なかなか動けない子どもに、毎日声をかけてはイライラしていませんか?不登校をきっかけに、自分で行動できなくなった息子が、子どもの状態に合わせた関わりを続けることで、少しずつ自分から動けるようになった体験談をお伝えします。
1.なかなか動けない子どもに、声をかけても行動しない毎日
子どもが家でずっとゲームやテレビばかりで、なかなか動かない。
お風呂に入ってほしいのに、寝る時間も守って自分で行動してほしいのに、
声をかけなきゃ動けない…
声をかけても動かない…
そんな毎日にイライラして、疲れ切っているママはいませんか?
「何度言えばわかるの?」
「少しは自分で考えて行動してよ」
そんな言葉が、つい口から出てしまって、息子の寝顔を見ながら自己嫌悪…。
本当は怒りたいわけじゃないのに、どうしてもイライラして言ってしまう。
私自身も、毎日のように
「この状態いつまで続くの?」
「このまま何もできないで大丈夫?」
そんな不安を抱えながら過ごしていました。
子どもの行動に目を向ける方向を少し変えるだけで、「声をかけなきゃ動かない子」から「自分から行動できる子」へと少しずつ変わっていった、息子の変化をお伝えします。

2.自分で動けない子どもに、毎晩泣いていた日々
私には、ASDグレーゾーンの現在3年生の息子がいます。
1年生の頃から母子登校があり、2年生になってから完全不登校になったりと、学校への不安が強い一面があります。
そんな息子が、不登校になってから癇癪が激しくなり、毎日ゲーム・テレビばかりで、それ以外の行動ができなくなりました。
私が「お風呂だよ」「そろそろ寝る時間だね」と言っても、無視したり、「うるさい、ほっとけ!」と言い返してくることもありました。
時には、お風呂に入らない日があったり、寝る時間が12時近くになってしまう日もありました。
毎日「あれやって」「これやろう」と声をかけても行動できない息子。
私は、だんだん息子に声をかけることが怖くなり、「どうして動けないの?」「どうしたらいいの?」と、自分自身を追い詰めるようになりました。
夜、息子の寝顔を見ながらどうしていいかわからず、毎晩泣いていました。

3.なかなか動けない子どもには、ちゃんと理由があった
不登校になる前は、自分から行動できなくても、私が指示すれば行動できていました。
ではなぜ、息子は行動できなくなってしまったのでしょうか?
それは、今まで必死に頑張ってきた“心のエネルギー”が、からっぽになっていたからでした。
ASDグレーゾーンのお子さんは、
・不安が強い
・完璧主義
・白黒思考
・外ではいい子、家では癇癪
・感情のコントロールが苦手
などの特性をもっていることがあります。
息子も、学校では精一杯気を張り、「ちゃんとしなきゃ」「失敗しちゃいけない」そんな気持ちを抱えながら毎日を過ごしていました。
不登校になってからも、将来への不安、「学校に行かなきゃいけないのに行けない」苦しさ、いろんな感情で心がいっぱいだったのだと思います。
そんな状態の息子に、私は「あれやって」「これやろう」の指示のオンパレード。
知らず知らずのうちに“できていないこと”に注目し続けていたのです。
大人でも、心が疲れている時に、次々と指示をされたら、動く気力がなくなってしまいますよね。
子どもなら、なおさらです。
当時の私は、
「学校に行かなくても、生活リズムを整えなきゃ」
「今ちゃんとさせておかなければ、学校に戻れなくなる」
と私なりに必死で、息子の心のエネルギーを回復することに目を向ける余裕がなかったのです。

4.自分で動けない子どもが、行動できるようになった状態別3ステップ
そんな困りごとを抱えていた時に、発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会いました。
この出会いで、私は息子への関わり方を大きく見直すことにしたのです。
発コミュで教わったのは、「今、子どもがどの状態にいるのかを見極める」という視点です。
・癇癪で話を聞けない状態なのか
・少し落ち着いて会話ができる状態なのか
・行動し始めている途中なのか
状態によって、かける言葉も関わり方も変わります。
このことを知ってから、私は子どもの様子をよく観察して関わりを変えることを意識するようになりました。
ここからは、息子が自分から行動できるようになったステップを、発コミュのテクニックとともにお伝えします。
①話を聞けない状態の時は『実況中継』
何を言っても「うるさい、黙れ!」と癇癪がひどかった時期は、指示や注意は一旦やめて、できていないことには反応せず、できている行動だけを実況中継で肯定を続けました。
できないことには目を向けず、できている行動に目を向けます。
「トイレに行けたね」
「ゴミ捨てられたね」
正直、最初は「こんなことで本当に変われるの?」と思ったこともあります。
ですが、否定されない安心感が少しずつ息子を変えていきました。
②顔を見て会話ができる状態になったら『上手な提案』
少しずつ会話ができるようになってきたら、行動できるように選択肢を出すようにしました。
「着替えは〇くんが用意する?それともママが用意する?」
「今日一人でお風呂入る?それともママと一緒に入る?」
「今日は何時くらいに寝ようか?」
と、子どもが選択しやすいように提案しました。
「やりなさい」ではなく「どっちにする?」に変えるだけで、息子の表情が柔らいでいきました。
ポイントは、どちらを選んだとしても行動できる選択肢を提案することです。
③行動し始めたら『肯定のシャワー』
行動し始めたら、すぐに肯定しました。
「洋服脱げたね」
「歯磨き始められたね」
「お風呂に行けたね」
など、やり終わってからだけでなく、“やり始め”を大きく肯定することがポイントです。
行動途中はジェスチャーをよく使って肯定もしました。
おすすめはグッジョブサインです。
どの時も、
・Smile(笑顔で)
・Slow(ゆっくりと間をとって)
・Sweet(優しい声で)
を意識して接するようにしました。

5.ママの関わり方が変わると、子どもは自分から動き出す
最初は、「本当にこれで変わるの?」と疑問に持ちながらやっていました。
何を言っても癇癪をおこしていた息子が、自分から行動できるようになるなんて、正直想像できませんでした。
でも、指示を減らし、心のエネルギーをためる関わりを続けていくと、少しずつ私の顔を見て話を聞いてくれることが増えていきました。
会話ができるようになってくると、少しずつ、「お風呂入ってくるね」「もう寝る時間だから、おやすみ」と、自分から行動できるようになってきました。
今では、時計を見ながら「もうこんな時間だねー」と言って、自分で行動してくれるようになりました。
ですが、すべて完璧にできるようになったわけではありません。
子どもですので、波はあります。
でも、私自身を責めて泣いて苦しくなることは、確実に減りました。
今、私と同じように、子どもが動けない姿に悩み、苦しんでいるママに、『心のエネルギーがたまってくれば、子どもは必ず自分から行動できるようになる』ことが伝われば嬉しいです。
焦らず、子どももママも、少しずつ笑顔で過ごせる時間が増えていきますように。

執筆者:えはら みさ
発達科学コミュニケーション アンバサダー




