責める叱り方はNG!約束が守れない発達障害の子どもの特性を活かした効果的な対応3選

ゲームが終わったら宿題する!と約束したのにやめる気配なし。そんな約束を守れない子に責める様な叱り方をしていませんか?発達障害の子が約束を守れないのは子どもの嘘ではなく特性からの行動と理解することで上手く対応することができるようになります。
 
 

1.約束を守れない子どもに「なんで嘘をつくの!」と責めた叱り方をしていませんか?

 
 
・今日はちゃんと宿題するから、先にゲームしてもいい?
・このテレビ見たら、やる!
・今日はおもちゃを買ってって言わないよ!
 
 
こんな風にお子さんが言ってくることはありませんか?
 
 
そんなお子さんの言葉に「今日は約束を守ってくれるかな」と期待しますよね?
 
 
ところが実際は
 
 
・ゲームを全然やめずに宿題ができなかった
・延々とテレビを見て、結局寝る時間
・これ買ってー!!と、駄々をこねた
 
 
なんて結果に…。
 
 
 
 
「いつも同じことを言っても守らないけど、今日こそは約束守ってくれるかも…。」と期待してお子さんの言葉を信じた分、破られたときには「やっぱり嘘だった!」と余計に腹が立ってイライラし、怒ってしまう…
 
 
そんな経験ありませんか?私は何万回もあります(笑)
 
 
この繰り返しの日々に、「なんで嘘つくの!」「どうしたら約束守れるの!」と責めたような叱り方をしてしまうこともあるかもしれません。
 
 
そしてこんな状況を「なんとかしたい!」と思っているお母さんってたくさんいるのではないかなと思います!
 
 
では、どうして発達障害の子どもたちは約束を守れないのでしょうか
 

 

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2.嘘つきではありません!約束を守れない子どもの発達障害による特性とは?

 
 
約束を守れない子どもは嘘つきで、始めから「約束なんて破ってやれ!」と思っているのでしょうか?
 
 
もちろん、そのようなことは思っていないはずです。
 
 
実は、約束を守れない子どもは発達障害の特性上、約束を守ることが苦手なのです。
 
 
これから、3つの特性を説明しますね。
 
 
 

 

◆自分の感情や行動が上手くコントロールできない

 
 
子どもは最初から破るつもりで嘘の約束をしているのではありません。
 
 

しかし、「今、自分がしていることが楽しい」と感じているときや目の前にやりたいことや欲しいものが現れたとき、理性よりも感情が先立ってしまいます。

 

自分の感情や行動が上手くコントロールできないのです。

 
 
特に、注意欠陥・多動性障害(ADHD)傾向のお子さんの代表的な特徴として、思い立ったらすぐに行動してしまうと言う「衝動性」があります。
 
 
つまり、「今、自分はこれをしたい」「これが欲しい」など目の前の欲求に正直に行動してしまうのです。
 
 
しかし、その正直な気持ちで起こる行動が、「嘘をついた」「約束を守れない」という結果になってしまっているのです。
 
 

◆不安から嘘になることも

 
 
お母さんが「当たり前」と感じていることも、発達障害のお子さんにとっては「当たり前ではない」ことがあります。
 
 

「できて当たり前」と思われたことが「できなくて失敗した」という経験になり、その経験が多くなると不安になって嘘で乗り切ろうとしてしまいます。

 
 
不安による自信のなさ、嘘になっているかも知れません。
 
 
このように、自分に自信がなくなると、脳の発達が進まなくなり、感情が上手くコントロールできずに理性の働きにくい状態のままになってしまうのです。
 
 

◆言葉のとらえ方が違う

 
 
発達障害のお子さんには、物の考え方や感じ方、表現のしかたが違うことがあります。
 
 
例えば、「今日はちゃんと宿題するから、先にゲームしてもいい?」と言ったのに、ゲームを全然やめずに宿題ができなかったということがあったとします。
 
 
お母さんは自分でゲームをやめて宿題をすると思い、先にゲームをすることを許します。
 
 
しかし、お子さんはゲームをやめて宿題をするという約束はしていないのです。
 
 
今日中に宿題をすればいいと思いゲームをやり続けているのかもしれませんし、夕飯を食べた後にするつもりだったのかもしれません
 
 
つまり、嘘をついたとは言えないのです。
 
 
ですからお母さんが思っていることとお子さんが思っていることが違っていたということなので、嘘をついたと決めつけなでくださいね。
 
 
上記のような特性で、約束を守れないということが繰り返されると「約束をする」→「破る」という行動のパターンが身についてしまいます。
 
 

