9歳の男の子がイライラする理由とは?「9歳の壁」に向き合うヒントと親の声かけの秘訣

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9歳の男の子が毎日イライラして反抗的…うちだけ?と悩むママへ。繊細で感じやすい子ほど「9歳の壁」にぶつかりやすく、親もどう関わればいいか戸惑いがちです。イライラの理由や、実際に効果のあった反抗期でも心に届く接し方のヒントをお届けします。
 

1.9歳の男の子が毎日イライラ…原因は?うちだけ?と悩む親御さんへ

 
 
最近、9歳の男の子がなんだかイライラしていて、ちょっとしたことで怒る
 
 
「帰ってきたと思ったら、ゲームばかり」
「『ゲームやめて宿題したら?』と声をかけただけで、『うるさい!』と怒鳴られた」──
 
 
そんな様子に驚いたり、ショックを受けたりしていませんか?
 
 
「前はあんなに素直だったのに…」
「私の育て方、どこか間違ってたのかな」
「こんなに反抗的なの、うちの子だけ?」
 
 
でも、そんなふうにイライラを爆発させる9歳の男の子に困っているのは、あなただけではありません。
 
 
個人差はありますがちょうどこの9歳頃の子どもたちは、心も体も大きく変化する時期。
 
 
学習や生活、友人関係など、さまざまなことに悩み、苦しみ、葛藤している時期でもあります。
 
 
自己肯定感が高まる一方で、劣等感も強く抱きやすい、そんなアンバランスさを内に秘めているのです。
 
 
特に男の子は、言葉で気持ちを表すのが苦手な傾向もあり、イライラという形で感情をぶつけてしまうことも。
 
 
この記事では、私自身の体験も交えながら、「9歳の男の子のイライラ」にどう向き合えばいいのか、そして親にできるサポートについてお伝えしていきます。
 
 
ふてくされる男の子
 
 
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2.知らずにぶつかっていた…「9歳の壁」と中間反抗期の正体

 
 
反抗期といえば、1歳半〜3歳ごろの「イヤイヤ期」(第一次反抗期)や、思春期に見られる第二次反抗期がよく知られていますよね。
 
 
でも、実はその間の9〜10歳頃にも、「中間反抗期」と呼ばれる時期があります。
 
 
「9歳の壁」「10歳の壁」とも言われるこの時期、子どもは目に見えない心の葛藤を抱えやすくなります。
 
 
わが家の息子も、まさにこの時期に大きな変化がありました。
 
 
以前は素直で優しかったのに、些細なことでイライラしたり、「うるさい!」と怒鳴ったり…。
 
 
親の私も、どう接していいかわからなくなる毎日でした。
 
 
当時の私は、「中間反抗期」なんて言葉も知らず、息子の気持ちを理解しようとせずに、こんな言葉をぶつけてしまっていました。
 
「○○ちゃんは、あんなにできてるよ?」
「4年生なんだから、しっかりしなさい!」
 
 
息子は学校での勉強や友だち関係で、ただでさえ疲れていたのに…。
 
 
私はそのしんどさに気づかず、「もっと頑張れ」と私の理想を押しつけていたのです。
 
 
子どもの立場で考えてみると、そんなふうに言われて「よし、頑張ろう」と思えるでしょうか?
――私だったら、思えません。
 
 
きっと息子も、「どうせ僕なんか」「何をしてもダメだ」と、自信を失っていったのだと思います。
 
 
そうして徐々に、何事にも前向きになれなくなり、新しいことに挑戦する気力もなくなっていきました。
 
 
それでも私は、「もっとしっかりさせなきゃ」と焦り、さらなる言葉のプレッシャーを与えてしまったのです。
 
 
そしてその結果、息子は私から離れられなくなり、「母子分離不安」の状態にまでなってしまいました。
 
 
イライラお母さん
 
 

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3.9歳の壁とは?中間反抗期の特徴とグレーゾーンの子のつまずきやすさ

 
 
9歳ごろになると、子どもたちの様子が少しずつ変わってきます。
 
 
「なんでこんなにイライラするんだろう?」と感じることもありますよね。
 
 
これは「9歳の壁」「中間反抗期」と呼ばれる、子どもが心も体も大きく成長する時期のサインなのです。
 
 
文部科学省の「子どもの徳育に関する懇談会」の資料でも、
「9歳ごろの子どもは自分を客観的に見られるようになる一方で、発達の個人差から劣等感を抱きやすく、自己肯定感が下がりやすい時期である」
と記されています。
(【出典】文部科学省「子どもの徳育に関する懇談会」資料より リンクはこちら) 
 
 
この時期、子どもは「自分ってどんな人なんだろう?」「大人って完璧じゃないんだな」と少しずつ気づきはじめます。
 
 
そのため、これまでのように素直に受け入れられず、戸惑いや自信喪失からイライラや反抗的な態度が見られることが多いのです。
 
 
つまり、この不安定な揺らぎの時期は、子どもが自分の気持ちや考えを育てている大切な時間なのです。
 
 

■発達障害グレーゾーンの子が「9歳の壁」を特に感じやすい理由

 
 
