4歳の娘が思い通りにならないと親を叩くようになり、暴力がエスカレート。将来への不安や自己嫌悪に苦しんだママが、行動の背景を知り、関わり方を見直すことで落ち着きを取り戻すまでの実体験と改善策を紹介します。
1.4歳でも起こる暴力 幼児の暴力に悩んでいませんか?
子どもの暴力と聞くと、思春期の中学生くらいの話かなと思う方も多いのではないでしょうか。
我が家の長女は、幼い頃から気に入らないことがあると癇癪を起こし、家でも外でも大騒ぎするような子でした。
そんな長女の暴力が始まったのは4歳の頃でした。
始めはペチペチという感じで痛くはありませんでしたが、叩かれたことがショックでした。
それがだんだんと強くなり、腕だったのが顔になり相手がより嫌がる所を叩くようになっていきました。
そんな我が子と同じように幼児の暴力に悩んでいるママはいませんか?

2.歯磨き粉が引き金だった。エスカレートする暴力に母として限界を感じた瞬間
親を叩くようになったきっかけは、歯磨き粉を変えようとした時のことでした。
3歳までは赤ちゃん用の甘いものを使っていましたが、歯もはえそろい、お菓子も食べるようになったので、4歳になったらフッ素入りの歯磨き粉にしようと提案していました。
子どももそのときは「うん」と言っていたのですが、以前私が間違えて大人用のミントの歯磨き粉で子どもの歯磨きをしてしまったことがあり、
その時の苦くてスースーした嫌な想いが根強く残っていたようです。
発達凸凹キッズは、ネガティブな記憶を残しやすいと言われています。
長女も例外ではなく、「苦いのは嫌!」と断固拒否。
歯磨き自体も苦手で、逃げ回り、磨き終わるのに20分かかることもよくありました。
それでも「4歳になったらフッ素入りに変えようね」と言っていて、子どもも了承していたので、タイミングを見て切り替えようとしたのです。
週末、パパも休日で在宅なので今日こそ!と私は意気込んでいました。
予想通り嫌だと逃げる長女に「大丈夫だよ」「フッ素だよ」「やるって言ったよね」とパパも一緒になって畳みかけました。
そのあとです。
長女は私とパパを叩き始めたのです。
一心不乱にという言葉がぴったりで何も言わず叩いていました。
それ以来、長女は思い通りにいかないことがあると叩く・蹴るといった行動が増え、暴力の回数も強さも少しずつエスカレートしていきました。
そんな我が子をみて、
「今は幼いから大したことないけど、大きくなったらどうなるのだろう…」
と将来への不安が大きくなるばかりでした。
このまま成長したら、私たちはどう関わればいいのだろう。
大きなトラブルに発展してしまうのではないか…。
そんな不安で胸がいっぱいでした。
ある日、また思い通りにならないことに怒り、癇癪と暴力も始まりました。
長女に取り合わないようにしていたのですが、しつこく追いかけてきて叩くので、腕を伸ばして体を止めようとしました。
しかしその手が長女の首を押さえる形になりましたが、首を押さえられても私の方に向かおうとするので、どんどん息苦しくなってしまい、やっと止まりました。
長女からしたらママから暴力を振るわれたと思ったのでしょう。
苦しそうな表情をした長女は「もうママの子じゃなくていい。他のママでいい」と言ったのです。
とても辛かった。
子どもにこんなことを言わせてしまった。
母親失格だ。
一生懸命子育てをしているつもりなのに、どうしていいかわからない。
──子育てに自信をなくし、どん底でした。

