決まった服しか着ない子どもの行動に悩む日々
こだわりが強くて、決まった服しか着ない。
いつもの服が洗濯されてまだ乾いていないのに着ようとする。
破れて着られなくなっても、その服に執着する。
不安が強いタイプのお子さんあるあるですね。
ただ、そのこだわりがあまりにも激しくて、いくら話をしても聞き入れてくれないと、お母さんも困ってしまいますね。
中学校入学をひかえた思春期の息子は、軽くてゆったりした定番のTシャツ、短パン以外着ようとしない子でした。
息子の通う小学校は私服で、基本は何を着てもOKです。
ただ、始業式や終業式の日は襟付きのシャツなどきちんとした服を着ましょうと学校から言われていました。
学校だけでなく、結婚式や葬儀などの服装マナーはわきまえてほしくて、きちんとした服を着るのが必要なときもあると、こんこんと言い聞かせました。
しかし息子は断固拒否しました。
汗でぬれた服が肌に張り付くのが嫌で、外遊び中によく上半身裸になっていました。
冬でも薄いTシャツを着ているくせに、その服装では寒いと無意識に感じていたのでしょう。
エアコンの温度を最大限に上げるなど、季節感や温度の感覚もおかしい息子。
春から進学予定の中学校の制服は襟の詰まった学ランなので、心配しかありませんでした。
強すぎるこだわり、単なるワガママではない?!
決まった服しか着ないのは、単なるこだわりやワガママなのでしょうか?
実は脳の発達が未熟なことが原因で起こっている感覚過敏の可能性があるのです。
私たちがもっている視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五つの感覚。
体のいろいろな部分で、この五感を使って外からの刺激を受け取ります。
受け取った刺激を伝え、理解するという処理が脳の中で行われるのですが、その過程のどこかで過剰に反応してしまうのが感覚過敏です。
触覚の過敏さがある子どもは、首回りや背中など自分では見えにくい場所から何かに触れられるのを嫌がることがあります。
洋服のタグや、セーターなどの素材がチクチクして不快感となるのもよく聞くケースです。
また、先ほどの脳の処理段階でしっかりと反応できないことから、感覚過敏の逆の状態である感覚鈍麻が起こっている場合もあります。
そのため気温差に対応できず、真冬なのに真夏のような服装で平気な子どももいるのです。
感覚の敏感さ、あるいは鈍感さについては個人差があります。
子ども本人が日常に困りごとを抱えているなら、サポートしてあげることが必要です。
今すぐなんとかしなきゃ!と焦るのは逆効果
感覚の問題は、本人にもどうすることもできません。
脳の発達にともなって少しずつ和らいでいくこともありますが、今すぐに解決するものではありません。
そのため厳しく叱ったり注意したりする、あるいは感覚過敏を何とかしよう!とお母さんが急いでしまうのは逆効果となります。
感覚過敏のつらさがあっても多少はがまんできてしまうグレーゾーンの子は、理解してもらえないことで心を閉ざしたり関係悪化につながったりするので、無理強いは厳禁なのです。
決まった服しか着ない子どもにお母さんができる、2つのこと
決まった服しか着ない子どもに対して、お母さんができることを2つご紹介します。
安心して着られる服を必要なだけ常備する
まず、子ども本人が安心して着られる形状や素材の服を把握して、常に用意しておくことです。
全く同じものを複数でもかまいません。
洗濯することを考えて、必要な枚数分そろえておきましょう。
学校の制服の場合、購入するお店を選ぶことができるなら、素材や肌ざわりだけでなく、実際に着たときの重さなども確認しておくと安心ですね。
苦手な服は無理強いせず、子どもの意思を尊重する
苦手な服を着させようとするとストレスの原因になったり、パニックを起こしたりにつながるので、無理強いせずゆったり見守ってあげましょう。
こういう場では、こんな服を着ないといけない!というお母さん自身の思い込みで強要してしまうこともあるものです。
決まった服しか着ないのは、単なるワガママではないのを理解してあげたいですね。
私の息子は、寒いときは下にもう1枚着ると暖かいよとどんなに伝えても、真冬でも薄いTシャツ1枚しか着ない子でした。
ところが最近は、誰に言われたわけでもなく自分で考えて、インナー肌着を下に着るようになりました。
苦手な襟の詰まった学ランを着られるのか心配していましたが、先日の制服採寸でも嫌がる様子はなく、むしろ着るのを楽しみにしているようでした。
このように、感覚過敏のある子どもの困りごとを理解し尊重してあげると、子どもは肯定してもらえた!と安心して過ごすことができます。
安心できる環境の中で脳は発達していきます。
これが好循環となって感覚過敏が和らいでいくと、着られる服の幅も広がっていきます。
少し時間はかかるかもしれませんが、期待しながら待ってあげるのはどうでしょうか?
お母さんが先走っていろんな服に慣れさせようとするよりも、意外と近道になるかもしれませんよ。
執筆者:にしがみあやか
(New Mammyアンバサダー★)
子どもの将来が気がかりなお母さんにお届けします!
▼無料メール講座の登録はこちらから