夏休み明けに子どもが「学校に行きたくない」「体調が悪い」と言い出す…それは“9月病”かもしれません。発達障害グレーゾーンや不登校傾向のある子どもにも起こりやすい心の不調のサインと、親ができる対応法を体験談とともに解説します。
1.「9月病」って?夏休み明けの子どもに起こりやすい心と体の変化
「新学期が始まるころから、なんとなく元気がない」
「朝になると、お腹が痛い、頭が痛いと言う」
「学校の話をすると不機嫌になる」
このような様子が9月の始めに起こるとしたら、もしかするとそれは『9月病』のサインかもしれません。
9月病とは、もともと大人に見られていた「夏の疲れや気温の変化によって心身に不調が出る状態」でしたが、近年では 子どもにも増えてきていると言われています。
特に、発達障害やそのグレーゾーン、不登校傾向にある子どもたちは、環境変化に敏感なため、『9月病』が深刻な状態につながりやすいのです。
子どもにとって、夏休みは自由な時間が増える分、安心できる空間で過ごせる時期でもあります。
ところが、新学期が始まると…
・早起き、時間割のある生活
・学校でのお友達関係
・勉強や宿題のプレッシャー
子どもにとって、生活を変えたり、切り替えをしなければいけないことが山程あります。
発達障害・グレーゾーンの子どもは特に、様々な学校生活での困りごとを抱えている場合が多く、大人が思っている以上に夏休み明けはお子さんに大きなストレスがかかっている可能性があります。

2.夏休み明けの行きしぶり…子どものSOSに気づくことができなかった…
私の息子は、小学2年生のときに初めて『9月病』のような症状を見せました。
夏休み中は元気いっぱい、笑顔で毎日を過ごしていたのに、2学期が始まって数日後の朝、「お腹が痛い」と言って布団から出てこない日が続きました。
当時の私は、どうにか学校に行ってもらいたい気持ちが強く「行きたくないだけでしょ」「お腹痛いのは仮病じゃない?」と無理やり学校に連れて行っていました。
玄関の前で泣き出し、私の服を掴んで離さない息子の姿を見て、これはただの甘えじゃないとようやく気づきました。
息子は私に対して「もうがんばれない」「わかってほしい」と、SOSを出していたのだと思います。

3.こんなサインに要注意!子どもの9月病チェックリスト
発達障害・グレーゾーンの子どもは自分の気持ちを言葉にして表現することが苦手な子も多いと思います。
だからこそ、親が早めに気づいてあげることが大切です。
~子どもの9月病チェックリスト~
✓朝、起きるのがつらそう/起きられない
✓「頭が痛い」「お腹が痛い」が続く
✓学校に行く前になると情緒不安定になる
✓食欲がない/過食になっている
✓宿題に手がつかない
✓笑顔が減った/急に泣き出す
✓休日や家では元気なのに、学校の話になると沈む
上記の項目のうち、2つ以上当てはまる場合は、心と体のエネルギーが不足しているサインかもしれません。

4.9月病は甘えじゃない。親がすべき具体的な対応法
9月病は、決して「わがまま」や「甘え・怠け」ではありません。
子どもの心のエネルギーが切れてしまった状態。
言葉にできない子どもからのSOSのサインです。
ここからは、実際、私が実践して効果のあった『9月病への対応方法』を3つご紹介していきます。
① 共感する言葉かけを意識する
「また学校行きたくないの?」ではなく、 「そっか、学校に行くのがつらいんだね」とまずは気持ちに寄り添いましょう。
② エネルギーを充電できる時間をつくる
親が無理に学校に行かせようと必死にならないでください。
焦らず、ゆっくり構えて、子どもと一緒に休む時間・楽しいことをする時間を設けることで、心の回復を早めることができます。
③ 学校や専門家に相談する
担任の先生、スクールカウンセラー、子どもの発達の専門家などに相談し、子どもの状況に合った支援を一緒に考えていきましょう。
私は発達科学コミュニケーションを受講し、同じ悩みを共有するいたがきひまりチームの皆さんと一緒に9月病を乗り越えていくことができました!
子どもの9月病の体験を通して、私が何よりも大事だと感じたことは
『子どもを守るためには、まず親が味方でいること』
「行きたくなかったら行かなくてもいいんだよ」
「あなたの気持ち、わかってるよ」
そんな一言で、子どもの心は救われます。
9月は、親子で『心のリズム』を整えるタイミングです。焦らず、ゆっくり過ごしていきましょう。
