不登校の子どもが元気になってきたとき、次の一歩をどう支えたらいいのでしょうか。無理に背中を押すのではなく、子どもが自分で選び、安心して挑戦するために大切な親の関わり方をお伝えします。
1.不登校の子どもが元気になってきたら考える次の一歩
不登校の子どもが元気になってきたら、次の一歩を考えて悩んでしまうことはないでしょうか?
家では元気に過ごせるようになった。
行動量も上がり、以前より意欲的になってきた。
そんな姿を見ていると、「少しずつ外の世界とのつながりを持たせたい」と考えるようになるのは自然なことです。
しかし、
「無理に誘ってまたもとに戻ってしまったら…」
そんなふうに考えると、なかなか次の一歩の話ができないことがあるかもしれません。
この記事では、元気になってきた不登校の子どもの次の一歩を考えるときに大切な視点をお伝えします。

2.なかなか次の一歩が出ない子ども
私の息子も不登校になって1年以上が経ち、だんだんと元気に過ごせるようになってきました。
毎日どこかへ出かけて、興味関心も広がり、家では自分のペースで勉強に向かえるようにもなっていました。
そんな姿を見ていると、私は「もしかしてそろそろ次の一歩を考えてもいいのではないか?」 と考えるようになりました。
けれど、
「こんな習い事があるんだけど行ってみない?」
「オンラインの勉強があるみたいだよ」
といくら声をかけても、息子は「やってみたい」とは言いませんでした。
元気になってきたのに、どうして次の一歩が出ないんだろう?
私はなかなか動き出さない息子を前に、どうしていいのかわからなくなっていました。

3.「自分で決めていい」という安心
私は、「息子が自分から次の一歩を踏み出すために必要なことは何だろうか」とずっと考えていました。
すると、ひとつのことに気がつきました。
それは、私が「行ってみない?」と声をかけたとき、息子は 「それってどのくらいの時間なの?」 と時間を気にすることが多いということでした。
もしかすると息子の中には「行ってみたい」という気持ちはあるのかもしれない。
けれど、
「もし自分に合わなかったとしたら…」
「途中で嫌になってしまったら…」
と考えると、一歩が踏み出せないのではないか、と思ったのです。
そこで私は、息子が一歩を踏み出しやすい伝え方をするようにしました。
- 行くかどうか自分で決めていい
- 1回だけでもいい
- 行ってみて無理なら帰ってもいい
- 最後までいなくてもいい
「挑戦=最後までやり遂げることではない」ということを伝えるためでした。

4.安心して挑戦するために大切なこと
私は、息子が安心して「やってみよう」と思えるように、挑戦しやすい条件を整えていきました。
私が意識したのは次の2つです。
①選べるように情報を渡す
私は色々な選択肢を調べ、息子にひとつの情報として少しずつ手渡していきました。
フリースクールやオルタナティブスクール、オンラインスクール、学びの多様化学校、習い事など、色々な選択肢の中から、息子自身が選べるようにしました。
「ここに行ってほしい」という気持ちではなく、「こういうところもあるよ」という感じで伝えるようにすると、息子も「そうなんだ」とその情報を受け取ってくれるようになりました。
そして最後に、「行きたくなったら言ってね」と伝えました。
このように、親が行き先や日程を決めるのではなく、息子自身が選べることを大切にしました。
②安心して挑戦できる環境を整える
行き先の人に子どもの発達の特性を事前に伝えるようにしました。
- 初めての場所が苦手で不安を感じやすいこと
- 安心できる人とは少しずつ話せるようになること
などの特性と、現在不登校で回復途中だということも合わせて伝えるようにしました。
「途中でやめる可能性もあること」を伝え、無理強いしないことを共有し、息子が安心して挑戦できるように、大人側で環境を整えていきました。

5.「行ってみようかな」と言うようになった息子
私は、不登校になって元気を取り戻してきた息子に
「自分で決めていい」
「途中でやめてもいい」
という安心とともに、いろいろな選択肢を少しずつ伝えていきました。
そうするうちに、息子の口から、
「行ってみようかな」
「やってみようかな」
という言葉が少しずつ出てくるようになりました。
これまで、習い事や学校の体験授業に数回参加しています。
最後までいられたものもあれば、途中で帰ったこともあります。
けれどそれらはすべて「行ってみた」という息子の経験になっています。
途中で帰っても大丈夫。
途中でやめたことを責めず、「行ってみた」という経験として受け止めることで、次の挑戦への安心につながることもあります。
不登校の子どもが次の一歩を踏み出すときに大切なのは、無理に背中を押すことでも、最後までやらせることでもありません。
「行くか、行かないか」
「続けるか、途中でやめるか」
それを自分で選べる安心が、子どもが次の一歩に挑戦しやすくなる土台になるのだと思います。

執筆者:三谷 のぞみ
発達科学コミュニケーション アンバサダー




