歯磨きグッズを色々試しても、ADHDの息子は嫌がるばかり…。仕上げ磨きを続ける日々に焦りを感じていましたが、視点を変えたことで状況が一変!試行錯誤の末にたどり着いた“あるアイテム”で、ついに自分で磨けるようになった方法をご紹介します。
1.これならいけると思ったのに…ことごとく合わなかった歯磨きグッズ
「歯磨きしよう!」と声をかけてもなかなか動かない…。無理にやらせるのも大変だし、かといって放っておくわけにもいきませんよね。
我が家の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)があり、小学生になっても何度声をかけても歯磨きを始められない子でした。
私が毎日仕上げ磨きをしていたので、歯磨きをやる時間になると「またか…。」とため息をつく日々。
少しでも楽しく自分で歯磨きできるようにと、好きな色やキャラクターの歯ブラシ、電動歯ブラシや音波歯ブラシ、かわいいタイマーを使って時間を見える化するなど、いろいろ試しましたがどれも効果はありませんでした。
『じゃあ、ごほうび作戦なら?』と思い、歯ブラシを持つだけでシールを貼る、1本磨いたらシール2枚などごほうびをあげるスモールステップで進めてみました。
さらに、なんでもめんどくさがる息子のために洗面所が近いことを活かして食事のテーブルに歯ブラシを置く作戦も試しました。
しかし、それでもなかなか自分でやろうとしないのです。
このままずっと仕上げ磨きをし続けることになると、これから先親と一緒に行かない旅行などで困るかも…と焦りも感じていました。

『楽しい歯磨きグッズ』はどれも試したのに効果がなかったので、いよいよ最後の手段として『とにかく簡単に磨けるものはないか』という視点で探すことに。
そこでじっくり息子の様子を観察していたらなぜここまで歯磨きを嫌がるのか、ほかの理由が見えてきました。
今まで私は、「やる気がない」「めんどくさがっている」と思い込んでいたのですが、どうも違う理由があるようだと気付いたのです。
たとえば、仕上げ磨きをしているとき、奥歯に歯ブラシが当たると「オエッ」となってしまったり、歯磨き粉の味によってはすぐに吐き出してしまったり…。
「もしかして、歯磨きそのものが苦痛なのでは?」と思い始めました。
2.ADHDキッズが歯磨きを嫌がる理由
それでは、歯磨きを嫌がるADHDキッズは、どうしてそんなに嫌がるのでしょうか?
実は、脳の特性が関係していて、それが歯磨きそのものを苦手にさせていることがあります。
具体的にどんな苦手があるのかご説明しますね。
① 手先の不器用さ
・力加減が難しく、ゴシゴシ磨けない
・歯ブラシが喉の奥まで入ってしまうことがある
・細かい動作の調整が苦手で、上手く磨けない
② 感覚過敏(触覚・口腔感覚)
・嘔吐反射が出やすいので、歯ブラシが喉の奥に当たるのが怖い
・口の中に異物が入る感覚が苦手で歯ブラシを噛んでしまう
・仕上げ磨きの時など顔を触られることを嫌がる
・ちょっと触れるだけで痛みを強く感じるのでストレスになる
③ 味覚過敏
・歯磨き粉の味がダメで吐き出してしまう
・メントールのピリピリ感が苦手で口の中に含んでいられない

こうした理由を考えると「磨かない」のではなく、「磨けない」のかもしれません。
「歯磨きを嫌がる」と見える行動の裏には、脳や感覚の特性による「できない理由」が隠れていることもあります。
どんな理由で歯磨きを嫌がっているのかを知ることが、子どもに合った対策を見つける助けになるのです。
3.U字型歯ブラシって本当にいいの?成功のカギは原因に合ったグッズ選びだった!
息子の歯ブラシ克服のカギは、本人に合った歯ブラシを見つけたことでした!
息子の歯磨きが嫌な理由を踏まえた上で、どんな歯ブラシがいいの⁈と悩みに悩んだ挙句、ようやくインターネットでU字型歯ブラシという今までにない歯ブラシを見つけたんです!
そのU字型の歯ブラシを試してみたら、びっくりするほどスムーズに歯磨きをすることができました。
その理由は、
・ 左右に動かすだけでOK!
・ シリコン素材でやわらかく、痛みを感じにくい
・ 喉の奥に当たる心配がなく、オエッとなるストレスがない
というように、今まで歯磨きができなかった理由が全て解決できる歯ブラシだったのです。
今では、寝る前に、自分で歯磨きを済ませるようになりました。
それまで、普通の歯ブラシでさえ上手く磨けなかったのに、U字型の歯ブラシで本当にしっかり磨けるのかな?と不安もありました。
そこで、U字型歯ブラシだけで磨いてから歯医者でチェックをしてもらうと、 奥歯の側面に多少汚れが残っているだけでした。

▲一番右がU字歯ブラシです。
歯磨き習慣をつけるために使い始めましたが、思ったよりしっかり磨けていて、これは嬉しい誤算でした!
悩んでいた頃は「楽しい歯磨きグッズを用意すれば、自分でやるようになる!」と思っていましたが、息子にとっての問題は不器用さと歯磨きの時の嫌な感覚だと気づきました。
この経験から「まずは子どもをよく観察することが大事」だと学ぶことができました。
「とにかく嫌がる…」と悩んでいるなら、まずは子どもをよく観察し、「なぜできないのか?」を探ってみてください。
理由がわかれば、グッズ選びを見直すことで思わぬ突破口が見つかるかもしれませんよ!ぜひ参考にしてみてくださいね。
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執筆者:長谷川アン
(発達科学コミュニケーション STELLA*School アンバサダー)
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