発達でこぼこの小学生がすぐにキレる暴力的な子に!
小学生の子どもが癇癪を起こすと、みるみる激しくなり、物を投げる、物をたたきつけて割る、殴る、蹴る、包丁の刃を向ける、などの行動を起こし、暴力的な子になってしまうことはありませんか?
我が家には、自閉症スペクトラム(ASD)グレーゾーンの息子がいます。
息子は小学4年生の冬から不登校になりました。
不登校後、息子は次第に思い通りにいかないと癇癪からキレるまでの着火が早くなり、暴力的な子になりました。
息子は、物を床にたたきつけて割ったり、奇声をあげパパや私をサンダルで叩いたりなどしました。
私は、息子の暴力を取っ組み合いで抑え込むこともありました。
小学生が暴力的な子になるのは「怒り」による脳のハイジャック
発達でこぼこの子どもは、生まれつきの個性や特性(一次障害)に対して、幼い頃から叱られてきたことが多いです。
叱られ体験や失敗体験の積み重ねから、不登校やひきこりなどの問題が起きている状態を二次障害と言います。
発達でこぼこの子どもの二次障害として、キレて暴力をふるうことがあります。
発達でこぼこの子どもの困った行動は、脳のある部分の発達が未熟なため、うまく働かずに行動に出てしまっている状態です。
癇癪を起こしたりキレたりしやすい子は「感情の脳」の部分が未熟なのかもしれません。
脳は大きく2つに分けることができます。
内側に本能的な脳の部分があり、外側に理性的な脳があります。
「感情の脳」は、内側の本能的な脳の部分にあります。
癇癪を起こしたり、キレたりしているときは、「怒り」で内側の本能的な脳が暴れている状態で、脳全体がハイジャックされています。
脳の外側に「聴く」領域があるので、キレているときには暴力を止めるお母さんの声は届きません。
小学生高学年は暴力的な子の進行を止めることができる時期
キレて暴力的な子になるのは、本能的な脳の部分が暴れている状態で、脳全体が「怒り」にハイジャックされている状態です。
キレて暴力的な子にならないためには、癇癪を減らすことが重要です。
そのためには、脳に声が届く子どもが落ち着いているときに、好ましい行動に注目する声かけを行うことです。
すると、思春期になってからの暴力の悪化や家出、万引きなどの問題行動も防ぐことができます。
小学生高学年は、好ましい行動に注目する声かけ術によって、キレて暴力的な子になること、暴力の悪化や問題行動を防ぐことが十分に可能な時期です。
暴力的な子がスッとキレなくなる声かけ術3つのポイント
子どもが落ち着いているときに、好ましい行動に注目する声かけ術のポイントは次の3つです。
ポイント1.肯定的な注目>否定的な注目にする
好ましい行動に肯定的な注目をした声かけをします。
好ましい行動とは、「朝起きた」「ご飯を食べた」など今できている当たり前の行動のことです。
大げさな行動でなくていいのです。
肯定的な注目とは、褒める、認める、笑顔やうなずくなどジェスチャー、穏やかな声色、高めのテンションなどです。
一方、好ましくない行動はスルーします。
好ましくない行動とは、息子の場合は、学校に行かない、テレビやYou Tubeばかりをみている、小さな癇癪などです。
否定的な注目とは、叱る、怒鳴る、ため息、イライラのオーラ、落胆、とげとげしい声色、低めのテンションなどです。
「まだ寝ないの?」 「You Tubeはもうやめたら」 「いつお風呂に入るの?」 「歯磨きした方がいいよ」 等の注意も否定的な注目なのでやめましょう。
声かけの割合は、肯定的な注目>否定的な注目にします。
親にとっては、肯定的な注目:否定的な注目の割合を10:0にします。
子どもには、肯定的な注目は8:2や7:3など目減りして伝わるからです。
ポイント2.シンプルに実況中継で褒める
息子に、今当たり前にできていることを 「起きてきたんだね」「ご飯たべてるね」「歯磨きするんだね」「着替えるんだ」 と実況中継のようにシンプルに伝えました。
その時に、「偉いね」「すごいね」「優しいね」など、何の行動が褒められているのかわからない褒め言葉は控えました。
ポイント3.好ましい行動を始めたときに一番褒める
好ましい行動を始めたときに一番褒めましょう。
100%できたことを待っていると、最後までやり抜くことが難しい発達でこぼこキッズでは、褒めるチャンスを逃してしまいます。
例えば、息子には「わぁ!〇〇くん、お風呂に入るんだね!」と行動を始めるときに大きく褒めます。
その後は、行動の途中途中でこまめに「お洋服を脱ぐんだね」「今日は髪を洗うんだ」と実況中継でシンプルに褒めます。
やってはいけないことは、100%できたときにだけ褒めることです。
“できることが大事”という裏メッセージが伝わってしまいます。
小学生で暴力的な子を持つお母さん、好ましい行動に注目する声かけ3つのポイントを実践してみませんか?
暴力的な子の「キレる」がスッと落ち着きますよ。
執筆者:川上陽子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
発達でこぼこキッズの二次障害対応のヒントがあります!
▼無料メール講座の登録はこちらから