発達障害グレーゾーンのお子さんは今まで食べられていたものでも急に嫌がることがあります。それは感覚過敏のせいかもしれません。そんなときは怒っても逆効果!どう対応したら良いかをお話します。
1.急に特定の食材に拒否を示すようになった我が家の子どもたち
発達障害グレーゾーンのお子さんが今まで問題なく食べていたものを急に嫌がるようになって戸惑っているお母さんはいませんか?
小さいころから普通に食べていたよね?とか、なんなら好きなものの一つだったのに…⁈なんてこともあるかと思います。
我が家には注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンと自閉スペクトラム症(ASD)グレーゾーンの子どもたちがいます。
二人とも赤ちゃんのころから食いしん坊!どこへ行っても良く食べるねーと感心されるくらいでした。
好き嫌いもあまりなく、ありがたいことに食物アレルギーもなかったのでなんでも食べさせていました。
それが最近二人とも、「これやだ…」というものが出てきました。
どれも今まで普通に食べられていたものばかりです。
始めはお腹いっぱいで食べたくないからそんなこと言い出したのかな?と思いました。
私は昭和の躾で育っているので、食べ物を残すなんて言語道断!と感じてしまいます。
「好き嫌いしないでちゃんと食べなさい!」と言ってなんとか食べさせようとしました。
そのうちどうしても食が進まず食べ終わるまでにすごく時間がかかったり、その食べ物を見た瞬間に食卓から逃げたりするようになってしまいました。
このように、発達障害グレーゾーンの子どもが急に食べられていたものに苦手を感じるようになるのには、実は過敏という原因があるかもしれません。
2.発達障害グレーゾーンの子どもの感覚過敏
実は発達障害グレーゾーンの子どもたちの中には脳の発達が未熟なことによって、感覚が過敏だったり逆に鈍麻だったりするお子さんがいます。
(過敏…通常の人より激しく感じ取ってしまう状態
鈍麻…通常の人より受け取りが鈍く感じる状態)
(過敏…通常の人より激しく感じ取ってしまう状態
鈍麻…通常の人より受け取りが鈍く感じる状態)
過敏があるお子さんは、触れる刺激を嫌がったり音をうるさがったりする特徴が見られますが、味や食感を嫌がることもあります。
感覚過敏・鈍麻は成長により脳が発達すると自然とおさまっていくことが多いのですが、我が子たちのように成長の途中で急に現れることもあります。
これも脳の発達の過程なのですが、今まで食べられていたものの食感や匂いが気になってしまい拒否感が出ます。
逆に成長したからこそ感じ取るようになった、とも言えるのですが、毎日の食事メニューを考えたり、支度をするお母さんとしては困ってしまいますよね。
では、そんなときはどう対応したら良いのでしょうか?
3.無理矢理食べさせるとネガティブな記憶になりやすい!
感覚の問題で苦手を感じているときは、偏食とかその食材を好き嫌いしている訳ではありません。
わかりやすく言うなら「口に入れると気持ち悪いから入れられない」のだという感覚をわかってあげてください。
我が家の子どもたちは、とくに食感に苦手が出てきました。
キノコの火を通したあとのヌルっとした感じや、コーンフレークのジャリジャリ感など、こちらとしては分かりにくい感覚もあります。
その場合叱ったりして無理矢理食べさせようとしても、余計に嫌な気持ちが湧いてネガティブな記憶になってしまうだけです。
発達障害グレーゾーンのお子さんはネガティブな記憶は強く残ってしまうという傾向があります。
今ここで対応を間違えると、もしかしたら成長途中でまた食べられるようになるかもしれないものまでネガティブな記憶のせいで拒否し続けてしまうかもしれません。
親としては、子どもを想ってこその「できれば色々なものを食べて欲しい」という気持ちなのですが、苦手が強く出ているときは、思い切って一旦食べさせるのをやめた方が良いでしょう。
4.急に苦手になったものは基本はスルーが正解
このような理由から、もし発達障害グレーゾーンのお子さんんが急に食べ物に苦手を示した場合は、まずはスルーしましょう。
特に無理矢理食べさせたりはせず、しばらく様子を見てみるのが良いと思います。発達が進んで行くとまた食べられるようになるものも多いです。
それでも、栄養バランスが気になる!とか、他の家族は好きなのに…なんて場合もありますよね!
そんなときに我が家でやっている対策としてオススメなのは、ありがちかもしれませんが、一度全部作って本人の分だけその食材は入れないように盛り付けます!
匂いや味に過敏があったり過敏具合が強い場合は難しいこともありますが、そうでなければ気付くことは少ないので、一旦一緒に作ることで多少はその素材の栄養素が入ると思います。
あとはほんの一口分だけ盛っておいて、「これだけは食べようか!もし食べられたらすごいなー」と本人をやる気にさせます。
食べられたら、「すごーい!食べられたねー!」と褒めます。
もし駄目そうなら、「食べようと頑張って偉かったね!」と言っておしまいにするということを繰り返していると自分から「今日は少し食べてみる!」ということも出てきました。
ただ、どの場合でも無理をさせる必要はないと思います。成長と共に変わって行くことが多いからです。
お母さんは「そういう理由だから今は仕方ないか」とおおらかな気持ちで見守ってあげてくださいね!
執筆者:しまざきあいか
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
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