洗濯物の片付けをなかなかやりたがらない息子。発達科学コミュニケーションに出会ったことにより「得意なことから苦手を伸ばす」ということを知りました。ママが対応を変えることで、片付けができない子どもが自ら洗濯物を畳み片付けられるようになった関わり方を紹介します。
1.忙しい家事育児…息子に家のお手伝いをしてもらいたい!
我が家には注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンの5歳の息子と、1歳の娘がいます。
下の子が幼いため、食事は大人と別のメニューを用意したり、食べこぼしを片付けたり、食器洗い中は抱っこをせがんで泣くのをあやしたり、一つ一つの家事に時間がかかるため、子どもとゆっくり過ごせる余裕があまりありません。
本当はもっと早く家事を終わらせて、子どもたちといっぱい遊びたい…。そのため、私が普段している家事を少しでも息子にやってもらいたいな、と考えるようになりました。
発達科学コミュニケーションでは、行動量を増やすことで脳が伸びる、という考え方があります。
息子が家事ができるようになると行動量が増え、行動量が増えることで、息子の脳を伸ばすことができるかもしれません。結果的に、私の家事の負担も減らすことができる!と考えました。
2.「面倒くさいからやりたくない」洗濯物の片付けができない息子
今回は、私の目の届く範囲でお願いできる、洗濯物を片付ける作業を息子に手伝ってもらうことにしました。
しかし、息子は面倒くさがりな性格。日頃から積極的にお手伝いをすることはあまりありません。
ADHDタイプは衝動性により、すぐに他のことに気が散ってしまうといった特性があります。
そのため料理や掃除も、私が声をかけて始めのうちは一緒に取り組みますが、すぐに飽きてしまったり、他にやりたいことが見つかって長く集中力が続かないことがほとんどです。
おもちゃや工作の片付けも、途中で遊び始めてしまったり、片付けの途中でテレビを見はじめ動けなくなったり…なかなか最後までやりきることができませんでした。
今回も「洗濯物片付けるのを手伝ってくれる?」と声をかけても、もともと片付けが苦手なこともあり「疲れてる」「やりたくない」という返答のみ。なかなか行動に繋がりません。
どうしたらやる気を持ってお手伝いに取り組んでもらえるのだろう、と考えました。
3.息子が好きなことは工作とごっこ遊び!遊び×お手伝いでやる気を引き出そう!
発達科学コミュニケーションに出会い、「得意なことから苦手を伸ばす」という考え方を知りました。
今まで私は、息子の苦手なことは何度も言い聞かせたり、できないことは何度もやらせる育児をしてきました。
例えば、今回のようになかなか片付けに取りかからないとき、「片付けなさい!」「片付けられないんだったらご飯食べれないよ!」など、できないことは何度も言って、無理矢理やらせることをしてきました。
けれど、それでは子どもの脳は伸びず、苦手は克服できないことがわかったのです。
そこでまず考えたのは、息子が好きな遊びは何だろう?ということです。
息子の好きなことと言えば、工作、動画、ロボットやぬいぐるみでごっこ遊びをすること。ADHD特有の創造性があるのか、いろいろ想像してお話を作ることも好きです。
この特性を活かして、積極的にお手伝いに取り組んでもらおうと考えました。
4.洗濯物畳みは僕のシゴト!自分で片付けられるようになったママの関わり
では、どのようにしたら洗濯物を片付けるお手伝いに積極的に取り組んでもらえるでしょうか?
そこで私が目をつけたのは、息子が好きなYouTubeで作っていた工作でした。
◆①おようふくたたみマシーン
息子の好きなYoutubeで「おようふくたたみマシーン」という物を工作している番組があり、これを活用することにしました。
一緒に作り、オリジナルの絵も描き足すことで、お気に入りのおようふくたたみマシーンが出来上がり、自分の洗濯物をどんどん畳んでいきました!
気に入った工作と、自分で作った!という達成感が行動に繋がったのだと思います。
また、おようふくたたみマシーンで畳むことが難しいものは、私が洋服を広げてあげるなどのフォローをして「できたね!」と成功体験を積みました。
けれど、畳まれた洗濯物は床に積み重なるばかり。「タンスにしまってきてもらえる?」とお願いしても「それは疲れるからやりたくない」とやる気がでない息子。
畳んだ洗濯物をタンスに片付ける、という次なる課題が出てきました。
◆②設定(ストーリー)を作り役割を与える
息子の創造性を活かして、どうにかタンスに運ぶ動線を作れないものかと、興味を持つ声かけで会話と質問をしてみました。
「このマシーン、こんなにたくさん洗濯物が畳めるの?最強のマシーンだね!」
「マシーンのおかげでこんなにたくさんできるから、お畳みしてくれる工場みたいだね!」
「商品をたくさん作ったから出荷しなきゃいけないね!どこに持ってくのかな?」
そんな息子と私のアイディアで、息子はお畳み工場のロボットという役割になりました。
そして「おようふくたたみマシーンで作った商品(洗濯物)をタンスに出荷する」という流れが出来上がり、洗濯物をタンスにしまうことができるようになりました。
◆③かごにいれる
タンスに服を片付けに行く途中で、せっかく畳んだ洋服が崩れるという事態が発生。そこで息子に、洗濯物を綺麗に運ぶためにかごを使用することを提案し、一緒に買いに行くことにしました。
かごを使用することで、「工場で生産(畳む)→梱包(かごにいれる)→出荷(タンスに入れる)」という本人の中で楽しいと思える動線が出来上がりました。
息子が楽しそうに洗濯物を畳みタンスに運ぶ姿をみて、「得意なことから伸ばす」ということの大切さを実感しています。
5.次は家族の分!目標はキレイに畳んでみんなの役に立った!という自信を付けること
朝ごはんを食べた後に「次は歯磨きにする?着替えにする?それともおようふくたたみマシーンにする?」と、いつもの朝の支度に選択肢を増やしたことにより、「おようふくたたみマシーン!」と答えることが増え、洗濯物を畳んでタンスにしまうことが毎朝のルーティンとなりました。
きっと本人にとって、歯磨きや着替えという選択肢よりもおようふくたたみマシーンを使うことの方が遊びの要素が強く、取り組みやすいのだと思います。
今は畳み方が汚かったり、タンスにいれるときに崩れてもOK。自分でやることを重視しています。
なぜなら、「自分でできた!」という小さな成功体験を積むことが、本人の自信に繋がるからです。
やっていくうちに少しずつきれいに畳めるようになったら、家族の分も一緒に畳んでもらえるようになってほしいと思っています!
発達科学コミュニケーションでは、子どもの「得意なことから伸ばそう」という考え方が鉄板になっています。
何か克服したい壁があったとき、我が家の息子のように得意なことと苦手なことを組み合わせることで、苦手を克服できるかもしれません。
執筆者:今井あかり
(発達科学コミュニケーション STELLA*Schoolアンバサダー)
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