ここで「どうして約束を守らないの!」と責めた叱り方をしたり、厳しく言い聞かせようとすることを繰り返すと、「また守れなかった」と自分に自信をなくしていってしまうことになるのです。

 
 
さらには、子どもが「できなかった」という負のセルフイメージを抱いてしまいます。
 
 
すると、発達障害の子どもたちが約束を嫌う原因にもなってしまいます。それは、約束が自分の行動や感情や考えを抑制するものだと思ってしまうからです。
 
 
このようなことにならないためにも、お母さんが適切な対応をしてあげることが大切です。
 
 
約束を守れないのは「子どものせいではなく発達障害からくる特性」であると理解することで、上手く対応することができます。
 
 
 
次の章で、その対応についてお伝えします。 
 

 

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3.発達障害の子どもが約束を守れるようになる効果的な対応3選

 
 
脳を発達させるには「できた」という自信をつけることが必要です。つまり、約束を守ったという成功体験を繰り返すことが大事なのです。
 
 
それには3つのポイントがあります。
 
 

①まずは小さな約束から

 
 
守れない約束はお子さんにとってハードルの高い約束なのです。いきなりハードルの高いものを求めても、超えることはできません
 
 
ですから、約束の内容を細かく分解し、スモールステップにしてあげましょう。
 
 
例えば「今日はおもちゃを買わない」という約束が守れないのなら、「お菓子1つなら買ってもよい」と少しだけ欲求を満たしてあげるものにしましょう。
 
 
その子が守れるレベルまでハードルを下げてあげることで「守れた」と自信をつけていくことが大切です。
 
 
また、小さなことから成功体験を積み重ね、できたことやできるようになったことをお母さんが褒めて、一緒に喜ぶことで不安も減り、自分への自信につながっていきます。
 
 

②「やめて」ではなく「やろう」の声がけ

 
 
お子さんが何かに夢中になっている時に、どのように声をかけていますか?
 
 
「ゲームをやめて、宿題しなさい!」というような、何かを「やめさせる」指示をしていませんか?それは、行動に移せない指示の出し方になっています。
 
 
約束したのだからきちんと守らせたいと思い、ついやめさせる指示を出したくなりますよね。
 
 
しかし、それではますます行動に移せなくなってしまうのです。
 
 
ですから、「時間になってもゲームをやめて宿題をしない」という状況であれば、「ゲームあと一回やったら、宿題やろう!」というふうに、「やろう」の声がけ指示の出し方を変えてみてくださいね!
 
 
前向きな言葉に変えてあげることで子供が受け入れやすくなります。
 
 
「守れないと怒られる」や「我慢ばかり」という約束に対する嫌なイメージを「やろう」という前向きなイメージにすることで、自分から約束を守ろうという気持ちになれます。
 
 

③「嘘をついた」と決めつけないでお互いの考えを確認する

 
 
お母さんが思っていることと、お子さんが思っていることが違っていると、お子さんが約束を破って嘘をついたとイライラしてしまいます。
 
 
しかし、嘘をついたと決めつけるのではなく、約束するときにお子さんとお母さんで、お互いにどう考えているのか確認するとよいでしょう。
 
 
以上の3つのポイントを押さえて、お子さんに対応してみてください。 そして、約束を守れたら、めいっぱい褒めてあげてくださいね!
 
 

 
 
まずは約束を守ることの成功体験を積みましょう!
 
 
小さな成功体験の積み重ねが「自分はできる」という自信を育み、気持ちも安定していきます。
 
 
そうなると、脳は発達しやすくなるので、だんだん理性も働くようになります。
 
 

約束を守るには、感情のコントロールや我慢をする力が必要です。

 

 

子どもにとって努力をしないとできないことでもありますので、頑張った気持ちも認めてあげてくださいね。

 
 
約束を守れない子どもにイライラする日々を手放し、発達障害の子どもが「約束守れたよ!」と言えるようにするのはお母さんのウデにかかっていますよ!
 
 
約束を守れない子どもにお悩みの方はぜひ、試してみてくださいね。 
 
 
 
 

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執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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