車の匂いが苦手で車酔いをする嗅覚過敏の子どもが車に乗れるようになる方法

家族
「車の匂いが嫌!」車の匂いが苦手で車酔いをする嗅覚過敏の子どもの対応に困っていませんか?嗅覚過敏はストレスがかかることで症状が強くなってしまいます。嗅覚過敏についてしっかりと理解し、お子さんが安心して車に乗れる対応をしてあげることが重要です。本記事では嗅覚過敏を和らげ、車に乗れるようになるママの関わり方をご紹介します。
 
 

1.「車の匂いが嫌!」車酔いが酷く乗車拒否をする子ども

 
 
感覚過敏の中でも、特に嗅覚過敏があって「車の匂いが苦手でなかなか一緒のお出かけができない…」と悩んでいるママにおすすめの方法をご紹介します。
 
 
私の息子は小さい頃から不安が強く、複数の感覚過敏があり、嗅覚過敏も持っています。
 
 
1年前にどこに行くにも車が必須の場所に引っ越してきたのですが、息子は車酔いがひどくなかなか車に乗ることができませんでした。

車酔いの理由は「車の匂いが嫌」の一点張り。

 
 
車の匂いを嗅ぐと、頭が痛い、鼻が痛い、吐き気がする。車酔いが嫌だと乗車を一切拒否するようになりました。
 
 
そのため、ちょっとした外出も、家族みんな揃って車で出かけることもできず、いつも私と次男だけ別の交通手段になってしまいます。
 
 
市販の芳香剤を使ったり、窓を開ける、マスクをするなどの対策をしてみましたが、あまり効果はありませんでした。
 
 
くさい!
 
 

2.車酔いの原因となる嗅覚過敏とは?

 
 
感覚過敏は、主に視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚などに対して、刺激のボリュームを適度に調整する脳の機能がうまく働かず、過剰に反応する状態をいい、日常生活や園、学校などの社会生活で困難が生じることが多くなります。
 
 
感覚過敏のうちの1つである嗅覚過敏は、一般的には気にならないような匂いに強い反応を示したり、特定の匂いに対しては苦痛を感じるほどの過敏な状態を示します。
 
 
嗅覚過敏を含めた感覚過敏の症状は周囲から理解されにくく、単に我慢が足りないだけだと誤解されがちですが、そうではありません。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもは、不安や恐怖を感じる脳の扁桃体の働きが生まれつき強い傾向があり、扁桃体の過活動を弱めるセロトニンも不足しがちなために不安や恐怖を感じやすいといわれています。
 
 
脳は不安恐怖を感じた時、自分を守るための防衛本能として、様々な刺激に対して過敏に反応してしまいます。
 
 
またネガティブな記憶がより強く脳に刻まれやすい特性もあり、一度記憶した嫌な経験(車の匂いが耐えられないほど苦痛だった、吐き気を催した、車酔いしたなど)が匂いを嗅ぐことで再現されるため苦痛を感じています。
 
 
ただでさえストレスを感じやすいのに、更にストレスが加わったら子どもはどうなるでしょうか?
 
 
感情は不安定になって、やる気も意欲も出ず、行動力なんて出てきませんよね。
 
 
理解されにくい
 
 
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3.車の匂いが苦手な嗅覚過敏の子どもが車に乗れるようになる方法

 
 
強いストレスによって更に感覚過敏は強まります。
こんな時はママがお子さんをよく観察して、強いストレスがかかっていないか考えてあげてみて下さい。
 
 
不安な表情をしている、イライラしていると感じる時はありませんか?
 
 
ストレスの原因に気付いたら、取り除くことができるものはできるだけ取り除いて、お子さんの不安を減らしてあげましょう。
 
 
子どもによってストレスの原因は様々だと思います。
 
 
我が家の場合は、繊細な息子とあまり相性の合わない兄弟からことあるごとに絡まれることが彼の最大のストレスになっていたことが分かったため、兄弟が顔を合わせる機会を減らし、安心できるよう別室で食事することを許可しました。
 
 
ここではお行儀が悪い、部屋がよごれる、虫が来る、はさておき、ストレスを減らすことに注力しました。
 
 
そしてこれからお伝えする肯定的なコミュ二ケーションをしていくことで、更に効果を高めていくことが出来ました。
 
 
・優しい表情で微笑みかける
 
・ぎゅーっとハグする
 
・たくさん触れてスキンシップをとる
 
 
こうすることで、子どもの不安を減らし安心感を増やすことができます。
 
 
・たくさん褒める
 
・子どもの話しに共感して気持ちに寄り添う
 
 
そうすることでエネルギーが貯まり、やる気が出てきます。
 
 
また感覚過敏と自律神経は関連していると言われているため、自律神経を整えるツボ押しやマッサージもおすすめです。
 
 
夜、子どもが眠れないという時は、うつ伏せの状態で首の後ろを指圧したり、首から背中の真ん中あたりをさすると、すっと寝てくれやすくなりますよ。
 
 
そうしたコミュニケーションを続けていくうちに、息子からはどんどん不安そうな顔が消えて、心が安定してくる様子が伝わってきました。
 
 
子どもの心が安定してきたタイミングで、一緒に車に乗って出かける提案をしてみたところ、息子は「車に乗ってみる!」となりました。
 
 
感覚過敏は、受け入れられる刺激を受けて育つといわれています。
 
 
ですので嗅覚過敏も、受け入れられる好きな匂いを嗅ぐことで嗅覚も育っていきます
 
 
私は嗅覚過敏対策として、息子が心地よいと感じる香りで車酔いにも効果のあるペパーミントやレモンなどの精油や、息子がずっと嗅ぎたくなるような大好きな香りのするグミを用意して車に乗り込みました。
 
 
窓も好きなだけ開けてOK!席を替わりたくなったらいつでも替わるよ!と安心できるよう声掛けもしておきました。
 
 
それまで散々車への乗車拒否をしていた次男ですが、嗅覚過敏は緩和され、安心材料も用意して、好きな香りを嗅ぎながらすんなり車に乗り、念願だった車で一緒のお出かけに行くことが出来るようになりました!
 
 
おまけにその二日後には、ずっと切りたいと言っていたものの、なかなか行く事が出来ていなかった髪を切りに行くこともできました。
 
 
不安が強くて子どもの嗅覚過敏が出ている、嗅覚過敏で車でのお出かけができない!と悩んでいる方は是非試してみてくださいね。
 
 
外出が楽しみなこの時期、一緒にお出かけを楽しめる親子が増えますように!
 
 
家族
 
 
執筆者:たかなし りら
発達科学コミュニケーション トレーナー
 
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