距離感が近い発達障害の子の友達トラブルを減らすパーソナルスペースの教え方

発達障害の子どもは相手との距離感を理解できない場合があり、近づきすぎてしまう事で友達トラブルが起こりがちです。「離れて」と何度注意しても同じことを繰り返す時にはパーソナルスペースを教えてあげることが効果的です。ぜひ参考にしてみてくださいね。
 
 

1.発達障害あるある?!人との距離が近いことで起こるお友達トラブル

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもにとって、お友達トラブルは日常茶飯事ですね。
 
 
・うまく遊んでほしいのに、結局喧嘩になってしまう。
・暴言を吐いて、相手の子を泣かせてしまう。
・最終的に手が出てしまう。
 
 
こんなお悩みを抱えている方がとてもたくさんいらっしゃいます。
 
 
我が家も例外ではありません。先週の日曜日、息子たちをつれて仲の良いお友達同士で公園に遊びに行きました。その帰り道でのエピソードです。
 
 
長男が突然、お友達の肩を抱いて歩き始めたのです!
 
 
 
 
長男は小学校4年生。注意欠陥多動性障害(ADHD)のグレーゾーンです。実はこういう彼の行動がお友達トラブルを引き起こすことが非常に多いのです。
 
 
どういうことかというと、人との距離が近いのです
 
 
それが気にならないタイプの子ども同士となら、お互い異様に近い距離感で(笑)仲良くやっています。
 
 
しかし、長男の場合、近づかれるのが苦手なタイプの相手にも距離感を考えずにガンガン近寄るので、結果「気持ち悪いっ!」言われてしまったりするわけです
 
 
ちなみにうちの次男は、近づかれるのが苦手なタイプなので、毎日朝から、兄がベタベタ近づいてくることに「ヤメてーーー!」 と絶叫しております。
 
 
お子さんは人との距離感を保てていますか?「うちも近づくタイプで困ってます!」という方、「どうして?」と思いますよね?
 
 

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2.広い?それともせまい?「パーソナルスペース」ってご存じですか?

 
 
 パーソナルスペースという言葉をご存じでしょうか?私たちは自分以外の誰かと接する際に、いろいろな「距離」を取っています。
 
 
そのときに自分のまわりにできるこの距離の範囲を「パーソナルスペース」と呼びます。
 
 
自分のまわりに、木の年輪のように何重もの「輪」があるのを想像できますか?
 
 
1つ目の輪の中には自分しか入っていません。その次の輪には、旦那さんや子ども、自分の両親、そのまた次の輪には親戚の人、ママ友…
 
 
そしてこの輪の中に誰を入れるのか、その輪の幅は広いのか、せまいのか?それは自分と相手との関係性によります。
 
 
相手との距離を広く取るのか、せまく取るのかは自分の意志で決めているのです。
 
 
私たちにも経験がないでしょうか?
 
 
初対面なのに妙に近づいてくる人に「なれなれしい」と思ったり、反対に自分では親しいと思っている人に距離を取られてしまい「よそよそしい」と思ったり。
 
 
発達障害のあるなしに関わらず、人には誰にでもそれぞれ心地よい距離感というものがあるのですね。
 
 
この距離感をつかむのに手がかりとなるのが「視線」「声の大きさ」「接触」「表情」などの非言語のコミュニケーション。
 
 
しかし発達障害・グレーゾーンの子どもは、脳の発達にアンバランスさがあるために、
 
 
・相手の表情や気持ちが読み取りにくい
・自分の気持ちを言葉で伝えるのが難しい
・ダメと分かっていてもやめられない
 
 
などの困り感を抱えていることが多く、この距離感をうまくつかんでパーソナルスペースを理解することが難しいのです。
 
 
そのため、コミュニケーションの機会を逃したり、誤解されたり、対人トラブルにつながったりしてしまうのです。
 
 
 
