人の話を最後まで聞けない、落ち着きがない、何度言い聞かせても同じことを繰り返す。このような子どもは、脳の「聞く力」の発達が弱いと考えられます。本記事では「聞く力」の伸ばす親の会話術をご紹介します。
1.人の話を最後まで聞けないのは「聞く力」が弱いから
お子さんの行動にこんな困り事はありませんか?
・人の話を最後まで聞けない
・落ち着きがなく何度言い聞かせても同じことを繰り返す
・すぐに怒って手が出る
・集団行動が苦手
・勉強がなかなか身につかない<
これらは脳の聞く力の弱さに関係しています。
耳から聞いた情報を脳に届けてそれを残しておく力が弱いということです。
聞く力が弱い子は、日々の生活の中で、お母さんや学校の先生の話す内容が理解できていないので、困った行動に繋がってしまうことがよくあります。

2.気付けない親だった過去
わが家には小学3年生の息子がいます。
小さな頃から落ち着きがなく、人の話が最後まで聞けないことが多く
何度言い聞かせても同じことを繰り返していたので私はいつも注意ばかりしていました。
「何度言ったら分かるの?」
「どうしてママの言っていることが分からないの?」
と声を荒げてしまうこともありました。
小学校へ上がると先生の指示を理解したり、勉強に集中することも苦痛になってきました。
それでもなんとかついていこうと必死で頑張っていましたが、
自信をなくし不登校になってしまいました。
聞く力が弱い子は
聴覚のエリアが未発達なので、正しく聞き取って理解したり、集中して話を聞くことが難しいため 叱られることが多く、自信をなくしてきやすいのです。

3.「聞く力」が育てば脳全体が成長する
脳の発達は遺伝よりも人の環境が大切です。
聞く力が弱い子にお母さんがいくら言い聞かせたりガミガミ叱っても、頭の中には言われたことはほとんど残りません。
ですので、また同じことを繰り返しては叱られ自信をなくしていくという悪循環に陥ってしまいます。
聞く力は、
見る、記憶する、理解する、考える、伝える
などの脳の様々なエリアとの連携が強く、脳全体に影響を及ぼします。
聞く力が育てば記憶力や理解力、コミュニケーション能力や言語能力も一緒に育っていきます。
ですから、日常生活や学校生活の中での困り事が解決していくのです。

4.「聞く力」を伸ばすために大切な3つのポイント
人の話を最後まで聞けない子どもの「聞く力」を伸ばすには、日々の生活の中でお母さんや家族と一緒に楽しく会話をすることです。
私自身、不登校になった息子との会話を大切にしてきたところ、自信をなくしていた息子は、少しずつ心が安定してきました。
ここからは、お子さんの「聞く力」を伸ばすために大切な親子の会話術のコツを3つをお伝えします。
◆待つこと
子どもの脳はまだ未熟で脳内での処理に時間がかかります。
子どもが喋り始めたり、行動に移す時に待ってあげることが大切です。
時間がかかっても子どもが考えている時間を大切にしてあげて下さいね。
◆矢継ぎ早に話をしない
お母さんが矢継ぎ早に話をしたりすぐに言い返してしまうと、子どもは中身を理解することができません。
これが日常的に続くと話の表面しか聞けなくなってしまい、理解することまでできなくなってしまいます。
◆間をとること
子どもが聞いたことを理解できるまで上手に間をとってあげたり、優しく話してあげましょう。
ぜひ今日から親子の会話を楽しみながら、お子さんの「聞く力」を育てていきたいですね。