3.暴力には理由があった。発達科学コミュニケーションで見えた光
そんな中で出会ったのが、発達科学コミュニケーションでした。
ここでは発達凸凹キッズの脳の働きや感情が激しくなる理由、どう対応すれば良いのかどこでも教えてくれなかった実践的な子育てについて初めて触れたのです。
学んでいくうちに、長女の暴力にも「理由」があることが分かりました。
長女の暴力のきっかけは、苦い歯磨き粉への強い不安や恐怖でした。
本人は使いたくないのに、両親が絶対に譲らない姿勢を見せたことで、不安が一気に高まってしまったのです。
不安が強いと、脳の「怖い」と感じる部分が大きく反応し、感情をコントロールする働きがうまく機能しにくくなると言われています。
そのため、頭では「叩いたらダメ」と分かっていても、行動を止めるブレーキが効きづらくなっていたのです。
そして、気に入らないことがあるといつも暴力で訴えるようになったのは、脳には「繰り返したことは良いことも悪いことも行動のクセとして残りやすい」という特性があったからです。
長女は4歳でしたが、気持ちを言葉で伝えることが苦手だったため、叩く・蹴るという暴力で訴える方法が都合がよかったのです。
こんな複数の背景から
「嫌なことがある→暴力で回避→うまくいく→クセとして定着」
というループが自然と作られていました。
そして、繰り返すことでエスカレートしていったというわけです。
理由が分かると、私の中に少しずつ光が差し込みました。
行動には必ず背景があり、その原因に合った関わりを続ければ、子どもは変わっていける──そう感じられたのです。
実際に、接し方を見直していくと、あんなにひどかった暴力が今ではなくなりました。
我が家で効果のあった方法をご紹介しますね。

4.叩く子どもへの対応は肯定とスルーの2段階で解決!
長女が暴力を振るったのは、強い不安がきっかけでした。
不安をなくすためには、「安心感」を与えて「自信をつける」ことが大切です。
人は自分の行動を肯定されると自信が持てるようになります。
褒める子育てが良いのは自信をつけることができるからですが、その頃の長女はいつも不機嫌で何かあれば癇癪や暴力を起こす状態だったので、褒めることなんかないと思っていました。
でも、接し方をほんの少し変えるだけで、“できていること” は必ず見つかるようになるんですよね。
ここでは、そんな中どうやって自信をつけていったのか、我が家で特に効果があった方法を3つお伝えします。
①実況中継
子どもがやっていることを口に出すだけです。
子どもから反応をもらう必要もないので、すぐに使えますし効果もあります。
「お菓子食べているんだね」
「YouTubeみているんだね」
「パジャマに着替えたんだね」
これはママはあなたのことを見ているんだよというメッセージになります。
そして子どもの行動そのままを言うので、一切否定せず肯定することになります。
②感謝する
子どもがしてくれたどんな小さなことでも感謝の気持ちを伝えます。
感謝されることは、自分の行動には良い結果がついてくるという自信を育てます。
「ゴミを拾ってくれてありがとう」と言うと始めは黙ってママの方を見ていましたが、
どんなことでも褒めていくとだんだんと嬉しそうな顔をして、ママが喜ぶことを自らしてくれるようになりました。
③ジャスチャー
目で見て理解するのが得意な我が家の長女には、いつも笑顔を向けるようにし、うなずいたり、グッジョブのサインを送りました。
このように私の接し方を変えただけで、長女は自信を積み重ね、結果落ち着いている時間が格段に増えました。
以前は全て暴力で解決しようとしていたのが、言葉で伝えてくれることも出てきました。
それでもたまにある暴力には、私は無理にその場で止めようとせず、別室に移動していました。
目の前で叩き始めたら「あなたはいま興奮していてお話しできないから、ママは別の部屋にいくね。落ち着いたら呼びにきてくれる?」というスタイル。
肯定の対応で素直になってきた長女には、これが効果がありました。
ママが物理的に距離をとることで、子どもなりに考え、落ち着いたら「ママお話聞けるよ」と来てくれるようになったのです。
暴力をふるう子どもへの対応は大変ですよね。
冷静にと思っても、ずっと叩かれ続けたらママだってイライラしてしまいます。
これは、ママ自身の気持ちも落ち着かせる時間にもなるのでおすすめです。
一度で変わらなくても大丈夫。
できたことを見つけていくたびに、きっと親子の時間は穏やかになっていきます。
幼児の暴力に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

執筆者:江口 あみこ
発達科学コミュニケーション トレーナー




