ADHDキッズが運動会練習で癇癪を起す理由
運動会の練習が始まってから癇癪が増えた…。
「行きたくない、練習イヤだ」というネガティブな発言が増えて 困っていませんか?
実はそれ、外で頑張りすぎているお子さんからのSОSかもしれません。

ADHD(注意欠陥多動性障害)タイプのお子さんは、外では「いい子」を一生懸命頑張り過ぎて、家では 安心して本音を出すことがよくあります。
特に運動会前の練習期間は、普段以上にストレスが多く、 脳もフル回転で疲れやすい状態になっています。
では、なぜそんなに大変なのか、ADHDタイプの脳の特性を3つに分けて解説します。
1、見通しが立てづらい
ADHDタイプの子どもは「予定が読めない」ことに大きな不安を感じます。
「今日は何をするの?」「ダンスの練習のあとは?」など、 いつもと違うスケジュール・特別時間割に頭がついていかず、混乱しやすくなります。
2、当たり前が難しい
列に並んだり、動きをそろえる、先生の話を聞くなど、 みんながスッと出来ていることが実はとても難しかったりします。
大人やまわりのお友達には当たり前に見えることでも、 ADHDタイプのお子さんにとってはそれだけで精一杯な場合があります。
3、頑張ってもうまくできない
「こうしなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」と思って人の何倍も頑張っているのにうまくいかないことがあります。
・動きたくても体がついてこない
・やる気はあるけど集中力が続かない
・頭では理解しているのにタイミングがずれる
そんな経験を繰り返し「できない自分」に傷ついて、悔しい思いをしています。
このように、ADHDタイプのお子さんにとって運動会は「楽しいだけ」の 行事ではありません。
これらの特性が積み重なり、脳も心もパンク寸前になるほど頑張っているのです。
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癇癪を悪化させていた逆効果だった「励まし」の声かけ
運動会は子どもにとって楽しいもの。
そして「頑張って練習して、楽しい思い出をお友達と作って欲しい」と思っていました。
なぜなら、私にとって運動会は楽しくてワクワクする行事だったからです。
だから子どもも同じだと、勝手に思い込んでいたのです。

運動会の練習が始まって、朝「行きたくない」「練習イヤだ」と言われても 「大丈夫大丈夫!きっと楽しいよ」 「もうすぐ本番だね。がんばってね!」 そんな風に励ましの言葉や前向きな声かけを沢山して、無理やり登園させていました。
そして家に帰ってきたら、「さ、お着替えしてね」「昨日片付けてないから片付けしてね」 とサポートのつもりで、次々に指示を出していました。
でも、気づけば、家での癇癪がどんどん増え、ちょっとしたことで爆発するようになったのです。
「え、どうして?なんでこんなに不安定なの?」
その時の私は戸惑うばかりでした。
励ましの言葉や沢山の指示は「子どものために」と思ってやっていたけれど、 子どもにとっては「もっと頑張らなきゃ」「ちゃんとしなきゃ」 というプレッシャーになっていたのかもしれません。
そこで私は、発達科学コミュニケーションで学んだ声かけに切り替えました。
すると、ネガティブ発言があっても、自分で気持ちを切り替えて練習に取り組む姿が見られるようになったのです。
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運動会前に家で荒れるADHDキッズが落ち着く3つの対策
私が実際にやって効果があった、運動会前におうちでできる対策3つをご紹介します。
①指示を減らして負担を軽くする
脳も心もフル回転な毎日で疲れている時に、次々と指示をされると、頭がついていかずに癇癪になりやすくなります。
・着替えを手伝ってОK
・帰宅後も制服のままでもいいよ
・片付けは今日はお休みね
できるだけやらなきゃいけないことを減らし、心の余白を作ることで 癇癪をぐっと減らすことができます。
②安心できる声かけを

ADHDタイプのお子さんにとって「頑張って」よりも「〇〇頑張ってるね!」 と伝えるほうが効果的です。
・「暑い中立ってるだけでも大変だったね」
・「ダンス練習がんばったんだね」
・「最後まで練習したんだね」
行動を具体的に言葉にして「すでに頑張っていること」を認めると、子どもの自己効力感が育ち、「わかってもらえた」「自分もやれたんだ」と感じられます。
すると、次に進むためのエネルギーがチャージされます。
③見通しが持てる声かけ
ADHDタイプのお子さんは、「次何するの?」「いつ終わるの?」 が見えないと不安が爆発しやすいです。
可能であれば、幼稚園や学校の先生に協力してもらいましょう。
・練習の流れや当日のスケジュールを事前に教えてもらい、本人と流れや出番を確認する。
・苦手な場面を共有して対策を相談する。
・「この競技だけでも出られたらОK」など柔軟なゴール設定をする。
見通しがあるだけで、子どもの心はぐっと落ち着き、癇癪も減ります。
「頑張って」より、「これからどうなるか」を一緒に整理して伝えることがポイントです。
癇癪を乗り越え、運動会に出られた息子の成長
運動会前、「行きたくない」「やりたくない」と言っていた息子。
私が声かけを変えたことで、子どもにも少しずつ変化がありました。
練習を一日も休まずに参加し、不安になりながらも自分で気持ちを切り替え 本番ではすべての競技に出場できました。
年長さんはたくさん出番が多いなか、苦手な競技にもしっかり向き合い 諦めず挑戦する姿をみることできとても嬉しかったです。
他の子どもにとっては「運動会を頑張った」という思い出も、息子にとっては 「自分の気持ちと向き合いながら、乗り越えた経験」 何よりも大きな成長でした。
できたことを見つけ、頑張った背景に目を向ける、「あなたはあなたのままでいい」と伝える。
その積み重ねが、子どもの「自分で進む力」を育てていきます。
私にとって運動会は、ただの行事ではなく、 子どもの成長と向き合う大切なきっかけになりました。
もしお子さんが運動会前に家で荒れることにお困りであれば、 まずは「おうちが安心できる場所になるように指示を減らす」「声かけを変える」ことから始めてみてくださいね。
執筆者:大下せいこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)


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