寒いのに上着を着ない!子どもが嫌がる理由と“ラクになる”対策3つ

寒いのに上着を着ない!子どもが嫌がる理由と“ラクになる”対策3つ
寒いのに上着を着てくれない子どもに毎朝困っていませんか?嫌がる原因には感じ方の特性が関係していることも。無理なくできる3つの工夫を体験談とともに解説します。
 
 

1.寒いのに上着を着たがらない…毎朝のバトル、つらいですよね

 
 
冬に近づくにつれて、朝の支度がグッと大変になりますよね。
 
 
「今日は寒いよ、風邪ひいちゃうよ」
「上着だけ着ていこう?」
 
と声をかけても、子どもは「イヤー」と逃げ回る
 
 
むしろ余計に嫌がって、さらに機嫌が悪くなってしまうことも…。
 
 
外は本当に寒いから風邪をひいたりしないか心配だし、できればサッと着てくれたら
——と願うのに、
 
・長袖すら嫌がる
・コートやカーディガンは断固拒否
・無理に着せようとすると激しく抵抗
・毎朝の登校前に気まずい空気になる
 
…そんな状況が続くと、「どうしたら着てくれるの?」「私のやり方が悪いの?」とママの心もどんどん疲れてしまいます
 
 
でも、あなたが悪いわけではありません。
 
 
実は「上着を着たがらない」には、子どもの感じ方や特性が深く関わっていることがあるんです。
 
 
この記事では、私が息子の上着拒否で悩んだ経験をもとに、原因と対処法をわかりやすくお伝えしますね。
 
 
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2.幼いころからコートを嫌がった息子…

 
 
私の息子も、幼いころからとにかくコートや上着を着るのが苦手な子でした。
 
 
冬になると、私はどうしても「こんなに寒いのに、上着を着ないなんて、このままじゃ風邪やインフルエンザにかかってしまうんじゃないか」といつも心配していました。
 
 
そこで、
・肌ざわりの柔らかいものを選ぶ
・好きなキャラクターが描かれたものを買ってみる
・動きやすそうな軽い素材にしてみる
 
…と、あの手この手で工夫を重ねました。
 
 
しかし、どれも効果はなく、むしろ強く反発してくるだけ。
 
 
時には「お願いだから着て!」と半ば無理やり着せようとしたこともありました。
 
 
でも、結果はいつも同じ。
泣いて怒って、余計に着られなくなるばかり。
 
 
そんな息子には、特徴がありました。
 
✔ スウェット生地や裏起毛の長袖“1枚”ならOK
✔ マフラーや手袋もつけられる
✔ 温かい肌着はOK
✔ でも、コートやカーディガンなどの“重ね着”だけは断固拒否
 
どうも、重ね着したときのゴワゴワ・締めつけ・動きにくさが、息子にとってものすごく不快だったようです。
 
 
同時に、息子には寒さへの感覚の鈍さも少しあるんだろうな、と感じる場面もありました。
 
 
ところが、驚くことに雪遊びのときだけはスキーウェアを喜んで着るのです。
 
 
普段なら絶対に嫌がるはずの“重くて分厚い服”も、雪遊びの時のスキーウェアだけはニコニコしながら自分から着ようとする…。
 
 
この姿を見た時、私はハッとしました。
 
 
楽しい気持ちが強いと、苦手な感覚が気にならないのかもしれない。」
 
同じ「上着」でも、嫌がる場面と着られる場面がある。
 
 
その違いに気づいたとき、息子の“感じ方”をもっと尊重してあげたいと思うようになったのです。
 
 
そしてここから私は、「どうすれば着てくれるか」ではなく「どうすればこの子にとってラクだろう?」という視点で工夫するようになりました。
 
 
雪遊びをする男の子
 
 

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3.上着を嫌がるのは“わがまま”ではなく、子どもの感じ方が影響していることもあります

 
 
息子の姿を見て気づいたのは、「上着を嫌がる」という行動には、「その子なりの“感じ方のクセ”」が関わっている場合があるということでした。
 
 
これは私の息子だけでなく、発達障害グレーゾーン不安気質感覚が敏感な子によく見られる傾向だともいわれています。
 
 

