「ダメ」と言われると癇癪を起こす4歳児に悩んでいませんか。まずは子どもの気持ちに向き合い選ばせることで、自分で選び納得する力が育ち、癇癪が減っていきます。
1.「ダメ」と言われるとすぐ癇癪を起こす4歳息子への対応に悩んでいた私
- 子どもの癇癪が起きるとどうしていいかわからない
- 子どもの気持ちがわからず、解決できないまま時間だけが過ぎる
- 殴る、蹴るなどの行動に心がつらくなる
- 「将来ほかの人にも同じことをしたらどうしよう」と不安になる
そんなふうに感じたことはありませんか。
実は、これはすべて過去の私です。
私には5歳の自閉スペクトラム症(ASD)グレーゾーンの息子がいます。
これは、息子が4歳の頃のお話です。
「ダメ」と言われるたびに癇癪を起こしていた息子が、少しずつ自分で選び、納得して動けるようになった関わりについてお伝えします。

「この癇癪、どう対応すればいいの?」と迷ったときに。
泣く・怒る・暴れる…
実は、癇癪には理由があります。
関わり方を少し変えることで、
落ち着いて過ごせる時間が増え、
ママの気持ちもラクになっていきます。
2.子どもの話を聞いてあげられない罪悪感と、生活を回さなければならないという焦りとの狭間で揺れる
ある朝の出来事です。
息子が「ジャムパンを半分食べたい」と言うので、その通りに用意しました。
ところが、いざ食べるタイミングになると「違う、1枚まるまる食べたい」と言い出したのです。
そろそろ食べ始めなければ、電車に間に合うよう子どもたちを保育所に送っていけない。
時計を見ながら、私は
「さっき半分って言っていたよね。チーズトーストも食べたし、そんなにいっぱい食べるとお腹痛くなっちゃうから、今日は半分にしよう」
と伝えました。
すると息子は「1枚がいいの!」と強く怒り出しました。
息子を抱っこする私の代わりに朝食を用意していた夫が、息子に「半分しかないよ」と声をかけた瞬間、息子の感情は一気にあふれ出しました。
「わー!」と叫びながら、抱っこしていた私の頬を叩き、髪の毛を引っ張りました。
そのまま力が抜けたように私の腕の中から床へと滑り落ち、大泣き。
さらに私を蹴りながら、床にひっくり返って手足をバタバタさせ、苦しそうな声をあげ続けました。
その姿を見るのは、本当につらいものでした。
私は必死に対応していましたが、その場で癇癪に向き合えるのは私しかおらず、ひとりで抱え込むことがほとんどでした。
体も大きくなってきた息子の癇癪に向き合うたびに負担は増え、「なんで私だけ」と感じることもあり、その状況がさらにしんどさを大きくしていました。
どう関わればいいのか分からないまま、ただ時間だけが過ぎていく。
そのうちに息子も落ち着き、黙ってパンを食べ始めますが、すぐに家を出なければならない時間になり、嫌がる息子の着替えを手伝い、「行くよ!」と声をかけてバタバタと家を出ていく。
結局、息子はさえない表情のまま。
子どもの話を十分聞いてあげられない罪悪感はあるけど、癇癪にずっと付き合っていては生活が回らないと思い、見て見ぬふりをする。
そんな毎日を過ごしていました。

3.「癇癪を起こす前のコミュニケーション」を見直した
朝の忙しい時間帯。
その時私の頭の中には、
「いかに機嫌よく子どもたちを保育所に連れていくか」
「電車に間に合うデッドラインまでに、家の中の何と何を終わらせるか」
といったたくさんの考えがぐるぐる回っていました。
その中で、息子の「こうしたい」という気持ちに向き合う余裕が私にはありませんでした。
結果、一言目が「今日はできないよ、諦めて」という言葉になり、息子の中には
「否定された」
「わかってもらえなかった」
という強い感覚があったのだと思います。
その瞬間、脳が不安や怒りでいっぱいになり、癇癪という形であふれてしまっていたのです。
このように一度感情があふれてしまうと、どんな言葉も届かない状態になってしまいます。
だからこそ、癇癪が起きてから対応するのではなく、その前の関わり方を整えることが大切なのです。
発達科学コミュニケーションでこの点を学んで、私の関わり方は大きく変わりました。
日頃のコミュニケーションを整え、癇癪を「予防する」ことを意識するようになりました。

4.私が実践した3ステップ
そうして私が取り組んだのは、次の3ステップです。
このステップは、癇癪を抑えるためだけでなく、子どもが「自分で選び、納得して動く力」を育てる関わりでもあります。
① いったん自分の気持ちを保留にする
朝の時間のママは、「時間がない」と焦る気持ちが自然と出やすくなります。
そんな自分の気持ちをいったん保留にし、まずは子どもが
「何が嫌なのか」
「何を求めているのか」
を考えることに集中することにしました。
これは、自分の気持ちをなくしてしまうということではありません。
子どもに対してママの不安をぶつけるのではなく、まずは子どもの安心できる土台を整えようということです。
気持ちが変わったのかな。
「いま」は1枚食べたいということなのかな。
いきなり「ダメだよ」と言われて、ショックだったろうな。
このように子どもの気持ちを想像することで、単にママの不安を子どもにぶつける関わりから、子どもの安心を作ろうとする動きに変わっていきます。
② 子どもの気持ちに共感する
次に、想像した子どもの気持ちを言葉にします。
「うん、今は1枚まるまる食べたいんだね」
すると、子どもは「聞いてもらえた」「わかってもらえた」という安心感を持てるようになります。
③ 落ち着いて状況を説明し、選択させる
そして、①で保留にしていた自分の気持ちやいまの状況を、落ち着いて説明します。
そのうえで、選択肢を出し、子どもに選択させます。
「1枚食べたいよね。ママ、今日は時計の長い針が〇になるまでに家を出たいんだ」
「長い針が△になるまでに食べきれる?それとも半分にしておく?」
子どもに選ぶ権利を与えることで、強制ではなく、自分の気持ちを尊重してもらえたと感じやすくなります。
自分の気持ちを言葉で伝えられたことも、しっかり受け取っていくことで、さらに伝える力も育っていきます。

5.子どもの「自分で選び納得する力」を育てること
こうした関わりを続けていく中で、息子が癇癪を起こすことなく、自分で選んで納得できることが少しずつ増えてきました。
息子が自分の気持ちを我慢して不満げな表情から、自分で決めて納得して、スッキリした表情になってきたことも嬉しい変化です。
私自身、子どもの気持ちに向き合えていない罪悪感から解放されてきています。
急いでその場を乗り切ろうとしても、あとから癇癪になって、結局もっと時間がかかってしまうことが多くありました。
それなら、最初に立ち止まって気持ちに向き合う方が、結果的にかかる時間はほとんど変わらないと感じるようになりました。
このようにママの関わり方の順番を変えるだけで、「ダメ」と言われて癇癪を起こす子どもが自分で選び、納得できる力が育ってきます。
まずは明日、子どもが「こうしたい」と言ったときに、すぐに「ダメ」と言う前に、「この子はどうしたいんだろう?」と一度立ち止まって聞いてみてください。
その小さな積み重ねが、子どもが自分で選び、納得して動ける力につながっていきます。

毎日の癇癪に、どう対応すればいいのか迷っているママへ。
癇癪には理由があり、
関わり方を少し変えることで、
落ち着いて過ごせる時間は増えていきます。
執筆者:とうま わかな
発達科学コミュニケーション アンバサダー




