小学生になった子どもが友達とトラブルばかり起こしてくる・・・その原因が怒りっぽいからというときは注意が必要です。なぜなら、なにかあったときは怒りで解決すれば良い、と脳が誤学習してしまうから。そうなる前にお母さんの会話術で怒りっぽさを卒業させましょう!
1.なかなか剥がれない「トラブルメーカー」のレッテルを貼られていた息子
わが家の長男は発達障害・注意欠如・多動症(ADHD)タイプのグレーゾーンです。
彼は、小学校2年生のときに周りの大人たちから間違った対応を受けたことで、とても荒れて怒りっぽい状態になってしまいました。
気に入らないことがあるとイライラし、暴言を吐いたり、友達に手が出たり、癇癪を起こしたりするので、お友達とのトラブルが絶えませんでした。
先生から注意や指摘ばかりという対応を受けていた息子は、「トラブルメーカー」というレッテルを貼られ、「クラスの中でよく先生に怒られている子」という存在になってしまったのです。
クラスの中で揉め事が起きたときに息子がそばにいると、「〇〇くんのせいだ!」とクラスメイトが言い出すことがたびたびありました。
なぜなら「あの子すぐ怒るんだよね」「トラブルのあるところにいつもあの子がいるんだよ」という認識がお友達の中に根付いてしまっていたからです。
その認識は根強く残ることになり、怒りっぽさが解消してトラブルがほとんどなくなってからもレッテルだけは残ってしまいました。
そして、小学校5年生になったとき担任の先生から「今年はお友達の中から息子さんのトラブルメーカーというレッテルを剥がす年にしたいと思っています」とお話をされました。
2年生のときに付いたレッテルのせいで、5年生になってもなにかあると息子のせいにされてしまう環境になっていること、先生はそれをなくしたいのだと伝えてくださいました。
こんな風に、一度付いてしまったレッテルはなかなか剥がれません。
そんな経験をした私だからこそ、子どもが怒りっぽいと感じたときは早めに対応してほしいと思っています。
2.発達障害・ADHDグレーの子どもの怒りっぽさを放っておいてはいけない理由
発達障害・ADHDグレーの子どもは周りから怒りっぽいトラブルメーカーと感じられることが多いです。
では、怒りっぽいとはどういうことでしょうか?
わかりやすく言うと、なにかあったときすぐに
・イライラしている
・大きな声を出す
・手が出てしまう
・強い拒否を示す
などの反応が見られる状態のことです。
・イライラしている
・大きな声を出す
・手が出てしまう
・強い拒否を示す
などの反応が見られる状態のことです。
このようなことがいくつか思い当たるお子さんは、怒りっぽいと言って良いかもしれません。
怒りっぽさは脳のクセになりやすいので、子どもが怒りっぽいなと感じたら放っておくのではなく、早めの対応が必要です。
なぜなら 、不安なことやつらいこと、 悲しいこと、悔しいことが起きたときに「怒ってなんとかしよう」とする脳の中のネットワークが太く強くなってしまうからなんです。
発達障害・ADHDグレーの子どもは脳の特性から、不器用だったり、集団行動で望ましい行動を取れなかったりします。
幼稚園などのうちは「まだ小さいから」と見逃してもらえたことも、小学生になるとそうはいきません。普段から「できていないこと」に注目され、怒られる確率が高くなります。
その結果、自分では頑張っているのにあれもこれもできてないと注意されてしまうので、認めてもらえないと感じて怒りっぽくなっていってしまいます。
だからこそ、怒りっぽさの原因はできるだけ早めに対応して、落ち着かせてあげたいですね。
実は、この怒りっぽさはママがちょっと会話の仕方を変えるだけで落ち着いていき、お友達トラブルを減らすことができます!
3.小学生に起こりやすいお友達トラブルを解消するお母さんの会話術
では、怒りっぽさがあってお友達とトラブルになってしまう子への会話のどこを変えたら良いのでしょうか?
それは、子どもの「できているところに注目する」声かけをすることです!
例えば、学校から帰ってきた子どもの連絡帳を開いてみると、まるでミミズみたいな字で何が書いてあるかわからない!
そんなときは
「連絡帳、書いてきたんだね」
「この『あ』っていう字、いいね!丁寧に書けてる!」
というように、できていることに注目して言葉にします。
「連絡帳、書いてきたんだね」
「この『あ』っていう字、いいね!丁寧に書けてる!」
というように、できていることに注目して言葉にします。
つい思わず
「なにこの汚い字は?」
「きちんと書いてきなさい!」
「全然読めないじゃない!」
なんて言ってしまいたくなりますが、この声かけはNGです!
「なにこの汚い字は?」
「きちんと書いてきなさい!」
「全然読めないじゃない!」
なんて言ってしまいたくなりますが、この声かけはNGです!
なぜなら、ノートの文字がすごく汚いからといって、怠けているとか努力していないとは限らないからです。
発達障害・ADHDグレーの子の場合、2章でもお話した通り特性での不器用さに悩んでいることがあります。
その場合、バランスよく字を書いたり、筆圧をコントロールすることが難しかったりして人一倍頑張っていることもあるのです。
そんな状況で、一生懸命書いた字をそんな風に言われたら…怒りたくなる気持ちもわかりますよね。
だからこそ、できていることに注目して伝えてあげてほしいと思います。
お母さんが自分に「肯定的な注目(褒め)」をしてくれているのが分かると、子どもは「わかってくれる」「見てくれている」と嬉しくなり、少しずつ良い行動が増えていきます。
また、この会話の方法を意識していると、子どもが怒られていると感じないので自然に穏やかになっていきます。
息子もこの「肯定」(=褒め)を実践したことで、自分でイライラをコントロールできるようになって、学校での友達トラブルも減って行きました。
4.コミュニケーション次第で怒りっぽい子の未来が変わる!
今でこそ、色々なお友達と楽しく学校生活を送れている息子ですが、もしあのまま私が対応を変えていなかったら…と思うとゾッとします。
恐らく、頑張っているのに認めてもらえないと感じる息子はもっと荒れていってトラブルばかりになっていたでしょうし、私もレッテルを貼ったままだったかもしれません。
怒りっぽい子や反抗的な態度の子で、そのベースに発達障害やADHDの特性のある子どもは、実は自立心が強かったり、自分の意見をしっかり持っていたりします。
また、独創性に優れていて、人が思いつかないことを考えついたりします。他の子にはない、キラッとしたところをたくさん持っているんです!
だからこそお母さんが声かけを変え、会話というコミュニケーションを変えると、その先には子どもが得意を活かし、のびのび育っていく未来が待っています。
子どもの怒りっぽさを解消し、トラブルをなくしていくためには脳の発達が欠かせません!
そしてその脳の発達を伸ばすために必要なのは、お母さんとの良質な会話です。ぜひ、試してみてくださいね。
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コツは1つだけ!発達障害で怒りっぽい子を穏やかにする関わり方とは?
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執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
ADHDタイプの子どもは、理解と正しい対応で今ある困りごとはなくなっていくことがほとんどです。お母さんがわが子の専門家になれるかで、先の未来がガラッと変わります!どんな対応が良いのか、もっと知りたいという方はメルマガでも情報をお届けしていますので、登録してお待ちくださいね!