◆① 触覚が敏感で「重ね着のゴワゴワ・締めつけ」が強いストレスに感じられる

 
肌に触れる感覚に敏感な子は、
 
✔️コートの重さ
✔️重ね着のゴワゴワ感
✔️首元の締めつけ
✔️脇や肩の“つっぱる”感じ
 
こうしたちょっとした不快感が、大人が考える以上に強く“イヤ!”として伝わることがあります。
 
 
特に、外出前で急いでいる時ほど、感覚が過敏になりやすいとも言われています。
 
 
「長袖が嫌!」など服そのものへの違和感が強いお子さんについては、こちらの記事で詳しく解説しています👇
 
 

◆② 発達障害グレーゾーンの子には「寒さを感じにくい」傾向が見られることがある

 
発達障害グレーゾーンのお子さんの中には、寒さの感覚をつかみにくいタイプの子が一定数います。
 
 
これは、専門的には感覚鈍麻(かんかくどんま)と呼ばれることがあり、“寒い”という刺激が体に入っていても、その情報が本人の意識に届きにくい状態のことを指します。
 
 
このタイプの子は、
 
✔ 体が冷えていても本人は気づきにくい
✔ 大人から見ると“薄着すぎる”ように見える
✔ そもそも寒さを不快と感じにくい
 
といった特徴が重なり、「寒くないから着る必要がない」という判断になりやすいんですね。
 
 
これは反抗でも我慢強さでもなく、あくまで『その子の感じ方』がそうであるだけのこと。
 
 
「寒さに鈍い(感覚鈍麻ぎみ)→上着を着たがらない」 という流れは、実はよくあるケースなんです。
 
 

◆③ 「楽しい気持ち」が強いと、苦手な感覚が目立ちにくくなる

 
雪遊びのときにスキーウェアを着られた息子のように、ポジティブな気持ちが大きい場面では苦手な感覚より“楽しさ”が勝つことがあります。
 
 
これは、脳が「今は楽しい!」に集中すると、不快な感覚の刺激が気になりにくくなるといわれているためです。
 
 
だから、
 
✔ 登校前のバタバタ
✔ ママに急かされる不安
✔ ちょっとイライラしている時
 
こうしたネガティブな状況下ではより嫌がりやすいということも珍しくありません。
 
 

◆まとめ:上着拒否は「性格」ではなく“感じ方の特徴”からくることも

 
つまり、
 
✔ 感覚の敏感さ
✔ 寒さへの感じ方の違い
✔ その時の気持ちの状態
 
こうした要素が重なることで子どもは上着を拒否しやすくなります。
 
 
決して“わがまま”や“反抗”とは限りません。
 
 
そのことを知るだけで、親の気持ちがふっとラクになることがあるんです。
 
 
コーヒータイム
 
 

4.無理に着せるより“感覚×気持ち”に合わせる!今日からできる3つの対応

 
 
上着を嫌がるのは、「わがまま」でも「反抗」でもなく、その子なりの 『感じ方の特徴』 が関わっていることがあります。
 
 
だからこそ、無理に着せようとするほど逆効果になりやすい。
 
 
まずは、ママが子どもの感じ方を理解してあげることが大切です。
 
 
そして、「上着を着させるべき!」を手放して「まあ、少しくらいいっか」とゆったり構えることで、ママ自身の気持ちもラクになります。
 
(もちろんこれは“放っておく”という意味ではなく、「過度に急かさない」というスタンスが安心につながりやすい、というイメージです。)
 
 
その上で、ここでは、感覚が敏感な子・寒さを感じにくい子でも受け入れやすい、3つの実践的な関わり方をご紹介しますので参考にしてくださいね。
 
 

◆① “着やすい条件”を見つけてあげる

 
同じ「上着」でも、OKなものとNGなものがあります。
 
 
あなたのお子さんが着られたもの・嫌がったものから、「着やすい条件」を探すところから始めましょう。
 
 
例えば…
・スウェット素材 → ◎(着られる)
・ ゴワゴワ、硬い素材 → ×
・ 首元が苦しい → ×
・ 軽いダウン → △(子によってはOK)
 
