繊細な子の「学校に行きたくない」は最後のSOSです。繊細な子の不安の正体を知って今すぐ対応を始めましょう。繊細な子の登校しぶりを根本から解決する折れない心の育て方をお伝えします!
繊細な子の「学校に行きたくない」は最後のSOS!
昨年、⽂部科学省から 不登校の児童・⽣徒数が過去最多を更新し ⼩中学⽣あわせて合計29万⼈超 というニュースをお聞きになった⽅も 多くいらっしゃると思います。 特にHSC(Highly Sensitive Child) ひといちばい敏感な⼦ とも⾔われる繊細な子は低学年から登校しぶり・不登校に なりやすい傾向があります。
ご相談にいらっしゃるお⺟さん⽅からも 登校しぶりになるお⼦さんは不安を強く抱えていると、とても⼼配されていらっしゃいます。
今や5⼈に1⼈と⾔われる HSC(Highly Sensitive Child) ひといちばい敏感な⼦ と⾔われる⼦どもたちは ・環境の変化に気づきすぎる ・完璧主義で失敗したくない ・⼈の気持ちに繊細 ・感覚過敏がある といった気質を持ち合わせており 過度の緊張、神経を張りめぐらせて 学校⽣活を送っているのです。 考えすぎて不安になってしまのですね。
そんな繊細な子が「学校に行きたくない」と言いだしたら、どう対応しますか?まずは励まして学校に行かせ、「登校できている間は大丈夫」と様子を見ようと考えるのが一般的かと思います。ですが、繊細な子の「学校に行きたくない」は最後のSOSなんです。
お母さんが気づきにくい「登校しぶり」の初期症状
仮面登校という言葉を聞いたことがありますか?
ストレス・不安といった学校生活のネガティブな記憶を脳に溜めて我慢に我慢を重ねてながらも、SOSを出すことができずにイヤイヤ登校している、仕方なく登校しているお子さんがたくさんいます。そういった周りの大人が気づかない「登校しぶり」の初期段階を仮面登校といいます。
不安が強く、繊細なお子さんの場合、「学校に行きたくない」と言い出す以前から、この仮面登校だった可能性が高いのです。
この仮面登校の時期にみられる、お母さんが気づきにくい「登校しぶり」の初期症状をあげてみますので、チェックしてみてください。
✅今までできたことができなくなる
✅腹痛頭痛を訴える
✅食欲不振
✅朝起きられない
✅学校の話をしたがらない
✅宿題が手に付かない
✅登校の準備に時間がかかる
✅癇癪、イライラが増える
✅日曜の夕方から気持ちが沈む
✅兄弟姉妹の学校での話題をいやがる
いかがでしたか?「学校に⾏きたくない」と⾔われても お仕事をされているお⺟さんに とっては、正直、 登校して貰わないと困る というご事情もおありでしょう。
また⼀度、休ませてしまうと このままズルズルと休み続けて不登校 になってしまうのではないか?勉強が遅れてしまわないか? といった不安もあるかもしれません。
ですが、繊細な子の「学校に行きたくない」は最後のSOSと考えて、今すぐ対応を始めて欲しいのです。
私の長男は突然不登校になりました
16年も前のことですが、不安の強い長男は、突然不登校になりました。
長男に笑顔が少なくなり、チック症状もでていて学校がツライんだということに私は気づいていました。だけど、私は長男の辛さに気づかないフリをし続けてしまったんです。
学校に休ませるという選択肢が当時の私にはありませんでした。学校は行くのが当たり前。私は辛そうな長男を励まし、励まし、言葉を変えれば騙し騙し通わせていたのです。
その結果長男は「学校に行きたくない」とひと言も言うことなく、突然不登校になってしまいました。
まじめで「学校がツライ」と言えずに頑張って通っている仮面登校という子ども達がたくさんいます。学校が辛いと言ったら、お母さんが悲しむということを知っている子もいます。
あの時に私が長男が仮面登校であると気づかぬフリをしなかったなら不登校にはならなかったのでは?
