ADHDタイプの子がゲームで順番を守れず癇癪になる原因
カードゲームやボードゲームのときに、まだ自分の番じゃないのに、カードを出してしまったり、「〇〇くんの番はまだだよ」と伝えると、だんだん不機嫌になり最後は癇癪になってしまう。
せっかくの遊びが楽しく終われず悩んでいませんか?
実はこれ「わざと」ではありません。
脳の特性によって「待つ」ことがとても難しい子 がいるんです。
ADHD(注意欠陥多動性障害)タイプのお子さんや癇癪傾向にあるお子さんが順番を待てない背景には こんな理由があります。
順番を待てない4つの背景
①視覚優位
耳からの指示よりも目からの情報に強く反応します。
他の子がカードを出す「視覚的な刺激」に反射的に動いてしまい 「まだ自分の番じゃないよ」という声だけでは伝わりにくいのです。
②衝動性
「やりたい!」という気持ちが先にたち、体が動いてしまう特性があります。
順番がわかっていても、感情や興奮が抑えきれず止められると「怒られた」と感じて癇癪に繋がることもあります。
③ワーキングメモリーの弱さ

今必要な情報を一時的に頭の中で保持する力が弱いと「次は誰だっけ?」「自分の番まであと何人だっけ?」といった情報が頭から抜けてしまいがちです。
自分の番ではないと理解していても、つい行動してしまうことがあります。
④時間感覚の曖昧さ
「あとで」「順番」の時間的な感覚が曖昧です。
待っている時間が長く感じられたり「今がいつかわからない」状態 になったりして、焦りや不安が生まれ、結果的に「まだ?」が爆発し癇癪に繋がります。
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ゲームで順番を待てず癇癪を起こす息子にイライラしていた過去
以前の私は、順番が待てない息子に、 最初は優しく「まだだよ」「もうすぐ順番だよ」と声をかけていました。
なぜなら、「声をかけたらわかってくれる」と信じていたし、ルールをきちんと守って 遊んで欲しいと思っていたからです。
だから、順番が守れない時はすかさず注意をしていました。
しかし、何度伝えても待てずにカードを出してしまう息子に、 私の声はだんだん大きくなり、 気づけば、「まだって言ってるでしょ!」とキツイ口調に。

最初は理解していたはずの息子も何度も注意されるうちに「俺まだ?いつ?」と徐々に不機嫌になり、 最終的には「もうやだ!やらない!」と癇癪を起こしてしまうことが増えました。
結局、楽しいはずの時間が毎回ギスギスして終わってしまう。
私も「やらなきゃよかった」と後悔し、 親子でぐったりするだけの時間になっていました。
そんな時、私は発達科学コミュニケーションで脳の仕組みや関わり方を学び、これまでの対応が間違っていたことに気づきました。
そして学んだことを実践し、声かけや環境作りを変えていった結果、息子の癇癪が徐々に減り、家族でカードゲームを最後まで楽しめるようになりました。
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ADHDタイプの子が癇癪なしでゲームの順番を待てる仕組み
我が家で実践した2つの方法をご紹介します。
①視覚的アプローチ
ADHDタイプの特性をもつ子どもにとっては「順番」は耳で聞くだけでは 理解しにくいことがあります。
そこで、お気に入りのぬいぐるみやフィギュアを使って「順番の見える化」 をしていきましょう。

実践方法:ぬいぐるみで「今の人」を示す!
・ゲームでカードを出す人の前に、ぬいぐるみを置く
・自分の番が終わったら、ぬいぐるみを次の人の前へお引越し
・「ぬいぐるみがきたら、自分の番!」と目で見てわかるようにする
これだけで「いつやるの?」「自分の番?」という不安がグッと減ります。
ワーキングメモリーが弱くても自分で順番を把握できるのでストレスも減り、 安心して待てるようになります。
結果的に癇癪の予防にも繋がります。
②肯定の声かけ
「注意の声かけ」から「肯定の声かけ」へ変えていきましょう。
「まだだよ」「今は〇〇くんの番でしょ!」とできていないところばかりに 注目すると、子どもは責められているように感じてしまいます。
出来ている瞬間にこそ、声をかけることがポイントです。
実践方法:待てているときにこそ、声をかける
・「順番、待ってるね」
・「ぬいぐるみが来るのちゃんと見てるね」
・「順番待ってる姿、かっこいい」
→この声かけで、「待てていること」がちゃんと伝わると、子どもの自信に繋がり、 自己効力感が育ちます。
すると、順番をまた守ろうとする意欲が増し、ルールを守って遊べるようになります。
カードゲーム=楽しい!またやりたい!というポジティブな記憶が積み重なっていきます。
このように「視覚的アプローチ」と「肯定の声かけ」というシンプルな工夫ですが、 癇癪が減り、順番を待てるようになることがあります。
親がちょっと視点を変えるだけで、遊びの時間がぐっと楽しくなりますよ。
癇癪なしで楽しくカードゲームができるようになった息子の成長
ぬいぐるみを使った視覚支援と、「待てている瞬間」に声をかける 関わりを続けるうちに、以前は「もうやらない!」と怒っていた息子の癇癪が少しずつ 減っていきました。
今では自分の順番を目で確認して、安心してゲームに取り組むことができるようになり、 あんなに毎回ぐったりしていたカードゲームも最後まで楽しくできる日が増えています。
さらに順番が入れ替わったり、反対周りになる「ウノ」など 少し難易度の高いカードゲームでも遊べるようになり、帰宅後や寝る前に家族で楽しめる時間が増えました。
私も、「何度言っても待てない」というイライラが減り、 待てている姿をみつけて声をかけられるようになりました。
「順番が待てないから一緒にゲームができない」「待てないから怒る」ではなく、 ADHDタイプの子でも楽しく「待てる仕組み」を作ってあげることが大切だと実感しています。
もし、カードゲームで順番が待てずに癇癪を起すお子さんにお困りであれば、 視覚的なアプローチと肯定の声かけをぜひ実践してみてください。
執筆者:大下せいこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)


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