 
うちの長男は昔からこの「パーソナルスペース」の件で、何度トラブルがあったかわかりません。
 
 
本人は「大好きだよ」「仲良くしたい」「一緒にあそぼうよ」という、親愛の気持ちをこめて抱きついているつもりかもしれません。
 
 
誰でもかまわず抱きついたり、相手が「やめて!」と言っているのに繰り返しやるので「しつこい」「わざとやってる」と誤解されたりします
 
 
繰り返し言いますが、本人は相手を困らせてやろうとかいう気持ちは一切ありません。
 
 
人の気持ちが想像しにくいところがあるので「ダメでしょ」といわれても、同じことを何度でも繰り返してしまいます。
 
 
とは言っても、子どもには人間関係での傷つき体験はできるだけして欲しくないですよね。
 
 
そして将来豊かな人間関係を築くためにも、人との適切な距離感を教えてあげたいものです。
 
 
では、どうしたら良いのでしょうか?  
 
 

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3.発達障害の子どもへの距離感、パーソナルスペースの教え方

 
 
ここでは小学校低学年の子どもを対象にお話ししていきますね。
 
 

①子どもの気持ちをことばに出して伝える

 
 
まずはご家庭でお子さんがお母さんにくっついてきた時は「くっつきたいんだね」「遊びたいんだね」と、お子さんの思いを言葉にしてあげることから始めて下さい。
 
 
まだまだお母さんとスキンシップを取りたい年齢ですから「もう〇年生だからダメ!」と突き放すのではなく、一旦は受け入れてあげましょう。
 
 
急にスキンシップを禁止したりすると、混乱したり、ストレスが増してしまいます。
 
 
でも、ぎゅっと抱きしめるだけがスキンシップではないんですよ。例えば、
 
 
・モノを手渡しする
・ハイタッチする
・握手する
・一緒にソファーにすわってTVをみる
・お風呂上りにクリームを塗ってあげる
 
 
これらも立派なスキンシップです!
 
 
このように、人に抱き着く以外にも、「嬉しい」「楽しい」という気持ちを共有できる方法があることを伝えてあげましょう。
 
 

②パーソナルスペースに関して具体的に伝える

 
 
子どもに距離の取り方を教えてあげる時には「離れて」「近づかない」「広い」「せまい」ではうまく伝わりません。
 
 
具体的な距離感を言葉にして伝えることがポイントになります。
 
 
一般的に親密さをあらわすパーソナルスペースは約50センチです。 例えば、
 
 
・「前ならえ」をしたときに相手にぶつからない広さだよ
・机1個分はあけようね
・(実際にメジャーを見せて)50センチってこれくらいだよ
・半径50センチくらいのフラフープの中に入ってみる
 
 
などです。
 
 
でもこれだけじゃ子どもに伝わらない…とお悩みのお母さんに、遊びの時間を使ってできるちょっとしたゲームをご紹介します。
 
 
まず、お母さんから子どもに「お話しするときにちょうどいい距離をとってください」と伝えます。
 
 
子どもには「ここまできたら近すぎ」「このぐらいがちょうどいい」ということを自由に伝え合ってもらいます。
 
 
きょうだいやお友達同士でやるのもおもしろいですよ!
 
 
このように伝えあうことで、人それぞれ心地いいと感じる距離が違うことをより深く理解できるようになります。
 
 
そして一番重要なこと、それは子どもがよい距離感を保てているときには褒めてあげることです。
 
 
 
 
いかがでしたか? 小学生になってくると、今まで「かわいい」と許されていた抱き着きなどの行動も、不自然になってきます。
 
 
そうなると私たち親も「しつけなければ!」とあせってしまいがちです。
 
 
しかし、できないところを指摘すればするほど、本人は「否定された!」と思いますます悪循環になってしまいます。
 
 
「急に抱きついたらびっくりするよね」など、社会のルールを折に触れ教えつつ、やはり根本的には脳の発達が大切になります。
 
 
なので、お母さんの質の良いコミュニケーションがカギになりますよ。  
 
 
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執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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