わが子が九九や漢字を覚えられないと、「うちの子、記憶力が悪いのかも…」と、不安になりますよね。でもそれは、本当に記憶力の問題なのでしょうか。発達障害・ADHDの息子が暗記に取り組みやすくなった『記憶力スイッチの入れ方』3つをご紹介します。
【目次】
1.発達障害・ADHDの子が暗記できないのはなぜ?
2.意味はわかる、けど覚えられない
3.暗記が進まない子は「覚え方」より「スイッチの入れ方」がカギ
4.暗記が進まないときに見直したい3つのポイント
1.発達障害・ADHDの子が暗記できないのはなぜ?
我が家には、小学2年生になる息子がいます。
息子には、診断はついていませんが、 発達障害・注意欠如多動性障害(ADHD)の特性があります。
集中力が続きにくかったり、衝動的な行動が目立ったりする一方で、自分の好きなことには強い関心を持ち、夢中になれる一面があります。
ADHDの特性がある子どもは、 「覚えるのが苦手」と言われることがあります。
九九を覚えられない。
漢字が定着しない。
何度やっても次の日には忘れている。
息子も本当にこの通りで、九九と漢字はもちろんのこと、 着替えが見つからないと毎回「僕の洋服どこにあるんだっけ」と尋ねてきていました。
そんな姿を見ると、 「この子、この先大丈夫かな」と不安になりますよね。
でも、これ、 「覚えられない」のではなく、 覚えるためのスイッチが入りにくいだけなのかもしれません。
ADHDタイプの子どもの脳は、
・すぐに結果が見えること
・自分が主役になれること
・ちょっと楽しいこと
こういう刺激があると、ぐっと動き出しやすいと言われます。
一方で暗記は、というと……気づきましたか?
・成果が見えるまで時間がかかる
・自分ごととして捉えにくい
・単調で変化がない
つまり、ADHDタイプの子にとって、動き出しやすい条件がそろいにくいんです。

だから、スイッチが入りにくくて進まないだけ、ということがあり得るのですね。
2.意味はわかる、けど覚えられない
息子は、たし算からひき算までは、特につまずくことなくやってこれました。
かけ算の問題も、「数を掛け合わせる」という意味はわかっていたので、時間に余裕があれば、正しい答えを導くことができました。
けれど、大きな壁になったのが 九九の暗記でした。
計算そのものの理解はできているのに、九九を覚えられなかったので、かけ算の問題をたくさん解く場面ではとても苦労していました。
「暗記でつまずく」
これはADHD特性のある子に限らず、実は多くの子どもが直面する壁かもしれません。
九九の習得をサポートしようと、さまざまな方法を試しました。
・ キャラクター付きドリル
・ パズル形式のドリル
・ 親子で一緒に唱える
・ 耳元で聞かせる
・ YouTube動画
・ お友達と学習教室に通う
どの方法も、叱らず、急かさず、「できたことに注目して褒める」ことを徹底したにも関わらず、成果はボロボロ。
息子が覚えた気配はありませんでした。

ここまで来ると、焦る気持ちが強くなりました。
「やっぱり、記憶力がすごく悪いのかもしれない」
でも、今振り返ると、
ここまでのやり方には、息子の脳を動かす条件が揃っていませんでした。
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3.暗記が進まない子は「覚え方」より「スイッチの入れ方」がカギ
いろいろ試しても成果が出ないと、つい
「もっといい“覚え方”があるのかな」
と他の方法を探したくなりますよね。
でも、息子の場合は、新しい“覚え方”よりも
“スイッチの入れ方”を変えたら、脳が動き出しました。
きっかけは、スマートフォンのインカメラで息子と写真を撮っていたときです。
自分が画面に映ると、息子は急にシャキッとすることに気づきました。
以前受けたオンライン講座でも、画面に映る自分を見て髪を直したり、背景を整えたりしていたので、
「ここにスイッチがあるかも」と思いました。

そこで、
「九九を言うところを動画で撮って、時間を記録してみようよ。
前の日よりも速く言えたらOK、ママも一緒にチャレンジするね。」
と、息子に提案してみました。
やったことは、次の3つです。
◆①自分が主役になる環境をつくる
息子が反応しやすいポイントは「自分が映ること」でした。
動画で撮影して、画面の中の自分を見ながら取り組める仕組みにしました。
◆②親子で「昨日の自分」に挑戦する
「昨日よりも速く唱えられるようにがんばろう!」と、親子でタイムトライアル。
暗記を“勝ち負け”ではなく、“自己ベストの更新”に変えました。
◆③成長を見える化して、続く仕組みにする
毎日のタイムを記録して、成長をグラフにして見える化しました。
最初は九九の表を見ながらスタート。
息子が自ら始めることはなかったですが、声をかけるとスッと唱え始めました。
そして毎日、少しずつタイムが縮まっていきました。

途中で「無理、もうやめる」と言う日もありましたが、しばらくするとまた挑戦。
そのうち本人が「1分を切れたらゲームを買ってほしい」と言い出して、目標も自分で決められるようになりました。
そして結果的に1分を切れて、ごほうびをゲット。
この経験が、息子の大きな自信につながりました。
ご褒美をゲットした次の日からは、「タイムが遅くなるかもしれないけど」と言いながら、表を見ずに唱え始めたり、漫画を読みながらつぶやいていたりする様子が見られるようになりました。
九九が、少しずつ、自然な形で定着していきました。
苦手だった九九の暗記も、息子に合う形に変えると、ちゃんと前に進むんだなと感じました。
4.暗記が進まないときに見直したい3つのポイント
今回、うまくいったのは九九でしたが、これは九九だけの話ではありません。
漢字、英単語、都道府県、歴史の年号…「覚える」系の学習は、どれも似たようところでつまずきやすいですよね。
もし今、お子さんが暗記で止まっているなら、まず「記憶力」の前に、やり方の形を少しだけ変えてみるといいかもしれません。
わが家で意識したのは、次の3つです。
① すぐ結果が分かる形にする
(例:タイムを計る/回数を数える/できた数を記録する)
暗記は成果が見えにくいので、「今日どれだけ進んだか」が見えるだけで取り組みやすくなります。
② 子どもが主役になれる仕掛けを入れる
(例:動画で撮る/発表する/一緒にやる/役割を持たせる)
「やらされる」より、「自分がやる」に近づくほど続きやすくなります。
③ 変化を見える化する
(例:カレンダーにチェック/グラフ/シール/メモ)
昨日の自分と比べて、少しでも伸びたところが見えると、次につながります。

ポイントは、完璧にやることではありません。
まずは3つのうち、どれか1つだけでもOKです。
「覚えられない」
ではなく、
「まだ合う形になっていないだけかもしれない」
そんなふうに見直してみると、試せる選択肢が増えてくると思います。
我が家の取り組みが、同じように悩む親子のヒントになればうれしいです。
発達障害・ADHDの子どもへのコミュニケーション術をご紹介しています!
執筆者:小松あん子
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)