特に発達障害やグレーゾーンの特性を持つ子どもにとっては、「9歳の壁」はより高く感じられやすい傾向があります。
 
 
①学習面の課題
 
小学校3~4年生になると、学習内容がこれまでの「具体的」なものから、より「抽象的」な理解が求められるものに変わります。
 
例えば、低学年の算数問題は、
「りんごが2つ、みかんが3つ。合わせていくつ?」
 
一方、高学年になると、
「0.258+2.358はいくつ?」
 
このように小数や分数など頭の中でイメージしづらい内容が増えてきます。
 
抽象的な考え方が苦手な発達障害やグレーゾーンのお子さんにとっては、ここでつまずきやすく、学習の遅れや苦手意識が生まれやすいのです。
 
さらに理科や社会、英語などの教科も増え、6時間授業の日が増えるなど体力的な負担も重なります。
 
このため、学習面での課題を強く感じやすい時期となります。
 
 
②心の面の課題
 
9~10歳ごろになると、子どもは親よりも友達を大切にするようになり、同時に「自分を客観的に見る力」も育ってきます。
 
その中で、「あれ?自分って思ったほどできていないかも…」と気づきはじめることもあります。
 
発達障害やグレーゾーンのお子さんは得意なことが限定的で、苦手なことが多いことから、周囲と比べて「自分はダメなんだ」と感じやすくなります。
 
その結果、自己肯定感が下がり、自信を失うことも珍しくありません。
 
また、友達グループ内には暗黙のルール言葉以外のコミュニケーションが増えていきます。
 
発達特性を持つ子どもにとっては、これらの理解が難しく、友達とのトラブルが増えやすいこともこの時期の特徴です。
 
 
このように「9歳の壁」は子どもの発達における重要な段階のひとつです。
 
 
だからこそ親としては、「反抗的な態度=悪いこと」と決めつけるのではなく、「今は成長の途中なんだな」とそっと見守ってあげることが大切です。
 
 
親御さんの理解と適切な声かけによって、子どもは安心して自信を取り戻し、次のステップへ進むことができますよ。
 
 
やる気がでない
 
 

4.中間反抗期にどう対応する?ができる「指示だしゼロ」の声かけ実例

 
 
反抗的な態度が続くと、親もイライラして「もう!なんでそんな言い方するの!?」と、つい感情的になってしまいますよね。
 
 
でも、ここでひとつ深呼吸。
「今、私はどんな気持ちなんだろう?」「この子は、何に困っているのかな?」と、自分の感情に気づき、冷静さを取り戻すことが大切です。
 
 
親が落ち着いていると、子どもも少しずつ安心し、感情を整えやすくなります。
 
 
反抗期こそ、まずは大人が『落ち着いた土台』でいられるように心がけてみましょう。
 
 

■「指示出しゼロ」の肯定コミュニケーションを意識しよう

 
 
中間反抗期の子どもには、正面から「〇〇しなさい!」と言っても、なかなか届きません。
 
 
むしろ反発を招きやすく、「うるさい!」「いまやろうと思ってたのに!」と険悪になりがちです。
 
 
そこでおすすめなのが、「指示出しゼロ」で、子どものやる気を引き出す関わり方です。
 
 
● 子どもを“実況中継”してみよう
 
つい、あれこれ言いたくなりますが、いったんストップ。
 
代わりに『できたこと』を伝えてあげましょう。
 
最も簡単で効果的なのが、「実況中継」のような声かけ
 
「時間通りに起きてきたね!おはよう。早いじゃん!」
「着替え始めたんだね」
「お!宿題もう半分まで終わってる!」
など、子どもが《今やっていること》を、そのまま言葉にして伝えるだけでOKです。
 
これだけで「ちゃんと自分を見てくれてる」と子どもは感じ、安心します。
 
 
● 興味や好きをキャッチして、共感を
 
さらに一歩進めて、子どもの好きなことに興味を示すのも効果的。
 
「このゲーム、どんなところが面白いかった?」
「そのマンガ、どんな話なの?」
 
と、問いかけや共感の言葉を添えると、子どもの心が開きやすくなります。
 
 
● ママも感謝の気持ちを言葉にしよう
 
普段の生活の中で、子どもがしてくれることを「当たり前」だと思ってしまうこと、ありませんか?
 
そんな大人こそ、「ありがとう」を言葉にしてお子さんに伝えてあげましょう
 
「パジャマ、カゴに入れてくれたんだね。ありがとう!助かる~✨」
「荷物持ってくれてありがとう!ママ一人じゃ大変だったよ」
 
など、子どもが手伝ってくれたことや、一人でやったことでママの「名もなき家事」が減ったときはぜひ感謝の言葉と一緒に伝えてあげてください。
 
すると、子どもは少しずつ「自分はできるんだ」「自分の行動は人の役に立ってる」と思えるようになり、自信とやる気が育っていきます。
 
 
反抗的に見える態度の裏には、「自信のなさ」や「わかってほしい気持ち」が隠れていることが多いものです。
 
 
だからこそ、今はたっぷりと『肯定のシャワー』をかけてあげることが大切。
 
 
自信を失いやすいこの時期にこそ、「やってみよう」「ちょっと頑張ってみようかな」と思える心を育てていきましょう。
 
 
この時期は長くは続きません。この記事が親子で乗り越えていけるヒントになれば嬉しいです。
 
 
まずは今日の「できたね」から始めてみませんか?
 
 
小学生の男の子
 
 
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執筆者:いたがき ひまり
発達科学コミュニケーション マスタートレーナー
 
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