素材・重さ・肩まわりの動きやすさなど、「感覚のストレスが少ないもの」は受け入れやすくなります。
 
 
また、重ね着が苦手な子も多いので「1枚で暖かい服」を探すのもおすすめです。
 
 
(例)
・ベスト
・軽いフリース
・薄手のインナーダウン
・肌ざわりの柔らかいアウター
 
その子なりの『OKの条件』がわかると、冬の服選びがぐんとラクになります。
 
 

◆② 重ね着が苦手なら「1枚で暖かい」スタイルに切り替える

 
コートやカーディガンのように、何枚も重ねること自体がストレスになる子は多いです。
 
 
そんな時は、重ね着を前提とした冬服ではなく、
 
・1枚で保温力の高い裏起毛トップス
・発熱素材インナー+軽いフリース
・ネックウォーマーで体感温度UP
 
など、“少ない枚数で暖かい仕組み” に切り替えるのがおすすめ
 
 
特にネックウォーマーは、
 
✔ 首元の保温効果が高い
✔ マフラーより締めつけが少ない
✔ 子どもがつけやすい
 
といったメリットがあり、感覚に敏感な子にも受け入れられやすいです。
 
 

◆③ “楽しい気持ち”とセットにすると、着られることがある

 
息子が雪遊びのときだけスキーウェアを着られたように、子どもは 「楽しい」「ワクワク」 が大きい場面では、苦手な感覚が気になりにくいことがあります。
 
 
脳が「楽しい予定」に集中すると、嫌な刺激を感じにくくなると言われているためです。
 
 
だから…
「公園に行く日はこのアウターだよ」
「雪が降ったら、この特別なジャンパー着ようね」
「〇〇に行くときは“冒険セット”を着て行こう」
 
など、ポジティブな出来事と結びつけると、いつもよりスッと着られることがあります。
 
 
また、出発前の声かけを「早く着て!」から「これを着て〇〇で楽しもう」と“目的ベース”に変えるのも効果的です。
 
 

◆まとめ:子どもが“感じている世界”に寄り添うと、少しずつ変わっていく

 
上着を拒否するのは、「意地」でも「反抗」でもなく、その子の感覚の特徴と気持ちが重なった結果のことがほとんど。
 
 
無理に変えようとするより、子どもの感じ方に合わせて工夫を重ねることで、少しずつ“着られる場面”が増えていきます。
 
 
そしてその積み重ねこそが、子どもの自信や安心につながっていくんです。
 
 
自信
 
 

5.苦手はゼロにならなくても大丈夫。子どもは“安心”があれば、少しずつ変わっていく

 
 
上着を着たがらない姿を見ると、どうしても「何とかしなきゃ」と焦ってしまうものですよね。
 
 
でも、子どもが上着を拒否する背景には、感覚の特徴や、その時の気持ちの揺れが関わっていることがあります。
 
 
だからこそ、ママが子どもの“感じている世界”を理解して「まあ、いいか」とゆったりと構えてあげるだけで、子どもは安心して行動しやすくなります。
 
 
私の息子も、幼いころはコートを見るだけで泣いて逃げるほど、上着が苦手な時期がありました。
 
 
でも、
「この子にとって何がイヤなんだろう?」
「どう感じているんだろう?」
 
そうやって寄り添いながら、着やすい素材を選んだり、楽しい気持ちとセットにしたり…
 
小さな工夫を積み重ねていくうちに、少しずつ“着られる場面”が増えていきました
 
 
今でも得意なわけではありません。
 
 
でも、子どものペースで、確実に“できること”が増えていると感じています。
 
 
上着が苦手でも大丈夫。
あなたのお子さんにも、お子さんなりのペースがあります
 
 
ママが寄り添いながら工夫を続けていくことで、その子が「これなら着られるかも」と思える瞬間は、必ずやってきますよ。
 
 
そしてその瞬間は、親子にとって小さな成功体験となり、その後の“苦手克服”にもつながっていくはずです。
 
 
ハグする親子
 
 
 
 
執筆者: よしみつ りこ
発達科学コミュニケーション アンバサダー
 
 
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