小学生の行き渋りは夏休み前が要注意。限界まで頑張ってきた子に「あと少し頑張ろう」ではなく「よく頑張ったね」と大きく認めてあげませんか?夏休み明けも安心して登校できるためにも、今お子さんに届けてほしい親の対応をお伝えします。
1.小学生の行き渋り、夏休み前にもう限界?こんなサインは見逃さないで
1学期ももうすぐ終わり。 学校では授業参観や懇談会があって、「夏休み」の声がちらほら聞こえてくる頃。
親御さんにとっては、あと少しでひと息つける…そんな時期ではないでしょうか。
でも、子どもはどうでしょう?
最近、行き渋りが強くなっている気がする…
朝になると「お腹が痛い」「学校行きたくない」と泣いている
なかなか朝の準備が進まない…。
春からずっと頑張ってきた子どもたちは、 夏休みを前にもう「限界ギリギリ」まで頑張っていることが少なくありません。
毎日心をすり減らしながら、親子で何とか乗り越えている…という方も多いのではないでしょうか。
「あと少しで夏休みだから、それまでがんばろうね!」 そう声をかけながら、なんとか一緒に走り続けているけれど、
心のどこかに「また夏休み明けに、『学校行きたくない…』ってなるんじゃ…」 そんな不安を抱えている方もいるかもしれません。

2.私の小学生の行き渋り体験談 ― 夏休み目前に見えた心の疲れ
実は私も、まったく同じでした。
5月から始まった息子の行き渋り。
毎朝なだめすかして、何とか学校へ連れて行き、5月・6月を何とか乗り切りました。
7月に入る頃になると、学校生活にも少しずつ慣れてきたようで、楽しそうに過ごしている様子に少し安心していたんです。
でも、家では明らかに疲れ切っていて…。
毎晩寝る前に「明日学校行けるかな…」と不安そうに言い、朝の支度もなかなか進まない。登校の足取りもずっと重いままでした。
それでも私は「夏休みまでもう少しだから!」「あとちょっと頑張ろう!」と声をかけ続けました。
朝は学校に行くのが楽しそうではなかったけれど、とりあえず「行く」ことを目標に、親子で必死に走り抜けたんです。
「行きたくないけど頑張って学校に行った」 これが子どもの自信につながると信じていました。
でも一方で、「2学期もまた『行きたくない』ってなるんじゃ…」という不安も拭えませんでした。
案の定、夏休みが終わる頃には「学校、行きたくないな…」「一人は無理!」とまた登校しぶりがぶり返し…。
そのとき初めて、私はずっと「もっと頑張ろう」ばかり伝えていたんだと気づきました。

3.この時期に行き渋る理由と限界まで頑張ってしまうワケ
実はこの時期、子どもたちの心は思っている以上に疲れています。
特に繊細で感受性の強い子は、 周りの大人が「あと少し!」と励ます声を、そのまま真に受けてしまいます。
だからこそ、無理をしてでも頑張れてしまう。
また、真面目で完璧主義な子ほど 「学校には行かなきゃ」「休んじゃダメだ」と、自分を奮い立たせて頑張り続けています。
でも、そのがんばりには当然限界があるんです。
知らず知らずのうちに心も体も力が入り続け、「夏休み前なのに、もうしんどい…」「夏休みが終わるのが怖い…」そう感じる子も少なくありません。
そしてそれが夏休み明けに、「学校行けない…」とまた行き渋るきっかけになってしまうことも。
「なんとか1学期を乗り切ったから大丈夫」と思いたいけれど、子どもの中では「学校に行けた」ことが自信にはつながっていないことも多いのです。
なぜなら、子どもが本当に欲しかったのは「もっと頑張ろう」ではなく、「ここまでよく頑張ってるね」という承認だったからです。

4.夏休み前の小学生行き渋りへの対応 ― 親がかけたい言葉とは
だからこの時期に一番届けたいのは、
「夏休みまで、あと少し頑張ろうね」じゃなくて 「ここまでよく頑張ったね」という言葉。
たとえば…
・暑い日も雨の日も、よく頑張ってたね
・泣いちゃう日もあったけど、それでも学校に行こうとしたんだよね
・「ママ帰っていいよ」って言ってくれたの嬉しかったな
・たくさん頑張ったよねー。この夏休みは何して遊ぶ?
・〇〇ちゃんが頑張ってるの、ママはちゃんと見てたよ
すぐに帰ってきた日があっても、休んだ日があってもいいんです。
行けた・行けなかったじゃなく、「がんばろうとしてた気持ち」に目を向けて、
ママの言葉で届けてあげてください。
その一言で、子どもはホッと気持ちをゆるめられます。
「もっとがんばれ!」じゃなくて「がんばってるね!」
それだけで、「もっとがんばらなきゃ」と焦る子が、「ちゃんと見てくれてるんだ」と安心できます。
その安心が、次の「また頑張ってみようかな」につながるんです。
こうして1学期を「よく頑張ったね」と笑顔で締めくくれたら、 夏休みはもっとリラックスして楽しめるはず。
それが夏休み明けの小さな勇気になって、2学期もまた、自分なりのペースで歩き出していく力になります。
そしてここまで毎朝奮闘してきたのは、 ママやパパも同じですよね。
「本当によく頑張ったね」
どうかご自身にも、ご家族にも、そんな言葉を忘れずにかけて、特大のハナマルをあげてくださいね。

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執筆者:よしみつ りこ
発達科学コミュニケーション アンバサダー