「学校に合わせるのが当たり前」は過去の話です!
「先生に言われたことは守らなきゃ」
「学校の決まりは絶対」
「うちの子だけ特別扱いなんて無理」
こんなふうに思っていませんか?
私たちが子どもの頃からずっと身につけているこの考え方。
本当にすべての子に当てはまる“正しさ”でしょうか?
発達特性や体調に敏感な子どもにとって、「みんなと同じようにすること」は大きな負担になります。
例えば
・集団が苦手な子
・疲れやすい子
・音やにおいに敏感な子
・予定の変更にパニックを起こしてしまう子
そんな子どもたちに「みんなと同じようにやること」を求めることが、逆に「できない自分」を突きつけ、自己肯定感をどんどん削ってしまうこともあるんです。
実は、2024年4月から法律が変わりました。
合理的配慮の提供が義務になり、「学校に合わせるのが当たり前」はもう過去の考え方なのです。
【体験談】親だからこそ合理的配慮を提案できる
私は娘の部活について、先生にお願いをしたことがあります。
・土日の長時間の活動は疲れが出てしまい、週明けの学校生活にも支障がある
・だけども、平日の部活は楽しみにしていて活動に参加したい気持ちがある
・親としても、部活動の意義を感じているのでできるなら無理のない形で参加させたい
そこで「平日だけ参加できるようにできませんか?」と相談しました。
先生は真剣に耳を傾けてくださり、仲間への説明も含めて「個別の合意」ができました。
親だからこそ、子どもの困りごとに気づけるし、声をあげられる。
合理的配慮を求めることは、 “子どもが伸びる環境を整える”ために必要不可欠なんです。
合理的配慮はわがままではない!その違いとは?
「学校に合理的配慮をお願いしたいけど、わがままだと思われないかな…」と不安になる保護者は少なくありません。
「合理的配慮」とは、子どもが安心して学べるように周りが工夫やサポートをすることです。
例えば学習の場面では、
・テスト時間を少し延長する
・問題文を大きな文字に印刷してもらう
・音読や発表を強制せず、他の方法で評価する
などがあります。
こうした工夫が「合理的配慮」にあたります。
これは子どもが学ぶ環境を整えるためで、もちろん特別扱いではありません。
一方で「わがまま」は、ただの好みや気分で「こうしたい!」と主張すること。
目的がまったく違うのです。
次の章では、どう伝えれば学校に受け入れてもらいやすいのか、そのポイントを紹介します。
学校に合理的配慮をお願いするときのポイント
「合理的配慮はわがままじゃない」とわかっても、いざ学校にお願いするとなると不安になりますよね。
でも大丈夫です。ポイントを押さえれば、先生とも前向きに話し合うことができます。
学校と家庭の情報共有
まずは先生と保護者が「一緒に考えていく」ことが大切です。
学校での様子、家庭での様子を伝え合い、子どもがどんなことに困っているのか、どんなことが得意なのか、共通認識を持っておくことで話し合いがスムーズになります。
「協力てほしい」という思いを丁寧に伝える
「要求」ではなく「協力してほしい」という思いを丁寧に伝えていきましょう。
合理的配慮は「権利」ですが、先生も人間です。
忙しさへのねぎらいや、日頃の気遣いに感謝をこまめに伝えることも「この親子に協力しよう」と思える土台作りとなります。
困りごと+具体的な提案をセットで
「配慮してください」だけでは先生もどうしてよいかわからないこともあります。
具体的にどんなことに困っているか、それに合った具体的な提案を一緒に伝えましょう。
例:「口頭の指示だと抜けやすいので、黒板に書いていただけると助かります」
ゴールを「子どもの成長」にそろえる
一番大切なのは、親の安心でも先生の都合でもなく「子どもが安心して力を発揮できる環境づくり」です。
「この子が学校で過ごしやすくなるために」という共通の目的を意識するとことで先生とチームになれます。
合理的配慮は「わがまま」ではなく、子どもが本来の力を発揮するための環境調整です。
学校のルールや「みんな同じ」が大切にされてきた時代から、今は「一人ひとりに合わせた学び」が求められる時代になっています。
伝え方のポイントを参考に、勇気を出して相談してみてくださいね!