不登校の子が「明日から行く」と言ったのに、朝になると行けなくなる…。その繰り返しにママは不安やイライラを感じていませんか? この記事では、不登校の子どもが「明日から行く」と言ってしまう心理、そしてママができる接し方を紹介します。
1.不登校の子の「明日から行く」に一喜一憂していませんか?
「明日は学校行くから!」
不登校の子がそう言ってくれた瞬間、ママの胸に安堵の気持ちが広がりますよね。
「やっと行けるのかな」「明日はきっと大丈夫」と希望がふくらみ、少し気持ちが軽くなる…。
しかし翌朝になると、「やっぱり行けない…」と布団から出られない子ども。
ママは、再び心配や不安に押しつぶされそうになり、「どうして?」とイライラが募ってしまうこともありますよね。
この「学校に行くと言ったのに行けない」現象は、決して珍しいことではありません。
不登校や登校しぶりの子どもたちにとってよくあることで、実は「嘘」でも「怠け」でもなく、子どもなりの精一杯の気持ちの表れなのです。

2.「明日から行く」を信じすぎるとママも子どももつらくなる
子どもが「明日は学校行く」と口にしてくれると、ママはどうしても期待してしまいますよね。
私もそうでした…
休みの間は子どものやりたいことをして、楽しく過ごしたし、「明日はきっと行けるよね!良かった!」と少し安心したりしていました。
しかし、当日の朝になって行けなかったとき、「また行けなかった」「嘘をつかれた」と私の期待は一気に裏切られたような気持ちに変わってしまいました。
そして、「昨日は行くって言ったよね?」と、つい子どもを責めてしまっていました。
ママのこの「期待」は、子どもにとって大きなプレッシャーになります。
「行くって言っちゃったから、絶対に行かなきゃ」
「でも体が動かない…どうしよう」
こうした板挟みの感覚が、さらに子どもを苦しめてしまいます。
行けなかったときに「ママをがっかりさせてしまった」と思うことで、子どもは自己否定感を強めてしまうこともあります。
期待は「応援」にもなりますが、時に「重荷」に変わってしまいます。
だからこそ、ママ自身も「期待しすぎていないかな?」と振り返ることが大切です。

3.不登校の子が「明日から行く」と言う心理と理由
では、なぜ不登校の子は「明日は学校行く」と言うのでしょうか。
その背景には、いくつかの心理があります。
①ママを安心させたい
子どもは、ママの表情や声のトーンにとても敏感です。
「ママが心配している」「落ち込んでいる」と感じると、自分を責めたり、安心させてあげたいという思いから「行くよ」と口にしてしまうことがあります。
②自分も本当は行きたい
決して「行く気がない」のではありません。
心のどこかで「行けるようになりたい」「友達と遊びたい」「授業を受けたい」と思っている子も多いです。
だからこそ、その気持ちが前に出て「行く」と宣言することがあります。
③頑張ろうと思った瞬間があった
夜のリラックスした時間や、気持ちが少し前向きな時に「よし、明日は頑張ろう」と思える瞬間があります。
しかし、翌朝になると、不安や緊張が一気に押し寄せてきて、体が動かなくなるのです。
④不安や恐怖のループ
朝になると「また教室で浮いたらどうしよう」「勉強についていけなかったらどうしよう」と、不安のループにはまってしまいます。
「失敗したらどうしよう」という気持ちが強くなると、動けなくなるのは大人でも同じですよね。
つまり、子どもが「明日は行く」と言ったのは嘘ではなく、希望や努力の表れなのです。
⑤もうこれ以上学校のことを言われたくない
ママは不安からつい「学校どうする?」「この教科なら行ける?」と声をかけてしまいがちです。
でも子どもにとっては、それが重荷になることもあります。
「明日は行くよ」という言葉の裏には、「これ以上、学校のことを言われたくない」という気持ちが隠れている場合もあるのです。

4.「行けなかった朝」にママができるサポート
では、ママはどのようにサポートすれば良いのでしょうか?
子どもが「明日は行く」と言ったときは、「そうなんだね、応援してるよ」と受け止めるだけで十分です。
行けなかったからといって責めるのではなく、「今日は休むんだね」と認めてあげることが、安心につながります。
親が「あなたを信じているよ」と伝えることで、子どもは安心して次のチャレンジができるようになります。
結果よりもプロセスを認めてあげましょう。
行けなかった日も、その子なりに頑張っていることを受け止め、声をかけてあげることが最も大切なサポートだと言えます。

5.「明日から行く」を信じすぎず、子どもを信頼することが大切
ママは難しいですが、「明日は学校に行けるかどうか」に一喜一憂しすぎないことです。
子どもが「行ける」と言っても、行けなくてもどちらでもいい。
「この子の未来は大丈夫。」と信じることが、子どもの安心につながります。
・学校に行けなくても、その子の価値は変わらない
・行けるタイミングは、子ども自身が見つけていく
・ママが信じて待つことで、子どもはプレッシャーから解放される
不登校の子どもが「明日から行く」と言ったのに行けない朝は、ママにとってつらいものです。
けれど、それは嘘ではなく「行きたい」という気持ちの表れです。
今日は行けなかったけれど、「この子はきっと大丈夫」と信じることが、子どもにとって何よりの安心と回復の第一歩になりますよ。

執筆者:たるみ あや
発達科学コミュニケーション アンバサダー






