大人だけでなく、子どももなりうる、過剰適応とは?

先生や周りの人たちから「しっかりしてるね」「頼りになります」と聞くのに、家ではまったく様子の違うお子さんはいませんか?もしかすると、過剰適応という状態に近づいているかもしれません。この記事では、わが子に起きた過剰適応の経緯と解消方法をお伝えします。

不登校のはじまり

 

私の娘は、小学1年生の2月の朝、玄関で「行きたくない!!!」と泣き叫びました。
今までになく激しく泣き、拒否する娘に、ただごとではないと思った私は、学校を休ませました。

 

その時は「冬が苦手だし、寝つきも悪いし、よっぽど疲れが溜まってしまったんだな・・・」と思って、ただ好きなように過ごさせましたが、その日から登校は週1~2回になりました。

 

 

幼稚園や学校での優等生は、過剰適応に注意!

 

幼稚園に入園してから行きしぶりがありましたが、2ヶ月でおさまりました。

 

心配していた新年度も、行きしぶりが再発することもなく、卒園まで楽しんで登園することができ
先生からも「いつもてきぱき動いてくれたり、すごくしっかりしています」と聞くほどでした。

 

その頃、新型コロナウイルス流行により、入学式後の休校をはさんだものの、苦手なことは給食の時間くらいで、友達もでき、小学校生活を楽しんでいました。

 

懇談で先生から聞くのは「よく気がついて、お友達を助けてくれます。私も頼りにしています」と、変わらず優等生の評価

 

なのに、家ではダラダラ、自分のことすら自分でしない。
「学校でできるんだから、家でもできるでしょ」と注意すると、不機嫌な顔をして黙っているだけ

 

そんな日々を繰り返した小学1年生の2月、行きしぶりから不登校になりました。

 

不登校になって気付いた過剰適応

 

娘は繊細な気質により、周りの状況をよく理解し、求められる行動ができます。
また、こだわりの強さから、完璧主義になり、頑張りすぎていました。

 

このように、子どもが自分自身の感情や意思を抑え込み、周囲の期待や環境に強く合わせようとしたり、他人が求める「良い子」になろうとする状態を、過剰適応と言います。

 

その状態が続くと、子どもは本来の自分を見失い、ストレスや不安を抱えることになります。

 

私は状況を判断して行動ができる部分を長所と感じて褒めると同時に、「外でできるのに、どうして家でできないの?」と責めてしまっていました。

 

不登校になるまで、頑張りすぎていることに気付けなかったことに、大きなショックと後悔を感じ、頑張りすぎないよう寄り添って過ごしましたが、大きく変わらないまま2年が過ぎました。

 

発達科学コミュニケーションと出会って伸びた素直さ

 

発達科学コミュニケーションでは、まず素直さを伸ばします。
過剰適応だと、自分の気持ちが言えない、つまり、素直さが出せていない状態です。
素直さを出すためには、自分が認められていると実感する必要があります。

 

そこで「できていることをたくさん伝え、できていないことの指摘を減らす」ことを続けた結果、娘の素直さが伸び、「○○がしたい」「それはイヤ」など、少しずつ自分の気持ちを聞かせてくれるようになりました。

 

 

過剰適応の解消、習い事でも自分の気持ちを言えた!

 

受講して1ヶ月が経つ頃、娘の習い事で発表会がありました。

 

リハーサルで最後までうまくいかなかった部分があったようで、先生からのアドバイスを思い出し、同じポジションの子に「こうしたらやりやすいから、してほしい」と、自分から伝えることができたそうです。

 

そして、練習では補助なしで一度も成功しなかった部分が、本番では子どもたちだけで見事成功させることができました!

 

それからも、家で自分の気持ちをどんどん出せるようになり、外でもジェスチャーだけでなく言葉で伝えることも増えています。

 

言葉の力が伸びれば、過剰適応も解消できますよ!

執筆者:泉かおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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