手先の不器用さを改善!じっとしているのが苦手なADHDキッズでもできる簡単手指トレーニング

落ち着きがないのになんだか身体の動きがぎこちない…と感じるお子さんは手先が不器用なことがあります。不器用さで自信を失くす前にやってほしい、じっとしていられない子でも場所を選ばずパッとできる手指のトレーニング方法を紹介します!
 
 

1.ダイナミックな動きが多いのに手先の不器用さが目立つ息子

 
 
注意欠如・多動症(ADHD)の息子が幼稚園のころは、ダイナミックによく動き回るのにどこか身体の動きにぎごちなさがありました。
 
 
持っているコップを落として飲み物をこぼしてしまったり、鉛筆やクレヨンで上手く線が引けなかったり、お菓子の袋を自力で開けられない、なんてこともあって手先が不器用なのかなと感じていました。
 
 
また、手を繋いだときに握り返してこないので力が入りにくいのかなとも思っていたので、どうにか手先の不器用さを改善しようと民間の療育教室に通うことにしました。
 
 
 
 
ところが手先を使うトレーニングをしたいのに、息子はイスに座った状態をキープして一つの事に取り組むことが苦手で、用意された課題にすぐに飽きて教室の中を走り回ってしまう有様…。
 
 
集中が切れる度に、先生がイスに座るように促して目の前の課題に集中できるように声をかけてくれていましたが、なかなか上手くいきませんでした。
 
 
一つの課題を終わらせるのに、相当な時間とエネルギーを費やしながら取り組んでいたので、息子にとってはストレスを感じることだったのかもしれません。
 
 
教室から帰った後はいつもよりもイライラして機嫌が悪くなり、癇癪を起こしたりと荒れやすくなっていきました。
 
 
だんだんと療育教室への行き渋りが始まり、「行きたくない!」と泣き叫ぶ息子を見て、無理矢理連れていくことが果たして本当にいいことなのだろうか?と疑問が湧いてきました。
 
 
そこで、今度は自宅で手先を器用にすることができないかと工作キットなどを購入して準備万端に整えましたが、やはり他のことに夢中になって進まなかったり、興味を示してくれなかったり…。
 
 
息子は、手先を使う作業や型にはめられた作業が苦手だからこそ興味が持てず、周りが無理にやらせようとする程、ますますやる気がなくなるという悪循環にハマってしまっていたのです。
 
 

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2.本人のせいじゃない!脳機能の偏りから生まれる不器用さ

 
 
どうにかしたいという思いから色々なことを学んだ結果、息子の手先が不器用な理由は脳機能の偏りが関係しているのかもしれないということがわかってきました。
 
 
視覚、触覚、自分の体の動きなどのたくさんの情報を一瞬でまとめてその場に合った行動につなげる能力、体の動きを微調整していくという能力、この2つの働きや、これらをつなげる脳の一連の機能に苦手があるのかもしれない、ということに気付きました。
 
 
 
 
人の運動は大きくわけると「粗大運動」「微細運動」の2種類あります。
 
 
「粗大運動」とは、歩く、座る、走る、ジャンプするなど感覚器官からの情報を元に姿勢を保ったり、移動などの大きな動きに関する運動です。
 
 
「微細運動」は、感覚器官や粗大運動からの情報をもとに、小さな筋肉の調整が必要となる細かな運動のことで、手や指先を使った細かい動作のことを指しています。
 
 
この2つをうまく働かせて、さらに見る、触る、聞く、姿勢、手足の動きなどの感覚をまとめてなめらかな運動を行うための脳機能のことを「協調運動」と言います。
 
 
息子がダイナミックに動くのにどこかぎごちなくてなめらかさが感じられなかったのは、この「協調運動」の苦手さからきていました。
 
 
これらの運動に困難さを持つ5〜11歳の子ども達は、全体の約6%いるとされていて、手先の不器用さだけではなく、身体の不器用さを持っているときは発達性協調運動障害(DCD)と診断されるケースもあります。
 
 
知的能力には問題がないことも多いので、DCDは気付かれないままになることも少なくありません。
 
 

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3.手先が不器用なことで起こる学校生活での困難な場面

 
 
小学校に入学すると、より手先を器用に動かす微細運動が必要になります。
 
 
微細運動がうまくできないと、鉛筆を上手く持てずに文字が歪んでしまう、ノートの枠線からはみ出てしまうといったことが起こります。
 
 
また、学年が上がるほど、定規・コンパス・絵具・習字・リコーダーなど扱う道具も増えていくので困難を感じる場面は増えていってしまいます。
 
 
そこでからかわれたり、なぜできないのかと叱られたり、他の子と比べてどうして上手くできないのだろう?と本人が感じることで自信を失う原因になっていることも多いのです。
 
 
 
 
そんな風に傷ついてしまう前に、手に力が入りにくいのかもとか、手先が不器用かもしれないなと感じたら、早い段階から意識的にサポートをしてあげたいですよね。
 
 
そこで、普段から落ち着きがなくてイスにじっと座っているのが苦手だったり、一つの事に集中しづらいADHDキッズにとっては、ストレスにならないような配慮が必要になってきます。
 
 

4. じっとしていることが苦手な子でも簡単に手指をトレーニングできる方法!

 
 
落ち着きがなく、手先が不器用だと感じる息子に私が取り入れたのは、子どもの手の指、10本全てを刺激する「ゆびきりげんまん」です。
 
 
子どもと遊んでいる、特に機嫌のよさそうな時に「ゆびきりげんまん」をするようにしました。
 
 
小指1本ではなく「ゆびきりげんまんウソついたら~ゆびきった!」のあとに、「おまけのおまけのおまけっけ♪」と付け足して、子どもの指一本一本に私の指を絡めていきました。
 
 
同じパターンだと飽きてしまうので、息子の好きな童謡やアニメソングを歌ったりして変化をつけました。慣れてきたら少し指の力を強めたり、強弱をつけます。
 
 
ほかにも、子どもの指をピアノの鍵盤に見立てて歌を歌いながら刺激する、という方法も試しました。
 
 
一緒に遊んでいる時、レジなどのちょっとした待ち時間、公園の椅子に座ってボーっとしている時、いつでもどこでも場所を問わず、道具も使わず、ママの手があればいつでも刺激できます。
 
 
また、息子の機嫌の良い時にできるので、周りから型にはめられたことをやらされるのに抵抗を示しがちな息子には合っているようでした。
 
 
繰り返すことで、握り返す手に力が入るようになったり、一本一本の指を動かせるようになってきました。
 
 
こうして息子は指先に力を入れたり動かせるようになったことで、手先を使う作業の苦手意識が徐々に薄れていきました。
 
 
 
 
手先を使うことに慣れてきてからは、意識的に手先を動かすように促すことで、中学生となった今では、家庭科で「5」の評価を得たり、美術でハッとするような作品を作れるようになるまでに成長しました。
 
 
周りからの評価が得られるようになったことで息子の自信にも繋がり、得意なことの1つとして色々なことに挑戦しています。
 
 
もし子どもの手先が不器用かもしれないと感じたら、まずはどこでもできるゆびきりげんまんなどで手や指を刺激する方法を取り入れてみてくださいね。
 
 
 
 

お子さんの近くにいるママが二次障害を理解すれば悪化を防げる

 
 
執筆者:樫木ひろみ
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
 
 
ADHDキッズの持つ苦手さは、脳の働きが関係していることがほとんどです。STELLA*Schoolのメソッドは脳科学の面から見た対応なので、なぜ?がわかるようになり、我が子に合った対応が見つかります。まずは無料のメール講座から始めてみませんか?
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