不安が強い子が「俺はバカ」「もう無理」と自分を責める姿に悩んでいませんか?自己否定が強い子は、失敗を「自分には価値がない」と受け止めやすい特徴があります。この記事では、その理由と親の関わり方、そして息子が少しずつ自信を取り戻した実体験を紹介します。
1.「俺はバカ」「もう無理」と自分を責める子に悩んでいませんか?
- 漢字を一文字間違えただけで泣き出す。
- ゲームで負けると「もうやらない!」と言う。
- 少し注意されただけで「俺はバカだから…」と落ち込む。
- できないことには最初から挑戦しようとしない。
- 負けるくらいなら、やらないほうがいいと言う。
そんなわが子を見て、
「もっと気楽に考えればいいのに。」
「どうしてそんなに自分を責めるの?」
「一回失敗したくらいで諦めないで。」
そう思ったことはありませんか?
親から見ると小さな失敗に思える出来事でも、不安が強い子にとっては、とても大きな出来事として捉えています。
失敗そのものがつらいのではありません。
「失敗した自分はダメなんだ。」
「みんなよりできない自分には価値がない。」
そんなふうに、自分自身を否定する気持ちにつながってしまうのです。
だからこそ、「俺はバカ」「もう無理」という言葉は、ただの口ぐせではありません。
心の中で助けを求めているSOSなのかもしれないのです。

2.息子も「どうせ俺なんて…」と何度も自分を責めていました
実は、私の息子も自己否定が強い時期がありました。
漢字を一文字間違えただけで涙を流す。
ゲームで負ければ「もうやらない。」
学校で少し注意されただけでも、
「俺はバカだから。」
「どうせできない。」
そんな言葉を何度も口にしていました。
当時の私は、
「そんなことないよ。」
「次はできるよ。」
「気にしなくて大丈夫。」
と励まし続けていました。
しかし、どんなに励ましても息子の表情は変わず、むしろ、さらに落ち込んでしまうこともありました。
「どうして伝わらないんだろう。」
そう悩んでいたある日、私は発達科学コミュニケーションを学ぶ中で気付きました。
息子は励ましてほしいのではなく、自分の気持ちを分かってほしかったのです。
「悔しかった。」
「本当はできるようになりたかった。」
「失敗するのが怖かった。」
そんな気持ちを誰にも分かってもらえず、一人で抱えていたのでした。
自己否定の言葉は、自分を責めるため言っているのではありません。
苦しい気持ちをどう表現していいか分からず、出てきた言葉だったのです。

3.不安が強い子が失敗を「自分には価値がない」と感じる理由
不安が強い子は、脳の危険を察知する働きが活発になりやすく、「失敗=危険」と感じやすい傾向があります。
そのため、一度の失敗でも強いストレス反応が起こり、「もうやりたくない」「どうせできない」と自分を守ろうとする反応につながります。
私たちは失敗をすると、「今回はうまくいかなかった。」と出来事として受け止めることができます。
しかし、不安が強く自己否定しやすい子は違います。
「失敗した。」ではなく、「失敗した自分はダメなんだ。」と、自分自身を評価してしまうのです。
例えば、
- テストで一問間違えた。
- ゲームで負けた。
- 先生に注意された。
- 友達より遅かった。
こうした出来事が、「自分には価値がない。」という結論につながってしまいます。
これは、不安が強い子ほど、先の見通しが立たないことや予想外の出来事に敏感だからです。
「失敗したらどうしよう。」
「笑われたらどうしよう。」
「間違えたら恥ずかしい。」
そんな不安を抱えながら毎日過ごしています。
だから、一度失敗すると、「やっぱりダメだった。」「もう二度とやりたくない。」となりやすいのです。
すると、
- 新しいことに挑戦しない
- できそうなことしか選ばない
- 少し難しいだけで諦める
という行動につながります。
これは決してやる気がないからではありません。
失敗への恐怖が大きすぎて、自分を守ろうとしている反応なのです。

4.「大丈夫」は届かない?自己否定が強い子への関わり方
子どもが落ち込んでいる姿を見ると、
「そんなことないよ。」
「気にしなくて大丈夫。」
「次はきっとうまくいくよ。」
と励ましたくなりますよね。
もちろん、その言葉が支えになる子もいます。
しかし、自己否定が強い子には、その励ましが届かないことがあります。
子どもの心の中では、「失敗した。」という出来事よりも、「失敗した自分には価値がない。」という気持ちのほうが大きくなっているからです。
その状態で「大丈夫」と言われても、
「ママはそう言うけど、本当は違う。」
「できなかった自分はやっぱりダメなんだ。」
と受け取ってしまうことがあります。
これは、ママの言葉が足りないからではありません。
それほど子どもの不安が大きくなっているということです。
だからこそ、まず大切にしたいのは、励ますことよりも気持ちを受け止めることです。
子どもが安心して気持ちを整理できる土台をつくる関わりです。
例えば、
「悔しかったね。」
「うまくやりたかったんだね。」
「頑張ったからこそ悲しかったんだね。」
と、失敗の奥にある気持ちを言葉にしてあげましょう。
子どもは、「分かってもらえた。」と感じることで安心します。
脳は強い不安や緊張を感じているときには、冷静に考えたり、次の行動を選んだりすることが難しくなります。
しかし、安心すると少しずつ心が落ち着き、「じゃあ次はどうしようかな。」と考える力が戻ってきます。
そのタイミングで初めて、
「次はどうしたらできそうかな?」
「ママも一緒に考えてみようか。」
と声を掛けることで、子ども自身が前を向きやすくなるのです。
また、普段から「結果」だけではなく「過程」を認めることも大切です。
例えば、
「最後まで頑張っていたね。」
「難しかったけど考え続けていたね。」
「昨日より一文字多く書けたね。」
「勇気を出して挑戦したね。」
このような声掛けを積み重ねることで、子どもは「できた・できなかった」だけではなく、「挑戦した自分」にも価値があることを少しずつ感じられるようになります。

5.失敗しても挑戦できる子へ。息子が変わったきっかけ
私自身も、最初からこのような関わりができていたわけではありません。
以前は、「前向きになってほしい」という思いから励ますことばかりしていました。
しかし、息子の自己否定は変わりませんでした。
そこで私は、「結果を変える」のではなく、「安心を増やす」ことを意識するようにしました。
すると少しずつ、息子に変化が見られるようになりました。
以前なら、「俺はバカ。」「もう無理。」で終わっていた場面でも、
「もう一回やってみる。」
「次はこうしてみようかな。」
という言葉が少しずつ増えていったのです。
もちろん、今でも失敗して落ち込む日はあります。
ですが、以前のように自分を強く責め続けることは少なくなりました。
失敗しても、
「困ったらママが一緒に考えてくれる。」
「失敗しても自分の価値は変わらない。」
そんな安心感が、息子の中で少しずつ育ってきたように感じています。
安心できる場所がある子は、失敗してもまた立ち上がることができます。
焦って自信をつけようとしなくても大丈夫です。
今日の小さな受け止めが、明日の「やってみよう」という一歩につながっていきますよ。

\“どう関わればいいか迷う”ママへ/
「待つ?手伝う?」と悩みやすい場面での関わり方を
不安が強い子が「自分でやる」を少しずつ増やしていく
視点と具体的な声かけにまとめました。
執筆者:たるみ あや
発達科学コミュニケーション アンバサダー




