校門からの『あと一歩』が踏み出せない…。登校しぶり、登校拒否、母子登校を経験してきたママなら、この状況にもどかしさを感じたことがあるのではないでしょうか?本記事では校門からのあと一歩を後押しした我が家の非常識な作戦をご紹介しています。
1.校門からの一歩が踏み出せない…
朝から準備もがんばった!
食事もして、身支度もして、さぁ学校へ!
しかし、校門からの『あと一歩』がなかなか踏み出せない…。
なんでここまで来たのに、あと一歩が出ないんだろう…。
登校しぶり、登校拒否、母子登校を経験してきたママなら、この状況『あるある~!』とわかっていただけるのではないのでしょうか?
本記事では、登校しぶりのある子どもの『校門からのあと一歩』をどうやって後押ししたらいいのか?
我が家で実践した非常識な作戦をご紹介します!
2.あと一歩が踏み出せない発達障害・グレーゾーンの娘にモヤモヤしていました…
私の娘は小学生になってから登校しぶりをするようになりました。
ひといちばい繊細な性格のため、学校ではいろんな困りごとがあったようです。
・教室に大勢の子がいるのが苦痛
・授業中にふざける子がいるのが苦痛
・先生がすぐに大きな声で怒鳴ることが苦痛
・先生が友達を皆の前で叱ることが苦痛
・給食を時間内に食べ終わらなければいけないプレッシャー
これらのことがストレスになり、登校しぶりは悪化していきました。
「娘の登校しぶりをどうにかしたい!」娘が小学2年生の時に、ふたばスクールにて発達科学コミュニケーションを学び始めました。
発達科学コミュニケーションでは、娘の特性に合った登校しぶりへの対応を学ぶことができ、娘に対する声かけや指示の出し方を見直すことで、娘の登校しぶりは徐々に改善していきました。
学校に行こう!という気になったのは、いいのですが…
ここで問題が…。
朝起きれた!
準備もできた!
家を出ることができた!
しかし!どうしても校門まで来ると「行きたくない…」と足が止まってしまうのです。
「あと一歩」をどう克服したらいいか、ずっと悩んでいました。
3.ママとの信頼関係が子どもの『やる気』に大きく影響している!
『あと一歩』を踏み出すためには『子どものやる気』が必要です。
この『やる気』には、周りの大人への信頼が大きく影響すると言われています。
要するに、日頃のママとの信頼関係や相互作用がうまくいっていないと、子どもは『あと一歩』を踏み出すことができないということです。
逆を言えば、ママとの信頼関係や相互作用がうまくいっていると、子どもは『あと一歩』を踏み出すことができるのです!
例えば
・ママの「学校に行ってほしい」という気持ちが全面的に出ていて、威圧的である
・子どものペースではなくママのペースで朝の準備を進めてしまっている
・学校に行かないことに対して否定的な言葉を使う
・無理やり学校に行かせている
このような状況の場合、子どもはママに対して用心深さと警戒心を持ってしまいます。
ママとの信頼関係や相互作用がうまくいかなくなってしまうため、子どもは『あと一歩』を踏み出すことができません。
子どもの『あと一歩』を後押ししたいなら、まずは日頃の生活の中で、ママが子どもに対して肯定的な関わりを持つこと。
そして、適切な場所で適切な『褒め』を与えられるようになることが重要です。
4.学校に行く前の時間に着目しよう!
子どもの行動は、周りの環境にある刺激を『きっかけ』として起こります。
このように行動を起こす『きっかけ』を与える刺激を先行刺激と言います。
例えば
・ママの優しい表情や優しい口調での声かけ(先行刺激)に対して、子どもは安心を抱く。
・ママのイライラした表情、否定的な声かけ(先行刺激)に対して、子どもが癇癪を起す。
このように、行動を引き起こすきっかけを与える刺激が「先行刺激」です。
「先行刺激」は、言葉による説明や指示の形で聴覚刺激として与えられる場合もありますし、表情やしぐさなどの非言語情報という形で視覚刺激として与えられる場合もあります。
子どもの『あと一歩』を後押しするためには、この先行刺激がとても大事になってきます。
子どもが校門の前で立ち止まり『あと一歩』が出ない状況になる前に…
ママが『あと一歩』の後押しをしてあげることをおすすめします。
そのためには、学校に行く前の時間が『校門からの一歩』を後押しする鍵となります。
子どもの『あと一歩』が踏み出せるか踏み出せないかは、子どもとママの関わりが大事だと目次3に書きましたが…
✓校に行く前の環境が、子どもにとって安心できる環境になっているか。
✓学校に行く前の環境で、ママが肯定的な関わりを持つことができているか。
子どもの問題行動が起こる前の状況(先行刺激)を見直すことも重要なのです。
5.『校門からの一歩』を後押しする我が家の非常識な作戦
これらのことを踏まえて、我が家では学校に行く前の時間、子どもが楽しいと思える状況を工夫して作るようにしてみました。
私が実践したのは『登校前に親子でゲームをして、子どもの脳をご機嫌にしよう』という非常識な作戦です‼
Youtubeやゲームは『子どもの発達にとってよくないもの』のように扱われていますが、実は使い方によっては、子どもの脳をご機嫌にし、行動を促すことができるのです!
「朝からゲーム?!辞められなくなっちゃうよ!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
おっしゃる通り、ゲームをしはじめると、やはり短時間ではやめられなくなってしまいますよね。
ですので、あらかじめ切り替えがしやすい設定(短時間で成功体験が得られる)のゲームを選びました。
その結果、我が家では朝から親子でゲームをすることにより、以下のような良い先行刺激を与えることができました。
・朝からゲームをすることで脳を働かせることができる。
・親子でゲームを楽しむことで親子の会話がはずむ。
・親が肯定的な関わりを持つことができる。
・5分ほどでクリアするゲームを選ぶことで、短時間で成功体験を得ることができる。
この非常識な作戦により、我が子は朝の時間をご機嫌に過ごせるようになり、学校に行く足取りも軽くなっていきました。
朝ゲームをして、ご機嫌で家を出られても、やはり校門で足が止まってしまうこともまだありますが、そんな時にもこの非常識な作戦はとても効果があるのです!
実は、私の娘は人が多いのが苦手なので、他の子どもたちと時間を少しずらして登校しています。
娘が登校する時間は、周りには生徒がいない状況。
ということで…非常識作戦開始‼︎
校門で足が止まったら、私のスマホでゲームをして「これはこうじゃない?」と親子で会話を楽しんじゃいます!
ゲームをクリアし、成功体験を得られた娘はスッキリして「じゃぁ、行こうか!」と一歩を踏み出すことができました。
我が家では『短時間のゲーム』という非常識な作戦で、登校しぶりのある子どもの『校門からのあと一歩』を後押しすることができました。
お子さんの『あと一歩』を後押しするのに大切なのは
✓日頃、肯定的な関わりを心がけ、子どもが安心できる関わりを持つこと。
✓行動の前の環境を見直してみること
その上で、お子さんの特性に合わせた、あなたのお子さんだけの非常識な作戦を考えることができるといいですね!
執筆者:片庭 はな
発達科学コミュニケーション リサーチャー