きょうだい児が荒れるのには理由がある|家庭で大切にしたい心のケア

きょうだい児が荒れるのには理由がある|家庭で大切にしたい心のケア
きょうだい児が突然荒れたり、家だけで癇癪が増えるのは「心のSOS」のサイン。発達障害・グレーゾーン育児経験者が、我が家の実例と共に、親ができる対応をまとめました。
 
 

1.発達障害・グレーゾーンのきょうだい児に起こりがちな悩みとは?

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもを育てているママたちから、最近とてもよく聞く悩みがあります。
 
 
「上の子(または下の子)のフォローに精一杯で、きょうだいのもう一人に手をかけられていない…」
 
「優等生だったきょうだい児が、家では大荒れするようになった」
 
我慢ばかりさせてしまって、申し訳なさで胸が苦しい」
 
 
手のかからなかったきょうだい児が、急に癇癪や真似行動をするようになった”というケースは、実は珍しくありません。
 
 
むしろ 「おとなしく助かる子」ほど、後から心のSOSとして表面化しやすい のです。
 
 
なぜ、優しいきょうだい児ほど“限界”が見えにくいのでしょうか。
 
 
次の章では、私自身が経験した「きょうだい児の崩れ」をお話しします。
 
 
泣く女の子
 
 
外ではいい子、家では大暴れ…。
そのギャップの裏にある“脳のサイン”とは?
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2.【体験談】きょうだいが抱えやすい“隠れた負担”

 
 
私の家庭にも発達特性のある子どもが2人います。
 
 
長男:ADHD傾向でとても多動。学校では問題行動も多かった
長女:繊細さん(HSC気質)で、周りの空気を読みすぎるタイプ
 
 
長男の問題行動がピークだった頃、私は正直 “長男に手をかけること” だけで精一杯でした。
 
 
その姿を、長女はずっと見ていました。
 
「お母さん、困らせないようにしなきゃ」
「自分のことは自分でやらなきゃ」
「私が我慢すれば家が平和になる」
 
そんなふうに、幼いながらも“小さい大人”として振る舞うようになっていきました。
 
 
そして…長男の問題行動が落ち着いた頃でした。
 
 
今度は長女が学校に行けなくなり、突然ママべったりに。
 
 
私にとっては、衝撃な出来事でした。
 
 
「長男ばかり見ていて、長女の心の声を全く見ていなかった」
 
と、胸が締め付けられるような後悔をしました。
 
 
でも、発達支援を学び、多くの発達障害グレーゾーンの子どもたちがいる家庭をみてきた今ならわかります。
 
 
長女は、「大丈夫だよ」と言ってくれていただけで、 本当はずっと「気づいてほしい」「甘えたい」と思っていたのです。
 
 
女の子が買い物をしている様子
 
 

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3.実は…きょうだい児はこんな悩みを抱えています

 
 
発達障害やグレーゾーンの子どもがいる家庭では、きょうだい児は次のような特徴や悩みを抱えやすくなります。
 
 
◆①“いい子役”を演じ続けてしまう
 
周りの空気を読み、きょうだいの癇癪を避けるために先回りして動く
自分の気持ちより「平和」を優先する
・「手がかからない子」でいようと無意識に頑張る
 
その結果、本音を押し殺してしまうことがあります。
 
 
◆②親の負担を敏感に察知する
 
繊細な子ほど「お母さんはお兄ちゃんで疲れている」「自分が我慢しなきゃ」と、幼いながらも家族を支える役割を背負ってしまいます
 
 
◆③家では感情の反動が出る
 
学校では優等生でも、家では癇癪・暴言・癇癪が出るのは“安心できる場所だからこそ出る反動” です。
 
これは「問題行動」ではなく、心が限界になっているサインなんです。
 
 
◆④「自分は大切にされていないのかな」という誤解が生まれる
 
親は決して差別しているつもりはなくても
 
・声をかける回数の差
・注目してもらえる時間の差
・手をかける量の差
 
を、子どもは敏感に感じ取ります。
 
すると、「お兄ちゃんばっかり」「僕はどうでもいいの?」と、心の奥で誤解をしてしまうことがあります。
 
 
割れたハート
 
 

4.今日からできる「きょうだい児への正しい対応」

 
 
ここからは、上で挙げた“きょうだい児の悩み”を踏まえ、今日から家庭でできる実践的な対応を解説します。
 
 

◆①「特別な15分」を毎日つくる

 
きょうだい児の心を最も満たすのは、「自分だけに向けられた特別感」
 
たとえ短くても構いません。
 
・ママと1対1で話す15分
・夜寝る前の雑談
・一緒にお菓子づくり
・散歩や買い物に2人で行く
 
「あなたのことが大事だよ」というメッセージが心を満たします。
 
 

◆②感情に名前をつけてあげる(情緒的バリデーション)

 
荒れ出したきょうだい児には、行動を叱る前に「悔しかったんだよね」「がんばりすぎて疲れちゃったよね」「本当はもっと甘えたい気持ちがあるんだよね」など、気持ちを代弁してあげることが効果的です。
 
 
子どもは「わかってもらえた」と感じると落ち着きます。
 
 

◆③“お手伝い役”をやめさせる勇気を持つ

 
きょうだい児は無意識に”きょうだいの感情調整役”、”お母さんのサポート役”になってしまいがちです。
 
でも、それは本来子どもの役割ではありません
 
 
「お兄ちゃんの機嫌を気にしなくていいよ」「あなたはあなたのことだけでいいよ」と、役割から解放してあげる言葉が心の負担を軽くします。
 
 

◆④“比較しない家庭”を徹底する

 
特性の違うきょうだいは発達スピードも、得意・不得意も全く違います。
 
だからこそ、「お兄ちゃんはできるのに」「弟はお利口なのに」と比較する言葉は避け、その子ができたことだけを具体的に褒めるのがポイントです。
 
 

◆⑤甘えを拒まず、たっぷり受け入れる

 
「急に癇癪が増えた」「真似行動が出た」というのは、甘えたいサイン。
 
ママにとっては「今!?」と思うタイミングでも、子どもにとっては「今日やっと言えた」タイミングかもしれません。
 
 
抱きしめて、撫でて、ぎゅっとして、甘えを受け入れてあげてください。
 
 
眠れない
 
 

5.まとめ|きょうだい児のSOSは“遅れて出てくる”からこそ大切にしたい

 
 
発達障害のある子どもを育てていると、どうしても手のかかる子に意識が向きます。
 
 
けれど、その裏で、静かに我慢している“きょうだい児”がいます。
 
✔️いい子を演じ
✔️気持ちを押し殺し
✔️家では大荒れになるほど頑張り
 
それでも「気づいてほしい」と叫んでいます。
 
大丈夫。
きょうだい児は“たったひとつの安心”で見違えるように落ち着いていきます。
 
 
それは 「あなたのことをちゃんと見ているよ」「あなたもすごく大切な存在だよ」という親のメッセージです。
 
 
今日からできる小さな一歩を、ぜひ取り入れてみてくださいね。
 
 
あなたの家庭に、きっと優しい変化が訪れます。
 
 
家族
 
 
 
 
 
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