ADHDタイプの子が「待てない」脳の仕組み
家事をしている時に限って、ママ見てー!と呼ばれる。
手が離せないので「ちょっと待ってね」と言ったら、怒ったり泣いたり癇癪を起こす。
そんな経験はありませんか?
実はこれはわがままではなく、AⅮHD(注意欠陥多動性障害)タイプの脳の特性が関係しています。
1、「今」の気持ちが強すぎる
ADHDタイプの子どもたちは、今この瞬間の気持ちや衝動がとても強く感じられます。
「今すぐ知りたい」「今すぐやりたい!」が頭を支配し、待つために気持ちを抑えるのがとても難しいのです。
2、時間の感覚があいまい
大人にとっての「ちょっと」は数分でも、子どもにとっては「いつ終わるの?」と永遠のように感じてしまうこともあります。
「5分待ってね」と言われても5分がどれくらいかピンと来ないため、不安やストレスに繋がります。
3、見通しが立たず不安
「ちょっと待って」だけでは、何をどのくらい待てばいいのかわからず、不安が大きくなります。
特にADHDタイプのお子さんは「ママは来ないかも」とネガティブに想像しやすく、その不安が爆発して癇癪に繋がってしまうこともあります。
このように、ADHDタイプの特性により「待つ」ことは想像以上に難しいことです。
「待てない」のではなく「待つこと自体が難しい」のだと理解してあげることが大切です。
ママが子どもの特性を知るだけで、「なんで待てないの!」というイライラが少し減り、 子どもにとっても安心につながります。
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待てない息子の癇癪を悪化させていた私の関わり方
当時の私は、「子どもが呼んだら、すぐに応えてあげたい」という 気持ちはありつつも、現実は家事で手が離せない。
だからつい、口癖のように「ちょっと待ってね」と返事をしていました。
でもその「ちょっと待って」が息子にとってはとても大きな負担になっていたんです。
なぜならば、私は「ほんの数分のこと」と思っていましたが、 息子にとっては違ったからです。
「どれくらい待てばいいのかわからない」 「ママはちゃんと来てくれるのかな」という不安がふくらみ、我慢できずに癇癪に なってしまうことが多かったのです。
当時の私はその理由に気づかずに 「なんで待てないの?」「どうして泣くの?」とイライラしたり注意してばかり。
気づけば、私自身もストレスを溜め、息子も不安を抱えてぶつかり合う悪循環 になっていました。
そこで、脳の特性を知り、発達科学コミュニケーションで学んだ声かけを実践していくと 子どもの癇癪がだんだんと減り、待つこともできるようになっていきました。
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待てないADHDタイプの子が癇癪なしで待てる伝え方の工夫
私がやったことは、 「ちょっと待って」を具体的な言葉に変えるだけというシンプルな方法です。
①具体的に伝える
「洗濯物したら行くよ、待っててね」
「食器を片付けたら行くよ」
このように伝えることで、息子の頭の中にも「今ママは〇〇中なんだ」と少し 見通しが立ち、安心して待つことができるようになります。
②短い時間からスタート
ただし、ADHDキッズは「待つこと」はやっぱり難しいもの。
そこで、最初は短めの時間からはじめましょう。
「10数えたら行くね」
「20まで数えたらママ行くよ」
「5分待って」は理解しにくくても、自分で数えられる時間なら「どれくらい待てばいいのか」を具体的にイメージできるので安心して待つことができます。
③肯定の声かけで締めくくる
そして何より大事なのは、最後に肯定の声かけをすることです。
「待っててくれてありがとう!」 この一言を伝えるだけで、子どもは「待てた自分」を認めて貰えたと感じます。
そして、その「できた!」の経験は、小さな自信に繋がり、 自己効力感〈自分はできる!という感覚〉を育てます。
すると、少しずつ待てる時間が伸びていき、結果的に癇癪も減っていきます。
「待って」のあとには、必ず「ありがとう」で締めくくりましょう。
「待てない」のではなく、「待つのが難しい」子どもの特性を理解し、 ちょっとした伝え方を工夫するだけで、親子のストレスはぐっと軽くなります。
癇癪なしで「待つ力」を身につけた息子の成長
「ちょっと待って」をなるべく言わずに、「〇〇したらね」「10数えたらね」 と具体的に伝えるようにしたところ、息子もだんだんと待てるようになっていきました。
小さな「待てた!」の積み重ねが自信につながり、 癇癪の爆発も少しずつ減ってきたのです。
もちろん、毎回スムーズにいくわけではありません。
でも、「待つことも親子で練習中」と思えるようになってからは、 私自身も以前ほどイライラせずに済むようになりました。
「待つこと」は、ADHD傾向のある子にとって簡単なことではありません。
でも、ママが工夫をしながら一緒に練習していけば、必ず力になります。
もし、お子さんが待つことが苦手で、癇癪を起こしてしまうことに悩んでいるなら、「具体的な言葉」「短い時間」「できたらすぐに肯定」 この3つを意識して声かけをしてみてくださいね。
執筆者:大下せいこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)


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