幼児期になってお友だちは読み書きできるのに、うちの子は全く興味を示さない、または苦手意識があるというお悩みはありませんか?本記事では「できないからいやだ!」と言っていた息子がすすんで読み書きするようになった声かけ術をお伝えします。
1.読み書きが苦手なお子さんに不安を感じてるママはいませんか?
幼児期になると少しずつひらがなや数字に興味を持ちはじめます。
自分の名前や絵本のタイトル、道路の看板などに子どもの目がいき、そこから会話が生まれることもありますよね。
早い子では年少さんからお友だちとお手紙のやりとりをすることもあるようです。
そんな中、我が子が全く文字に興味がない!興味はあるようだけど読み書きに苦手意識がある!とお困りのママはいませんか?
本記事では、読み書きに自信がなく「できないからいやだ」と言っていた息子が、積極的に数字を書くようになったり、絵本を音読するようになったきっかけとママの声かけテクニックをお伝えしていきます。

2.読み書きが「できないからいやだ!」と劣等感を感じていた息子
私の息子は年中組です。
年少から始めた通信教育のワークが大好きで、一冊を一日で終わらせてしまうこともありました。
しかし、ひらがなが入ってくるようになってから「読めない・書けない」ことが続き、途中でやめてしまったり、取り組む回数も少なくなり、いつからか放置され何カ月分も溜まってしまう状態になりました。
また、幼稚園ではお友だちからお手紙をもらうことも出てきました。
年少の時は「お返事かく!」と言って絵を描いたりシールを貼ったりして渡していました。
しかし、年中になってからは、お友だちのように字を書きたくなってきた息子。
「書きたいんだけど書けないんだよ」と話してくれたので、「ママと一緒に書こうか」と誘うのですが「いやだ!」と言い、気持ちはあっても書くまでに至りませんでした。
その背景には、少しずつお友だちと比べるようになり「できないからいやだ」と感じている様子もありました。
私は、文字に対して興味が出てくるまで待っていようと思っていましたが、息子が周りと比べて劣等感を感じてしまうことに不安を抱いていました。

3.苦手なことに挑戦するのは大変!
子どもだけではなく大人だって自分の苦手なものに取り組むのは労力が必要ですよね。
できれば避けたいものです。
特に、生まれてからまだ数年の子どもにとって「できない」ことや「わからない」ことから「逃げたい」と思うのは当然です。
さらに、自信のなさから「失敗したらどうしよう」「誰かに見られたら嫌だな」と思ってしまい行動が制限されてしまうこともあります。
『脳は行動すればするほど発達する』ので、どうにか行動を促していくことが大事です。
逆を言えば、自分の「好きなこと」「得意なこと」は繰り返しやるので、その脳の回路はどんどん発達していきます。
また、ちょうど年中組くらいの年齢になると他者を意識するようになり、必然的に自分と比べることも出てきます。
特に、仲のいい子がスラスラと書いている姿を見ると、「みんなできてるのにボクだけできない」と劣等感がどんどん高まってしまいます。
劣等感を感じてしまうと「やってみよう」「挑戦してみよう」という意欲も湧き上がってきません。
そんな不安が強く、劣等感を抱いている子どもにどうしたら苦手なことにもチャレンジさせることができるのでしょうか? それを次でお伝えしていきます。

4.やり始めた時を見逃さないで!
お子さんに自信を持たせるためには、「行動を肯定すること」です。
「今ほとんどできていること」や「ちょっと頑張ればできそうなこと」をやり始めたときにすかさず肯定することが大事なポイントです。 結果は関係ありません。
どんなに下手くそでも殴り書きでも、机に向かったこと、鉛筆を持ったこと、何か書こうとしたことを「見てるよ~」と、“お母さんの目は今あなたに向かっているよ”ということを言葉や態度で示します。
やり始めが肝心なので、ちょっとでも動き出したときに声をかけます。
すると、お母さんの注目をもっと引きたくて、「もうちょっとやってみようかな」という気持ちが芽生えてきます。
基本的に子どもはお母さんが大好き!そんなお母さんからたくさん褒められたり認めてもらえたら「やる気」も湧いてきます。
我が家の場合、苦手とは言え、たまに本人がその気になった時に自由帳にミミズのような線(本人は字と思っている)や黒く塗りつぶしただけのいびつな形(本人の中ではりんご)をかいていました。
その度に「鉛筆の持ち方上手だね」「書く(描く)の楽しいよね」「『い』って書けたね」と子どもがかいている様子や書いたもの・描いたものに注目して声をかけるようにしていました。
今はぐちゃぐちゃでも、まずは「かくことが楽しい」と思ってもらい、そこから練習して、第三者が見ても分かるようなものになればいいなと思っていました。

5.遊びをきっかけに「やる気」と「自信」を育てよう
転機が訪れたのはビンゴゲームをした時です。
クリスマスにビンゴゲームをやろうと4×4マスのカードを作っておきました。
それが息子に大ヒット。
自分でカードを作りたいと言って数字を書き始めたのです。
「1」はもともと書けていたのですが、「4」や「5」が鏡文字のように上下左右が逆になってしまったり、「20」を「02」と書くなど一の位と十の位が反対になってしまっていました。
お手本と見比べて自分でも違うと気づくと「ママ書いて」と言うので横に小さく正しく書いたり、点線を書いてその上をなぞるようにしていました。
冬休みは毎日のようにビンゴをするのが日課になり、カードを自分で書いていました。
「よ~く見てごらん」と声をかけ何度も書いていくと、ほんの1週間で鏡文字や一の位と十の位が逆になってしまうこともなくなりました。
「好きこそものの上手なれ」と言いますが、自分の興味が持てたことや好きなことにはものすごい力を発揮してどんどん上達していくことを実感しました。
最近では数字だけでなくひらがなにも興味を持ち始め、赤ちゃんの時に読んでいた絵本を音読したり50音表を指で追いながら読んだりしています。
遊びから興味を持ち始めた時が大チャンス!
そこで肯定的な関わりをして、ぜひお子さんの「やる気」や「自信」を伸ばしていきましょう。

執筆者:渡辺 さくら
発達科学コミュニケーション アンバサダー