私はかつて分離不安症でした。過去を思い返すと学校に行けなかったことなどたくさんの苦しい思い出もあります。しかし、私は分離不安だったことを不幸だとは一切思っていません。母子分離不安だった経験を振り返り、大人になった今だからこそ伝えられること。シリーズ全6話でお伝えしていきたいと思っております。シリーズ3は私の思春期の記憶からお伝えします。
1.大人になった分離不安っ子だからこそわかる!分離不安は不幸なことではない。
まだまだ親離れが進まない、思春期の母子分離不安っ子。
周りのお友達はみんな親離れしているのに、なんでうちの子はできないんだろうと焦ってしまっていませんか?
シリーズでお伝えしています【大人になった分離不安っ子だから伝えられることシリーズ】
シリーズ3は「母子分離不安っ子の思春期」について執筆しました。
私自身の思春期の経験から、思春期の母子分離不安っ子にはどのような関わりが大切かをお伝えしていきます。
大人になった分離不安っ子だからこそわかることがあります。
分離不安は決して不幸なことではありません。
今、分離不安で苦しんでいる子どもたちへ。
今、分離不安の子どもの気持ちがわからず苦しんでいるママたちへ。
私が分離不安だった過去をお伝えすることで、皆さんのお力になれたら嬉しいです。
2.母子分離不安っ子でも部活に熱中できたワケ
私の思春期は、部活が生活の全般を締めていました。
中学生になって始めたスポーツにハマり、朝から夜遅くまでスポーツ一色の生活を送る毎日。
部活のおかげで学校も毎日楽しく通うことができていましたし、部活のおかげで友達もたくさんできました。
強豪校に行くために、勉強もがんばり、受験も乗り越えることができました。
すべては大好きなスポーツと出会ったおかげで、順風満帆な思春期を過ごすことができたといっても過言ではありません。
母子分離不安の子どもって母親から離れられないんじゃないの?
なんでママべったりな子が部活に通えたの?
そう思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
なぜ、母子分離不安の私が母親から離れて、好きな部活に熱中できたのか。
そこには特別な母親による仕掛けがあったのです。
実は、部活に私の母親も一緒に参加していたのです(笑)。
当時は部活には親の当番というものがありました。
私の母は当番ではない日も常に部活を見にきてくれていましたし、練習・試合・遠征にまで皆勤賞で参加!母がいたから私も安心して部活を楽しむことができていたと思います。
また、私の母はとても陽気な人で人付き合いが上手な人でしたから、監督や私の友人ともとっても仲良しになり、母を中心に部活の人間関係が出来上がっていきました。
そのおかげで、私自身も家族以外の信頼できる仲間をこの時期に作ることができました。
当時、母が母子分離不安の私のために、常に部活に引率していたのか、そもそも自分が参加したかったのか、真相は定かではありませんが、私の思春期の「好き」にとことん付き合ってくれました。
母子分離不安だった私にとっては「親がウザイ!」なんて思う時期は全くなく、むしろとてもいい親子関係が築け、信頼を深め合えた思春期だったと感じています。
3.「好き」は脳を伸ばす最強のエンジン
これまで子どもの成長において、「好き」を味方につけることはとても効果があることを他の記事でもご紹介してきましたが…
「好き!」「これやりたい!」「楽しい!」と感じている時、子どもの脳はぐんぐん伸びていきます。
好きなことをやっていると、いつの間にか苦手なことを克服できていた経験ってありませんか?
幼い子どものことで例えると
✓家では苦手で食べれないピーマン。
→大好きな友だちと一緒に食べる給食なら食べれるようになった!
思春期のお子さんだと
✓好きな子ができたみたい。
→好きな子と会うために、早起きして登校するようになった!
ママ自身のことでも
✓家族旅行に行きたい!
→節約が苦手だけど、家計簿をつけて、がんばって節約ができるようになった!
なんてこと、よくありますよね。
要するに「好き!」「やりたい!」「楽しい!」は人間の脳を動かす最強のエンジンなんです。
4.思春期の母子分離不安っ子に欠かせないのは…「好き」
私の母のように、極端に部活に毎日付いてくるなんて極論かとは思いますが(笑)
ぜひ思春期のお子さんをお持ちのママに、私の母の行動から参考にしてもらいたいことがあります。
◆子どもの「好き」を知る
お子さんが今何が好きで、何に対してやってみたい!と思っていて、どんな時に楽しいと感じているかをよく観察し、それを全力で応援してあげてほしいのです。
自信がなかったり、不安傾向の強い母子分離不安のお子さんは、あまり自分から発信することがなく、見つけるのが難しいかもしれませんが、必ずどこかに「好き」「やってみたい!」「楽しい」はあるはずです。
それを見つけるためには、日頃からの親子のコミュニケーションが必要不可欠になってきます。
たわいもない会話の中から、お子さんの意外な「好き」を見つけることができるかもしれませんよ。
「好き」を見つけることができたら、チャンスです。ママもその「好き」を一緒に楽しんであげてください。
また、お子さんの「好き」がなかなか見つからない場合は、ママが全力で「好き」を見せてあげることも効果的です。
例えば…
私は某アイドルグループのファンでよく車内で音楽をかけたり、YouTubeで動画を視聴したりしてるのですが、子どもたちもいつの間にか大好きになって、今は私より熱狂的なファンです。
◆「好き」を行動に繋げる
日常の些細なことでいいので「好き」を見つけることができたら、ぜひ子どもの好きがもっと拡がるように、行動に繋げるきっかけを与えていきましょう。
例えば…
①好きの観察
最近観察していると、いつも同じYouTubeを見ている!どうやらゲーム解説のようだ…!
②好きを行動に繋げる
「ママもこのゲームやってみたいんだけど、実況中継してやり方教えてくれない?」
この2ステップだけで「好き」を介して親子のコミュニケーションを深めることができます。
話すことや説明することが苦手なお子さんでも「好き」なゲームのことなら、話しやすいですから、スラスラと言葉が出てくるかもしれませんし、人に教えるという経験を通して自信に繋げることもできます。
子どもの脳を最大限に伸ばしてくれる「好き」という最強のエンジン。
誰もが持っているけど、意外と上手に使いこなせていません。もったいない‼︎
思春期は特に母子分離不安の子どもの成長を促すためにも、この最強エンジンを上手に使いこなしていきましょう。
特に、母子分離不安の子どもにとって、その「好き」をどう次の行動につなげていくかは、ママの腕の見せどころです。
シリーズ4では、いよいよ母子分分離不安っ子が自立します!
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大人になった分離不安っ子だから伝えることができる体験談
〜シリーズ4 自立した母子分離不安っ子の姿~