「ママをがっかりさせたくなかった」運動会を休んだ息子が教えてくれた大切なこと

ハグする親子
運動会の練習が始まった頃から、体に不調が現れ始め、教室に入れなくなった息子。それでも私はなんとか参加させることばかり考えていました。「ママをがっかりさせたくなかった」息子の言葉で気づいた、参加させるかどうかよりも大切なことをお伝えします。
 
 

1.普段と違う行事が苦手な子ども

 
 
校外学習や運動会などの普段と違う行事の前になると、不安を口にする。
 
 
そんな子どもにどう関わっていけばいいのか悩んでいるママはいませんか。
 
 
子どもは行事を楽しみにするもの。
 
 
そんなイメージから「どうしてうちの子だけ…」と不安になることがあるかもしれません。
 
 
しかし、普段と違う行事に強い不安を感じる子どもの背景には、目には見えない理由が隠れていることがあります。
 
 
この記事では、行事に無理に参加させようとしてしまい、息子を追いつめてしまった私の体験と、「参加するかどうか」を判断する前に、見なければいけなかった子どもの状態についてお伝えします。
 
 
悩む女性
 
 

2.行事の前になると不安になる息子

 
 
私の息子も、行事が苦手な子でした。
 
 
遠足や動物園への校外学習など、子どもたちが楽しみにするであろう行事でさえ苦手でした。
 
 
行事が近づくと、何度も不安を口にしていました。
 
 
当時の私は、
 
「1度休んだら逃げ癖がつくのではないか」
「せっかくの大切な経験なんだから」
 
こんなふうに考え、息子を無理に行事に参加させていました。
 
 
ところが、4年生の運動会の1ヵ月くらい前から、息子に明らかな変化が現れました。
 
 
  • 学校に行く前になるとお腹が痛くなる
  • 学校でも具合が悪くなり、保健室に行くことが増える
  • ついには教室に入れなくなる
 
 
最初は「またいつもの行事嫌いかな」と軽く考えていました。
 
 
しかし教室に入れなくなった頃から、私はだんだんと焦り始めました。
 
 
「運動会が嫌なの?」
「参加できる競技だけでも出てみない?」
 
参加することを前提に、息子に問いかける日が続きました。
 
 
「運動会に参加しない」という選択肢が、当時の私には考えられなかったからです。
 
 
しかし、息子の様子は日に日に悪くなっていきました。
 
 
ご飯を食べることも眠ることも、だんだん難しくなってしまったのです。
 
 
座って泣いている男の子
 
 

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3.発達の特性による行事への不安

 
 
その後、Nicotto講座で学ぶ中で、自閉スペクトラム症(ASD)の特性をもつ子の中には、
 
  • 先を見通せないことに強い不安を感じる
  • 普段と違う雰囲気が不安
  • 周りの子の盛り上がりについていけず苦しくなる
  • 空気を読みすぎてしまい、協力する競技が負担になる
 
このような特性をもつ子がいることを知りました。
 
 
今振り返ると息子は行事のたびに、このような不安と一人で戦っていたのだと気づかされました。
 
 
それなのに当時の私は、その理由に目を向けることなく、何とかがんばらせようとしていました。
 
 
本当は「行事に参加するかどうか」を判断する前に、息子の不安の正体に目を向けることが必要だったのです。
 
 
ポイントの積み木と人差し指で指してる手
 
 

4.運動会を休むという決断

 
 
当時の私は、まだ発達科学コミュニケーション(発コミュ)で発達について学ぶ前でした。
 
 
先生に息子の不安を伝えたり、何とか部分的に運動会に参加できないかを考えていました。
 
 
しかし、どんなに事前に予定を詳しく説明しても、先生に不安を共有しても、息子の不安は軽くなりませんでした。
 
 
それどころか、状態はどんどん悪くなっていきました。
 
 
そこで私は、やっと息子にこう伝えました。
 
 
「運動会、休んでもいいよ」
 
 
すると息子は泣きながら「ママをがっかりさせたくなかった」と言って、ほっとした表情を浮かべました。
 
 
この言葉を聞いたとき、私は大きなショックを受けました。
 
 
息子は自分のためではなく、私のためにがんばっていたのだと気づいたのです。
 
 
私は息子のためと思いながら、息子を追いつめてしまっていたのかもしれない。
 
 
そう思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
 
 
今振り返ると、行事に参加させることよりも、子どもの心を守ることの方が大切だったとわかります。
 
 
でも当時の私は、その決断をするまでに時間がかかってしまいました。
 
 
親子の手の中にあるハートのSOS
 
 

5.自分の気持ちを言う経験ができた息子

 
 
無理に運動会に参加させなかったことで「息子の心をこれ以上傷つけずにすんだ」と、今は思っています。
 
 
そして、息子は「自分の本当の気持ちを親に伝える」という経験ができました。
 
 
「親をがっかりさせたくない」
 
 
その気持ちよりも、自分の気持ちを大事にできたことは、息子にとっては大きな一歩でした。
 
 
運動会には参加できませんでしたが、私たち親子の関係は、以前よりずっと良くなりました。
 
 
行事は、子どもにとって貴重な経験になることもあります。
 
 
けれど、心をすり減らしてまで参加するものではありません。
 
 
まずは、子どもが何に不安を感じているのかに目を向けてみてください。
 
 
配慮することで、不安が軽くなるのか。
 
 
それとも今は休む方がいいのか。
 
 
子どもの気持ちを否定せずに受け止めながら、その子にとって一番いい選択を考えていってほしいと思います。
 
 
行事に参加しなかったからといって、子どもの成長が止まるわけではありません。
 
 
子どもの心を守ることを第一に、判断してほしいと思います。
 
 
母親と子どもが抱き合って笑顔の様子
 
 

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執筆者: 三谷 のぞみ
発達科学コミュニケーション アンバサダー
 
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