「褒める」と「叱る」の黄金比はある?不安が強い子どもにベストな褒め方・叱り方とは?

褒められて嬉しい子
最近は「褒めて」育てよう!という考えが主流になってきたけれど、本当にたくさん「褒める」ことが子どもにとっていいの?そもそも自分の子育てが甘いから、子どもの不安が強いのでは?そんなお悩みのある親御さんにぴったりな、不安が強いお子さんにベストな褒め方・叱り方をご紹介します。
 
 

1.『褒める』と『叱る』の黄金比

 
 
いつもお子さんを褒めているのに、お子さんから
 
 
「お母さん、いつも怒ってる」
 
 
「全然、褒めてくれないじゃん」
 
 
なんて言われてしまうこと、ありませんか?
 
 
お母さんが一生懸命に褒めているつもりでも、『褒め』と『叱る』の割合が、8対2になってはじめて、お子さんに褒めが伝わるという話もあります。
 
 
とくに不安の強いお子さんは自分に自信がありません。
 
 
そのため、9対1もしくは10対0の割合で褒めることでようやく「自分はできるんだ!」
 
 
と『褒め』が伝わるくらいのイメージかもしれません。
 
 
お子さんの脳は、褒める・認める・うなずくなど、肯定の注目がされることで育っていきます。肯定の注目が多くなると、自信がつき、自主的に行動できるようになることから、自立する子どもが育ちます。
 
 
反対に、注意する・叱る・怒鳴る・ため息をつくなど、否定の注目をすることは脳の成長を妨げることになります。
 
 
否定の注目が多くなると、自信がなくなり、怠惰になったり、指示待ちになることから、自立しない子どもが育ってしまいます。
 
 
そのため、とくに不安が強いお子さんの場合には、『褒め』の割合は多ければ多いほど良い、とも言えるのです。
 
 
色鉛筆の電球
 
 

2.さかのぼって叱っていませんか?不安が強い子どもにNGな叱り方とは?

 
 
不安が強いお子さんを叱るとき、どんなことに気をつけていますか?
 
 
不安が強いお子さんの場合、絶対にNGな叱り方は『感情的に怒ること』です。
 
 
もっともこれは不安が強いお子さんだけでなく、すべてのお子さんにNGな叱り方です。
 
 
ですが、不安が強い子どもは「なぜ怒られているか」よりも、恐怖心が強く出てしまいます。
 
 
そのため、怒られた内容ではなく「怖かった」「不安だった」という感情だけが残ってしまうのです。
 
 
また、過去に遡って叱るのもNGです。
 
 
「あのときもそうだったじゃない!」「あなたはどうしてそうなの」と、過去から現在に至るまで、すべてを否定するような叱り方はやめましょう。
 
 
過去に遡って追い詰めるような叱り方をしてしまうと、叱る対象の行為そのものではなく、お子さん自身が人格を否定されていると感じ、
 
 
「自分はダメな子なんだ・・・」と自己肯定感を下げることになってしまいます。
 
 
不安が強いお子さんを叱るときのポイントは
 
 
「現在起こった好ましくない出来事について」
 
 
「優しい口調で」
 
 
「理由をきちんと説明して」
 
 
叱ることです。
 
 
ポイント!
 
 

3.登校しぶり中の息子に自信がついた褒め方、繰り返しの『褒め』作戦

 
 
過去に遡って叱るのはNG、とお伝えしましたが、すでに出来ていることを褒めることはお子さんにとって効果的です。
 
 
子育てをしていると、どうしても『出来ていないこと』を出来るようにしなければ、という意識になりがちですよね。
 
 
そのため、お子さんが『できた』こと、特に小さな『できた』の場合は、スルーしてしまいがちです。
 
 
ですが、とくに不安が強いお子さんは、様々なことに敏感なため、小さな変化でに気づいたり、覚えていることがよくあります。
 
 
そのため、その小さな変化にお母さんが気づき、褒めてあげることで
 
 
「お母さんも自分もことをみていてくれているんだ!」
 
 
と自信がつき、成長につながっていくのです。
 
 
わが家の息子は小2の春に登校しぶりがはじまり、登校から下校まで私が学校へ付き添う母子登校を続けています。
 
 
息子は不安が強く、新しいことへの挑戦が苦手。
 
 
そのため、学校生活において成功体験を積みづらい状況です。
 
 
ですが、母子登校をしていることを活かし、
 
 
朝:「昨日より校門まで3分早く来れたね」
 
 
放課後:「朝は3分早く登校できたね」
 
 
夜:「今日は3分早く登校できたよね〜」
 
 
小さな成長を、繰り返し褒めるようにしています。
 
 
そうすることで息子自身、
 
 
「俺、昨日より3分成長したんだ!」
 
 
『成功体験』につながり、自信がついていくことで
 
 
「明日はもう1分早く行けるかも」
 
 
と次への1歩を踏み出すやる気も湧いてくるのです。
 
 
OK!
 
 
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4.出来たこと、途中までやったことを褒める

 
 
実は変化がない場合や後退してしまった場合も、すでに出来ていることを繰り返し褒めることで、お子さんの自信につなげることができます。
 
 
たとえば、
 
 
「今日は校門まで来れたね。昨日は廊下まで行けたもんね。頑張ってるよね。」
 
 
「今日、学校をお休みすることを自分で決められたね。昨日は朝から登校できたもんね。」
 
 
など、すでに出来たことを伝えるだけです。
 
 
そうすることで、
 
 
「そっか、昨日は廊下まで行けたんだよね。・・・今日も行ってみようかな」
 
 
「今日は休むけど、明日はまた学校行く」
 
 
など、自分で自分の『できた』を振り返り、次のステップに進む発言や行動が自然と増えていきました。
 
 
不安の強いお子さんには『繰り返しの褒め』が効果的。
 
 
ぜひ試してみてくださいね。
 
 
褒められて嬉しい子
 
 
執筆者:
発達科学コミュニケーション トレーナー
永瀬 未歩
 
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