授業参観でわが子が授業に集中できない姿を見て、ため息が出た方はいませんか?ADHDタイプの不注意は授業だけでなく宿題にも影響していきます。集中力を伸ばすためには叱るよりもママの対応と家でのコミュニケーションが効果的ですよ!
1.どうして授業に集中できないの?参観日に一番目立っていた息子の話
毎年同じ時期になると、そういえばこんなことがあったなぁという記憶が蘇ることってありませんか?
私にとっては二学期が始まる頃がその時期で、注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンの息子が授業や宿題に集中できなくて悩んでいたことが思い出されます。
それは忘れもしない小学校2年生の授業参観で見た出来事がきっかけでした。
みんなが「背筋ピン、手はおひざ」の姿勢で授業を受けている中、息子はというと…
・机の上にだらっと寝そべっていて、ノートをとらない。
・消しゴムをずーっと触っている。
・そのうちゴソゴソ動き始めたかと思えば、今度は窓の方を見ている。
こんな授業に集中できない姿を目撃した私は恥ずかしいやら腹立たしいやらで、涙をこらえるのに精一杯でした。
もちろん帰ってきてからはお説教。しかし、その後も毎日言い聞かせても態度が改まることはありませんでした。
学校でそんな態度ですから、自宅での宿題もうまくいきませんでした。
帰宅してから宿題を促しても、無視してさっさとテレビゲームを始めます。
叱りつけてようやく取り組むものの、1問といたらおもちゃ箱のところに行き、オモチャをガサガサ…
「宿題やらなかったらおやつ抜きだよ!!」と脅したり、ゲーム禁止令を出してみても、全く効果なし。
それどころか今度は宿題を拒否し始め、日常的に反抗的な態度が目立つようになりました。
そんな私に転機をもたらしてくれたのが、発達科学コミュニケーションです。
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2.ADHDタイプの勉強にもかかわる「不注意」とは?
ADHDタイプの「不注意」の特性をご存知ですか?
特徴の一つとして、ひとつのことに集中できずやり遂げられないということがあります。
なぜ集中できないかというと、ひとつのことにフォーカスすることが苦手だからです。
そもそも「注意」できるということは簡単にいうと「多くの刺激の中から注目する力、フォーカスする力」があるということ。
日常を例にしてみますね。
私たちはカフェでお茶を飲みながら仕事の打ち合わせをしていても、打ち合わせだけにフォーカスすることができますよね。
それは周りの人の会話やスタッフの動き、食器の音、食品の香り、自分の飲んでいるお茶の味…
これらへのアンテナを低くすることができるからです。
しかし、先ほどの授業参観の場面を振り返って息子の視点になってみると
・この消しゴム、つるつるしてて気持ちいい!もっと触っていたいな
・壁にいろんなものが貼ってある、この前の遠足の写真だ!楽しかったな…
・あ!窓の外に大好きなトンボ!捕まえに行きたいな!
・隣のクラスから音読している声が聞こえる…校庭からホイッスルの音もする…
・あ、なんかいいにおい!今日の給食なんだろ…?
というようにADHDタイプで不注意傾向のある子どもには、見たもの聞いたもの感じたものが全部同じ強さで自分に訴えて来る感覚なのです。
これでは先生の声や授業の内容に「注意」を向けることができないので、もちろん集中もできませんよね。
家で宿題をする時も同様、集中することができないのであれば注意がそれてしまう環境なのかもしれません。
この「不注意」の特性は、生まれつきの脳の発達のアンバランスさからくるものなので、本人の努力で対応するには限界があり、周囲の人の正しい理解が必要です。
3.不注意タイプの子の集中力をママが家でグングン伸ばせる効果的な方法
ではまず、不注意の特性を持つ小学4年生のADHDグレーゾーンの息子に、宿題を取り組ませるためにやった私の方法をご紹介します!
最初は自宅の整理から始めました。
やはり「不注意」の特性があるので、いろいろなモノが気になって集中できないことがあります。
その為、勉強する場所の環境整備には気を配りました。といっても、そんなに大げさでなものではありません。
・宿題中はテレビを消す。
・外の景色が気になる窓際でやらない。
・オモチャやゲームなどはしまうか、見えないような場所に移動する。
こんな当たり前のことで、集中力もだいぶ違ってきます。
そして、宿題に取り掛かり始めたらすかさず褒める!!
「褒める」というと特別なことに聞こえますが、
「お、今から宿題するんだね」
「やり始めたんだね」
「もう一問とけたの!」
など、子どもの行動をそのまま口に出すだけで、やる気や行動力もグーンとアップします。
あとは宿題する場所や時間、方法を息子と決めました。
皆さんはどのように決めていますか?
我が家の場合は、話し合いを重ねて夕ご飯のあとという時間になりました。
息子から提案を受けたときは、かなりためらいましたが自分で決めた時間だからか、約束をきちんと守ることができています。
そして、息子はその日の気分によって宿題をする場所もリビングだったり、勉強部屋だったりと自分で変えています。
集中するために音楽をかけたり、気分を上げるためにお気に入りのグッズを装着して取り組むこともあります。
かなり個性的ではありますがそれが彼のスタイルなので尊重しています。
しかしお子さんのタイプによってはそれがまた気になる要素になってしまうこともあるので様子をみてくださいね。
そして学校生活で”授業に集中できない”という課題をクリアするためには、先生にあらかじめ一番前の席への席替えをお願いしたり、息子の席から見える掲示物を極力減らしてもらったりしています。
息子が集中できている時には、
「集中して聞けたね」
「言われた通りにできてるよ!」
「最後まで頑張ったね!」
など、できて当たり前のようなことでも言葉にしたり、褒めてもらえるよう先生に伝えておきました。
いかがでしたか?
このようにできるだけお子さんにあった環境を整えて集中力をつけてあげたいですね。
それには、親子のコミュニケーションを変えることが一番効果的ですので 褒める声かけにチェンジしてお子さんの可能性をグングン伸ばしてあげましょう!
執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)