もう小学生なのに「トイレについてきて」というお子さんに困っていませんか。これはADHDの特性からくる自信のなさからきているかもしれません。子どもの自信を取り戻したら一人でトイレに行くようになったママの声かけ大作戦を紹介します。
1.もう小学生なのに!「トイレについてきて」にモヤモヤしていた私
我が家の小学生の注意欠陥多動性障害(ADHD)の息子は学校でも外でも一人でトイレに行けるのに、家では小さい頃からの習慣が続いていて「ついてきて」というので困っていました。
家に仏間があってコワイというわけでもないし、いつもいるリビングのすぐ近くにあるトイレに、昼間の明るい時間でも「ついてきて」という息子…。行動の理由が分からず不思議でした。
トイレに一人で行けない理由を聞いても黙ってしまうので、分かりません。
一人で行けるように、トイレの電気を明るくする、トイレのドアに好きなYouTubeのキャラクターをプリントして貼る、ドアを開けっぱなしにするなど色々やってみましたが変わりませんでした。
トイレについていくと、息子はトイレに座ってドアを開けたまま入り、ドアを開けたところで私が待っているという形です。
もう小学生なのにという気持ちがあったので、ついてきてと言われる度に渋々ついていくことがほとんどで、早く終わらないかなとイライラした気持ちになっていました。
当時は、そのことで子どもを怒ることも多く、昼間や夜に限らずただただ一人で行けるようになって欲しいと思っていたのです。
これが自信のなさとストレスから来ていて「自信のない子」になっていることに気付いたのは、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学んでからでした。
2.トイレについてきてほしいという仮面を被っていた!本当の正体は自信のなさ
なぜ息子は家の中だとトイレについてきてほしいのでしょうか。
それはADHDの特性に関係した自信のなさから来ていることがあります。
ADHDタイプの子の場合、脳の前頭前野という部分の発達が緩やかなことが多いので何かをやるために計画を立てることや、自分の行動や考え方、気持ちなどをコントロールする働きが苦手です。
日常生活においてこの特性を自分でコントロールできないため、困りごとが多くなり、みんなと一緒の行動ができなくて幼稚園や学校でよく怒られます。
また、他の子と比べられたり、指摘されたり、否定的な言葉をかけられることも自信を失う要因です。
子どもは自分の行動を否定されると、自信だけでなくやる気も失うため、「自分はダメな人間だ」と思ってしまい、自分から行動することができなくなります。
息子は、学校や外という特定の場所ではトイレに一人で行けるのに、一方で「ママ、ついてきて」と言うなど 「自分を受け入れてほしい」という気持ちが行動になって現れている状態だったのです。
3.ADHDタイプの子どもの自信回復にマストな「肯定」
日頃から怒られたり指摘されたりなど自分の行動を否定されることが多いADHDタイプの子の脳は、ストレスを感じていてネガティブな状態になっています。
この状態だと自信もないし、脳が育たないのでストレスを抜いてフラットにしてあげる必要があります。
そのためには子どもに合った対応をすることが大事です。
子どもに合った対応でなければ子どもの脳は育たず、自信もやる気も育たないからなんです。
つまり、脳を育てるためには肯定的な関わりが必要だということです。
肯定的な関わりをしていくと、子ども自身の行動を肯定することになるので、自分の行動に自信を持てるようになります。
そして、もっといろんなことができるようになりたいと思い、やってみようと行動するようになります。
また、困難に直面したときに自分で解決しようとする力をつけることができるので、自分で学ぼうとする意欲を持ち、必要な情報やスキルを自分で探して身につけることができるのです。
4.子どもが自信をつけるようになるママの声かけ大作戦
ではこのようなADHDタイプの子がストレスを抜いて自信をつけるようになるにはどうしたらいいでしょうか。
息子にやってみてとても効果的だった方法をご紹介します。
それは、家庭の中の普段の生活で指摘や否定をせず、肯定的な提案や認める声かけをすることです。
例えば、
◆指摘や否定をしない
食事中に立ち歩いても指摘をせずに戻ってきたら「戻ってこれたね」
なかなか着替えなくても「何秒で着替えできるかな」
◆普段の生活でも興味を持って話しかける
「ゲームやってるんだね」
「YouTube見ているんだね」
「ゲームは今レベルはいくつなの?」
◆感謝の気持ちや共感の気持ちを伝える
「カーテン閉めてくれてありがとう、ママ助かるよ」
「靴揃えて脱いでくれてありがとう、玄関が整理されて気持ちがいいね」
「このYouTube面白いね、ママも好きだな」
などです。
ポイントは、子どもをよく見て嫌がる反応をした時は、その声かけは合っていないということなので使わないことです。
これが「子どもに合った肯定を見つけてあげる」ということに繋がるのです。
この声かけにしてから息子は、「トイレ行ってくる」と言うようになり、一人で行けるようになりました。
このような普段の生活のできているところを伝える発コミュの声かけをママが行うことで、子どもは自分の行動に自信を持つことができます。
そして息子がトイレに行くたびに、私から「いってらっしゃい」「おかえり」と伝えることも子どもを肯定することになり自信に繋がったようです。
ママは、ADHDキッズは自信がないからトイレに行けなくなっている、という原因もあるかもしれないということを知っておいてください!
もう小学生なのに「トイレについてきて」というお子さんに悩んでいるという方は、肯定的な声かけをぜひやってみてくださいね。
執筆者:長谷川摂理
(発達科学コミュニケーションSTELLA*Schoolアンバサダー)
(発達科学コミュニケーションSTELLA*Schoolアンバサダー)
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