極端に緊張しやすくて、人前での発表が苦手!大きくなったら変わるかな?と思っていたけど全然変わらない…そんなお子さんはADHDやLD特有の発表が苦手な理由があるかもしれません。お家で楽しく発表に慣れることができる練習方法を提案します。
1.授業中「発表したくない!」と机の下にもぐってしまった息子
息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)と学習障害(LD)を持っています。
小学校1年生のある日、授業参観でのことでした。
国語の時間に順番で一人ずつ「”あ”から始まる言葉をさがそう!」という流れになり、先生が息子の名前を呼びました。
ところがその瞬間、息子は「いやだ!発表したくない!」と叫びながら、すっと机の下にもぐってしまったのです。

顔は真っ赤、手は小さくふるえていて、明らかに強い不安と緊張に飲みこまれているようでした。
先生がそばに行き、優しく声を掛けてくれたのですが、全く出てこようとしません。
手を持って出てこれるように誘ってくれますが、机の脚によけいにしがみついています。
授業は中断し、息子を待つ時間だけが過ぎていきました。
保育園の時から人前で話す時にはモジモジすることが多く、緊張するタイプであることは分かっていましたが、小学校に行けば発表が苦手なこともみんな慣れていくから息子もそうなるだろうと軽く考えていたのです。
しかし、参観での息子の姿は、見ている私が苦しくなるほどでした。
「どうしてここまで苦手なんだろう?」「他の子みたいに普通に発表できる日は来るのかな?」 そんな不安を抱えながらも、私自身がまず“息子の感じている怖さ”をちゃんと知ることが、サポートの第一歩だと感じました。
2.なぜ発表が苦手なの?ADHD・LDの子が感じやすい“プレッシャー
息子のように発表の場面で極度に緊張したり、「発表したくない!」と強く拒否する子には、実は発達特性による理由が隠れていることがあります。
ADHDやLDにはさまざまなタイプがありますが、発表が苦手な子どもたちに共通して見られる特性は次のようなものです。
◆不安を感じやすい
先のことを考えすぎて、「うまく言えなかったらどうしよう」「みんなに笑われたらどうしよう」と不安がふくらみやすい傾向があります。とくに見通しが立たない状況が苦手です。
◆言葉を覚えておくのが苦手(ワーキングメモリの弱さ)
「何を話すか」を頭に入れておく力が弱いため、本番になると内容がごっそり抜けてしまい、「忘れちゃった…」という恐怖心につながります。

◆ 感覚が敏感で、人の視線や音に強く反応する
人前で話すときの「みんなが自分を見ている感じ」や「教室のざわざわ」が強く気になり、集中できないため、さらに緊張が高まります。
これらは「甘え」ではなく、脳の特性による反応です。
本人はとてもがんばっていて、そのがんばりが「怖い」「逃げたい」という形で現れているのです。
このことに親が気付けるだけで、「どうしてうちの子だけ…」という焦りや心配が少し楽になるかもしれません。
3.家でできる!楽しく発表に慣れる“おうち発表ごっこ”のすすめ
発表が苦手な子にいきなり「頑張って発表してごらん」と言ってもうまくいきません。
大事なのは、安心できる場所・信頼できる人との“成功体験”を積むことです。
その第一歩としておすすめなのが、「おうち発表ごっこ」です。
遊び感覚で、無理なく人前に慣れていくこの方法の具体的なやり方を3つご紹介します。
① ぬいぐるみや家族に向かって話す
「今日たのしかったこと」をぬいぐるみに話しかけるだけでも、”言葉で伝える”体験になります。
たとえば「今日の給食はカレーでした!」といったことでもOK!これならメニューを一緒に思いだすだけでできそうですね。
② 親が簡単な発表をして見せる
「ママから発表してみるね」
「今日はカレーを作りました!」
など簡単に真似できそうな発表を先に見せてみてください。
子どもは「それでいいんだ」とイメージがわきやすくなります。さらに失敗も笑って見せると、ハードルがぐっと下がります。

③ タイマーで10秒チャレンジ
少し慣れてきたら、「10秒だけ話してみよう!」と短時間に区切ると、プレッシャーが減ります。
うまく話せたら、笑顔で「すごいね!」と声をかけてあげてください。
こうした小さな経験の積み重ねが、「話すのってちょっと楽しいかも」「伝わるとうれしいな」という気持ちにつながっていきます。
そして何より大切なのは、子どものペースを大事にすること。
発表ができなくても、「チャレンジしようと思った気持ち」をしっかり認めてあげましょう。
次第に、「発表が怖い」は「発表もまあ大丈夫」になっていき、発表ができた!が積み重なっていくと「発表全然平気!」に変わっていきます。
親子で少しずつ、自信の芽を育てていけますように。
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執筆者:やまもとえつこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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