もっと早くに正しい対応をしていたならば長男の笑顔が失われることはなかったのではないか?
そんな後悔が今も残っています。だからこそ繊細なお子さんの「学校に行きたくない」は最後のSOSと考えて、今すぐ対応してあげてほしいと心から願っています。
詳しいエピソードはこちらの記事に書いています。
不安が強い長男が小学校で やっていけるのか? 心配でたまりませんでした
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繊細な子の不安の正体
そもそも、繊細な子(HSC)は、 なぜ不安が強いのでしょうか?
登校しぶりの⼦ども達の脳は例えば 「先⽣がまた怒ったらいやだな」 「授業がわかるかな?」 「お友達にいやなことをされたら どうしよう」 「発表会でセリフうまくいえるかな?」 などさまざまな不安で いっぱいになっています。
この不安の正体は私達のあらゆる感情、 喜怒哀楽をつかさどる扁桃体を中⼼とした「感情の脳」の領域が過剰に反応している状態です。
私たちが聴覚や視覚などの感覚器が受け取った情報は、物事を考えたり、判断したりする理性の脳よりも先に感情の領域である扁桃体に届きます。
ここで 喜怒哀楽のような快・不快といった ⼀次感情が起きます。この扁桃体は、安⼼安全を最優先するために学校に⾏こうとすると扁桃体からSOSの指令を出すのです。
要はツラいと感じている学校⽣活から⼦どもたちは⾃分の⾝を必死で守ろうとしているのですね。だから 「学校を休みたい」と⾔ったり さらに登校しぶりが進⾏してしまうと頭痛、腹痛、嘔吐といった⾝体にまでSOSが出ることがあります。
登校しぶりを根本から解決する折れない心の育て方
登校しぶりも軽い状態であれば 肯定の声かけに変えるだけで 元気に登校できるようになる⼦もいます。ところが、何か壁にぶち当たったときにまた登校しぶりが始まってしまう。 これは、根本から解決されていないからなんですね。
お⼦さんにもっと強くなってほしいな、と思うのであれば、⼦どもの折れない⼼を作る、2つの力を育てましょう!
その2つの力とは、⾃⼰肯定感とストレス耐性です。
⼦育てにとって⼤切だと⾔われている⾃⼰肯定感は聞いたことがある方も多いと思います。ですが、繊細な子の折れない心を育てたければ、巷で⾔われている⾃⼰肯定感を育てる⼦育てだけでは⽚⼿落ちなのです。
ポイントはストレス耐性も同時に育てていくことになります!
ストレス耐性とは ストレスを良い⽅向に 捉え直し転換できる⼒です。 もちろん ストレスを感じるのは ⼦どもだけではないですよね。 私たち⼤⼈だって ストレスを感じない⽇は ないのではないでしょうか?厚⽣労働省の 「平成30年 労働安全衛⽣調査(実態調査)」によれば、 仕事で強いストレスを 感じている⼈の割合は 2018年(平成30年)時点で58.0%。 半数以上の⼈が、 何らかのストレスを抱えています。
ではこの ストレスに強い⼈と ストレスに弱い⼈の違いは ⼀体全体、なんだと思いますか?
それは、物事の 感じ⽅=捉え⽅なのです︕
お母さんは学校に⾏きたくないという⼦を
• 怠けている⼦
• ダメな⼦
• 可哀想な⼦
• 負け組の⼦
• 将来が⼼配・・・
そんな⾵に捉えてしまうことはないでしょうか?
まずは、お母さんが、この捉え⽅をチェンジしてみましょう!
• これまで頑張ってきたんだ
• 休むのもアリ
• この⼦なら⼤丈夫!
そんな⾵に捉えられると⼦どものへの声かけも変わってきます。お母さんの物事の感じ方、捉え方が変わり、声かけが変われば、繊細な子の物事の感じ方、捉え方も変わり、次第にストレスに強い折れない心が育ちます。
ぜひお母さんの登校しぶりをする子への感じ方、捉え方から変えていきましょう!
▼繊細な子の折れない心が育つ勇気づけの声かけが学べます