子どもの言葉遣いが悪いのはなぜ?
例えばこんな場面で「バカ」はよく使われていました。
こっちはただただ、もうびっくりです!
びっくりしながらも、
「あら、お母さんバカじゃないよ。何でそんなこと言うの?やめてね。」と優しく答えてはいました。
なんでも「バカ」と言ってしまう悪い言葉遣いは口癖になっているのか、いくら言ってもなかなかやめられませんでした。
娘がすぐに「バカ」と言うのはなんでなのかな?と考え、この言葉遣いを直してほしかったので対応をとることにしました。
実は、子どもがこのような言葉を使うのには、子どもなりの理由があります。
しかし、言葉は相手や場所などによって、使い分けも必要となってきますよね。
この記事では、「バカ」が口癖となっている子どもが、自分で悪い言葉遣いを止めることができたママができる対応をお伝えします。
どうして子どもはすぐ「バカ」というのか
子どもは集団生活の中でのかかわりや、テレビやメディアからたくさんの情報を受け取ります。
良い言葉も悪い言葉も、どんどん子どもの脳にはインプットされていきますね。悪い言葉をインプットしないことは情報化社会の現代ではもう無理です。
インプットした言葉は自分で判断して適切に使ってほしいものですが、不適切に使ってしまうことがあります。
ここでは発達障害の子どもが「バカ」とすぐに言ってしまう理由をお伝えしていきます。
自分の感情の表現ができない
発達障害の子どもは感情を司る脳の発達が未熟なことがありますね。
子どもが「バカ!」と誰かに言ってしまうのはどんな時でしょうか?
「わからない」
「恥ずかしい」
「思い通りにならなくてイライラする」
「いやだ」
などといった感情ではないでしょうか?
子どもは
・語彙が少ない
・自分のモヤモヤした気持ちが何かわからない
・そもそも言語化することが難しい
・自分の気持ちを言葉でうまく表せない
などの理由からイライラしてしまうのです。
自分の気持ちやストレスを表す表現として「バカ」という言葉を便利に使っているだけのことがあります。
「バカ」の裏にある本当の意味を知ることがポイントになります!
「衝動性」が強い
発達障害の注意欠如・多動症(ADHD)傾向がある子どもには「衝動性」という特性があります。
そのため頭に浮かんだことをぱっと口走ってしまうことがあるのです。
暴言や悪い言葉も本人が良く考えずにとっさに言っている可能性があります。
短い単語の「バカ!」は嫌な気持ちや否定したいときなどに、子どもにとって都合よくいいやすい単語なのです。
「社会性」「想像力」が未熟
発達障害の自閉症スペクトラム(ASD)傾向がある子どもには
「社会性の発達が未熟」なことや「想像力に困難さ」があります。
他の人がその言葉を言われて、どう思うかというのを想像できないこともあります。
だからといって、そんな悪い言葉遣いをしてもらいたくないですし、そのままにしておくわけにはいかないですよね。
次項では、対応を考えるもとになった脳のしくみについてお伝えします。
やればやるほど強化される脳の仕組みとは
脳はある行動を繰り返すとその行動は強化され癖になります。これは良い行動も悪い行動も関係ありません。
たとえば、毎日の歯磨きなどやらないと気持ちが悪い、と感じるような日々の習慣。
これは脳の歯磨きをするという行動の回路が強化されて癖になり、習慣になっていることです。
こういったやるべきことは習慣にしたいですが、悪い行動は習慣になる前に辞めさせたいものです。
ところがやめることは脳にとってはなかなか難しいことなのです。
お母さんが悪い行動を怒ったり注意することはお母さんに注目されることにもなるので、脳はもっともっとやりたくなるのです。
良かれと思って注意してしまっているお母さんがほとんどだと思います。
ですが、実はやめてほしいと思って注意していると、その悪い行動の脳の回路が強化されることになっているのです。
このような脳の性質から、怒ったり注意することをせず「バカ」というような悪い言葉遣いをやめてもらいたかったので、私はある作戦を考えました。
次項では娘が「バカ」と言わなくなった対応についてお伝えしていきますね。
子どもの悪い言葉遣いを止めさせる3ステップ
娘は頻繁に「バカ」という悪い言葉遣いをしていましたが、ある対応を取ると本人が自分で「バカ」と言うのをやめられたのです。
3ステップの対応をお伝えしますね!
STEP1:「バカ」と言われたお母さんの気持ちを伝える
「お母さんはバカって言われたら悲しいし、嫌な気持ちになるから言わないでほしい」
まずはこのようにお母さんの気持ちとして子どもに伝えます。
これはアイメッセージといいます。
アイメッセージは自分を主語にして自分の気持ちを伝える方法です。
自分を主語にした言い方だと、子どもはお母さんの気持ちを感じやすくなり、命令や指示にならないので、子どもが自分でどうしたらいいのか考えられるようになるんですよ!
STEP2:「バカ」と言いたくなった気持ちを代弁して理解する
「どうして今『バカ』って言ってしまったのかな?」と、子どもに聞いてみてください。
子どもがまだそこまで答えられないなら「どうしていいかわからないから、不安になって「バカ」って言いたくなったんだね」
といったように、子どもの言葉の裏にある本当の気持ちをお母さんが想像して代弁してあげましょう。
自分の気持ちに気が付かなかった子どもが自分の気持ちを理解できます。同時に言葉でどう言ったら良いのか?もわかるようになりますね。
また、お母さんに気持ちを理解してもらえたと安心することもできます。
こういったかかわりで徐々に子どもが感情をコントロールすることができるようになってきます。
そして、「もし、わからないならその時は『わからないから教えて』と聞くといいよ」というように代わりに使うべき言い方を教えてあげてくださいね。
STEP3:「バカ」と言いたくなった時の切り替え方法を教える
「こんどバカって言いたくなったら、お口を手で押さえてみてね。それで我慢できたらお母さんに教えてね!」と伝えます。
このように、本人が思わず「バカ」と言いそうになった時の代わりになる行動を教えておきます。
「バカと言ってしまう」行動をしなくて済むように、「口を手で押さえる」行動で切り替えさせるのです。
ただ「バカなんて悪い言葉は使わないように!」と言ってもなかなかやめられなかった娘です。
ところがこの方法にすると、娘は自分で「バ…」と出そうになったら慌てて口をふさいでいました。
我慢しようと頑張っている様子が見られ、「我慢しようとしているんだね!」と自然と私からの褒めもしっかりできました。
一番大事なことは自分で切り替えができたらしっかり褒めてあげることです。
子どもが自分で気が付いて悪い言葉遣いを止められたら
「自分で我慢できたね!」
「言わなかったね!」
としっかり褒めてあげましょうね!
このような対応をとることで娘は、「バカ」と言わなくなりました。
こうして良い行動を褒めてもらえることで、さらに良い行動は増えていき、さらに褒められるという正のスパイラルとなり良い行動は脳で強化され習慣化されていくのです。
いかがでしたか?
子どもの悪い言葉遣いを止めさせる対応をお伝えしてきました。
子どもも言いたくてその悪い言葉遣いをしているわけではないことがあるのです。
悪い言葉遣いが出なくなると、お母さんや周りの人から褒められて子どもも良い行動ができようになり自分に自信がついてきます。
もし、子どもの言葉遣いが悪いことに困っているならできるところからぜひ試してみてくださいね!
私の経験がお役に立てたら嬉しいです。