評価している先生が多いということがわかりました。
学校の成績は、
①定期テスト、小テストなどの点数
②課題提出の状況
③授業態度・学習意欲
主にこの3つの観点からつけられています。
内容を理解しているかどうかは、①のテスト等で判断できるので、課題提出に関しては、提出日を守って出したかどうかに重きを置いている先生が多いことがわかりました。
また私の息子のように、①と③であまりアピールできない子にとっては、課題提出は自分の意欲をアピールできる良いポイントになっていることもわかりました。
というのも、提出物を出さなくなってからは成績表の「意欲的に学習に取り組んでいる」という観点が、どの教科も軒並み下がってしまいましたが、提出物を出すようになってから、その観点の評価がまた上がってきたのです。
宿題を自分でやらない中学生が自分で問題を解くようになる2ステップとは?
ここで、お子さんから次の段階の「自分で解いて提出するという気持ちを引き出す」にはどうすればいいかという点で2ステップの対応をお伝えします。
◆お母さんの常識を一旦捨てる
重要なポイントは「答えを写して提出するなんてとんでもない!」という常識を、お母さんが一旦手放してください。
たとえ答えを写していたとしても、「期限内にきちんと提出できている今の子どもの頑張りをしっかりと認めてあげること」が重要なポイントになります。
お母さんが持っている常識を捨て、ハードルをぐっと下げることです。
提出できている!OK!と認める。ここからです。
どういうことかというと、常にガミガミ怒り続け、「こんなことではダメだ!」と否定をし続けていたのでは、提出はできていても自信が育たないのです。
さらに、提出すらできなくなると、できていないというマイナスの感情だらけになってしまうので、授業を受ける意欲すらも奪ってしまうことになりかねません。
つまり、あれもできていない、これもできない、といったマイナスの感情では、子どものやる気は引き出せないのです。
◆「できた!」の成功体験を積む
私は息子の中のマイナスの気持ちを消すために、「あれもできた!」「これもできた!」という成功体験を増やしていこうと心に決めました。
それにはお母さんが子どものできていることを認め、子どもへの肯定的な注目を増やすことです。
私はまず息子に「本当は自分でやった方がいいけれど、まずは提出できていればよしとしよう!」と話しました。
答えを写していることを許して、息子の頑張りを認めてあげるところから再スタートしました。
具体的にどういうことをしたかというと、その日から私は、答えを写している息子に、笑顔で
「お!今日も課題やってるの!」「頑張ってるね!」
と言い続けました。
笑顔がポイントです。答えを写している息子を全力で応援し続けました。
「今日は何の教科やってるの? へえ!今はこの単元なんだ!」と興味と関心はたくさん向けますが、答えを写していることには一切触れずに、今頑張っていることだけに笑顔で注目することを続けました。
常識を手放した後の息子の変化
そんなことを1ヶ月近く続けていると、息子がはじめから答えを開かなくなったのです!
よく見ていると、はじめのうちは、答えを見ずにやっています。
そうなったらこちらのものです。
「おー!今日は、答え見てないね!」とすかさず声をかけると、「だってこれ簡単だもん!」という答えが返ってくるようになったのです。
つまり息子は答えを写してもいいと認められて、堂々と答えを写すようになり、ようやく「自分はOKだ!」という自信がもてたのです。
そして、だんだんと「わかる問題は、自分で解いてみよう」というように気持ちが変わってきたのです。
そのあとは、結局わからない問題の答えを見るときに、こちらの表情を伺うようになります。
自分で解いていることを褒めたので、「答えを見ることにお母さんは、どんな反応をするのかな?」とこちらを伺っているのです。
そんなときはしっかりと、
「わからなかったら、答えを見てもいいんだよ!答えを見て、こうやって解けばいいのか!って理解すればいいんだよね」
と、答えをそのまま写すのではなく、答えを見て正しい解き方を学ぶという方法を教えてあげましょう。
「たった一問でも、自分で解こうとすることが素晴らしい。結局は答えを見てしまったとしても、考えようとしたことが素晴らしい!がんばっている!」
と応援を繰り返していると、次第に「わからなかった問題のときだけ、答えを見ながら解き方を考える」という流れが定着してきました。
休校中の課題では、時期的にちょうど前の学年の復習のプリントが課題になっていることもあり、「数学と理科、全部、答え見なくてもできたんだけど!」と嬉しそうに報告に来るまでになっています。
つまり答えを写していた息子を許せず、
「ちゃんと自分で解きなさい!」
「そんなことをやっても意味がない!」
と、私がマイナスのメッセージを送り続けていたから、息子には自分で解こうという意欲が芽生えなかったのです。
まずは「今できている子どもの頑張りをしっかりと褒めて、認めてあげること」が重要になります。
そして、たとえ答えを写していても宿題をやるたびに、「よくがんばったね!」「偉かったね!」と声をかけてあげると、お子さんの目が変わってくると思います。
宿題を集中してコツコツやることは、発達障害・ADHD傾向の中学生にとってはものすごく大変なことです。
だから、答えを写してでもやりたいという子には、初めは「それでもいい!」というところから始めてみるのはいかがでしょう。
一見すると、できるようになるのとは、真逆の方向に進んでいるように思えます。
しかし、お母さんが「できたね!」「頑張ってるね!」と声をかけてあげることで、お子さんの中に、「ちょっとやってみようかな」という意欲が出てきます。
否定の声かけをやめ、今できていることを認めるだけで、お子さんはグッと変わっていきます。
ぜひ、課題の多い今の時期に、一つ一つ自信をつけるところから始めてください。
執筆者:桜井ともこ
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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