発達障害の子どもの激しいかんしゃく。子どもが一番しんどいのは分かっているけれど、かんしゃくと向き合うお母さんもイライラしてしまいますよね。かんしゃくが収まってお母さんのイライラもなくなる驚きの方法があるとしたら知りたくなりませんか? |
【目次】
1.発達障害の息子のかんしゃくにイライラMAX!やりきれない日々
現在小学校4年生の息子は、保育所年中のときに自閉症スペクトラムと診断を受けました。ちょうど同じ時期から、かんしゃくに悩まされるようになりました。
息子のかんしゃくはとても激しく、一度かんしゃくが起こると4~5時間も泣き叫び続ける日が続いていました。
きっかけは、「折り紙が上手に折れない」、「食べたいお菓子がない」など、大人からみるとほんのささいなことです。
以前のわたしは息子のかんしゃくをただのわがままだとしか思えませんでした。だからかんしゃくが起こると「いつまで泣きわめいているの!」と息子を責めていました。
かんしゃくは1日の疲れが出る夕方から夜にかけて起こることが多く、ずっと泣き続ける息子、見守るわたし。夕食を作ることも、食べることもできず、親子で疲弊する日々が続きました。
わたしがイライラして怒れば怒るほど手がつけられなくなり、もうどうしたらいいか分からない…。
どんなに愛情をもって育てていても、子どもがかんしゃくを起こすと、かわいいと思えなくなることもありますよね。
でも、子どもがかんしゃくを起こすのは、お母さんを困らせたいからではないんです。
2.子どものかんしゃくは脳の未熟さが原因
かんしゃくイコールただのわがままにしか思えなかったわたしは、常にイライラした対応をしていました。でも息子のかんしゃくはけっしてわがままによるものではなかったのです!
幼児期の脳は、自分の想いを言葉にして伝える場所が未熟なため、伝えたいことがあってもどのように伝えたらいいか分からないのです。
「つらい」「くやしい」「つかれた」、言葉で伝えられない負の気持ちがかんしゃくとなって表れるのです。一見、本人のわがままに見えるかんしゃくは、子どもからのSOSなのです。
SOSに対してお母さんが強く反応してしまうと子どもは、
「かんしゃくを起こせばお母さんが問題を解決してくれる」
と勘違いをし、ますますかんしゃくが習慣化してしまいます。
かんしゃくを習慣化させないためには、子どもの負の気持ちに巻き込まれることなく、静かに見守ることが必要なのです。
それには否定的な感情を出さず、見て見ぬフリをしながら、好ましい行動をしたらほめるのが効果的な方法です。
ところが、なぜかんしゃくが起こるのか、どういった対応をしたらいいのかが分からなかった当時のわたしは、知らず知らずのうちにかんしゃくを習慣化させる対応をしていたのです。
3.試行錯誤の末にたどりついた驚きの見守り方法はコレ!
かんしゃくが習慣化するのを防ぐため、わが家でもいろいろな「見て見ぬフリ」を試してみました。
・家事が忙しいフリをしてみる
・テレビに夢中なフリをしてみる
・庭に用事があるフリをしてちょっと離れてみる
他にもいろんな見て見ぬフリを試してみましたが、うまくいきませんでした。
泣き叫んでいる間中ずっと、わたしの後をついてまわるのが息子のかんしゃくの特徴だったため、
どんなフリをしてみても、最終的にはお母さんであるわたしが、息子を無視しているような構図になってしまったからです。
うまくいかない見て見ぬフリを長時間続けることで、わたし自身とても疲れてしまい隠し切れないイライラを爆発させてしまうこともありました。
「また子どもにイライラをぶつけてしまった」
「子どもを傷つけてしまった」
子どもに対して申し訳なく、自分にも自己嫌悪を感じる日々が続きました。
そんなある日のこと、いつものようにかんしゃくを起こした息子に対して見て見ぬフリをしながら疲れ果ててしまったわたし。
あまりにイライラして疲れ果てて、なかばあきらめの境地で布団に横になりました。
しかし、しばらく息子の気配を背中に感じながら横になっていると、なんということでしょう!息子が自分で泣きやもうとしているではありませんか!
さらに息子の気配に集中して見守っていると、すっかり泣き止み、わたしのそばに寄り添ってきました。
「寝たのなら仕方ないな」
「お母さんが寝てしまったから、自分でなんとかするしかないな」
という気持ちが息子に自然と芽生え、自分でクールダウンするきっかけになったようでした。
そして寝たフリは母であるわたしにもいい効果をもたらしました。
布団に横になることで、わたし自身のイライラもクールダウンし落ち着きを取り戻すことができたのです。
さらに横になることで長時間の見守りにも体力を消費しないので、息子が落ち着いたあとに元気な気持ちで接することができるようになりました。
クールダウンしたあとは「自分でよく気持ちを切り替えることができたね!」と褒め、一緒にごはんを食べ、あたたかな時間を過ごして1日を終える、そんな日が続くうちに、かんしゃくも少しずつ減ってきました。
ごはんを一緒に食べながら、「実は〇〇だった」、「こんな気持ちだった」とポツリポツリと伝えてくれた息子。
長時間のかんしゃくにも、否定をせずじっと見守った結果、自分の気持ちを言葉で伝えようと努力したり、苦手なことにチャレンジしようという気持ちが育ってきました。
今ではかんしゃくで困ることはありません。
かんしゃくへの対応は子どもひとりひとり違いますが、一番大切なのはかんしゃくがおさまった後に子どもの気持ちをお母さんが受け止めてあげること。
お母さんが「受け止めてくれた」経験は、その後の子どもの成長をきっと加速させてくれますよ。
発達障害の子どものかんしゃくに効果的な方法がたくさん見つかります
執筆者:宮千晶
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)