時間を守れない小学生に「早く!」と言い続けていませんか?
「早くして!」
「もう行く時間だよ!」
「時計を見て!」
「あと何分だと思ってるの?」
そんなふうに、時間を守らない小学生に「早く!」と何度も声をかけていませんか?
我が家の息子は、発達障害グレーゾーンの小学3年生です。以前の私は、息子が時間を守れないことに悩んでいました。
学校がある平日、息子は朝7時には起床し、時間そのものには余裕があるのですが、それでも朝ごはんを食べながらYouTubeを見ていると、時計を見ることはほとんどなく、自分のペースでゆっくり過ごしていました。
今日は準備が早く終わった、という日でも「まだ時間があるから」といい、YouTubeを見始めたり、工作を始めたりして、出発時間が迫っていても息子は全く時間を気にせず、集中していました。
そして出発時間が近づいて私が、「もう行かなきゃいけない時間だよ!」と声を荒げて初めて、「え!?もうそんな時間?」と慌てて準備を始め、焦った息子は、「もっと早く言ってよ!」「ママがそんな言い方するから!」と怒りながら家を出ていくこともありました。
特に朝は、私自身も仕事や家事があり、時間に追われています。だから…
「早くして!」
「もう時間ないよ!」
と、つい強い口調になってしまうこともあり、親子バトルが毎朝のようにありました。
そんな息子を見て、このまま時間を守れなかったら、高学年、中学生、そして社会に出た時、
・今、何をすれば間に合うのか?
・この後、どう行動すればいいのか?
そんな見通しを立てることが難しくなってしまうのではないか。私はそんな将来への不安を感じるようになりました。

私は最初、息子が時間を守れるようになるためには、時計を見て行動できるようにすることが大切だと思っていました。
だから「時計を見てね」「何時になったらやるの?」などと、何度も声をかけていました。しかし、いくら声をかけても息子が自分から時計を見て動くことはなかなかありませんでした。
そんな時、私は息子の様子を改めて観察してみると、あることに気がついたのです。
息子は時間を守れないのではなく、時間を使って、この後どうするかを考えることがまだできていなかったのではないか?ということです。
そこで私は、時間を守らせることばかりを考えるのをやめ、息子自身が時間を使って考えられるようになる関わり方に変えていきました。
すると少しずつ、「何時になったら何をする」と自分で予定を考えたり、時計を確認しながら行動する姿が見られるようになり、朝私が何も言わずとも息子自ら行動をして登校できるようにまでなったのです。
今回は、時間を守れない小学生の息子との関わりを通して、私が気づいたことと、実際に取り入れた方法をご紹介します。
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時間を守れない原因
では、なぜ時間を守ることが難しいのでしょうか?
・何度言っても時間を守れない
・時計を見てと言っているのに見ない
そんな姿を見ると、
・やる気がないのかな?
・だらだらしているだけ?怠けてる?
・私の育て方が間違ってた?
と思ってしまうことがありますよね。
しかし、発達障害グレーゾーンの子どもの中には、怠けているわけでも、しつけが足りないわけでもなく、時間を意識して行動することそのものに難しさを感じている子がいます。
例えば…
・時間の流れをつかみにくい
「あと5分」「あと10分」と言われても、その時間がどのくらいなのかを実感することが難しい場合があります。時計を見ることができても、「今は◯時だから、あと◯分しかない」と、時間の経過を行動につなげることが難しいのです。
・今していることから切り替えにくい
遊びやYouTube、工作など、今やっていることに夢中になると、「もうすぐ出発だから準備しよう」と、次の行動へ意識を切り替えることが難しい場合があります。
本人は時間を守ろうとしていないわけではなく、目の前のことに意識が向いたまま、次に何をするのかを考えることが難しくなっていることがあります。
・やることが増えると、何から始めればいいかわからなくなる
朝の準備なら、起きる、着替える、朝ご飯を食べる、歯を磨く、トイレに行く、ランドセルを持つなど、いくつもの行動がありますよね。これらを頭の中で整理して、「8時に家を出るなら、今はこれをしよう」と順番を考えることに難しさがある子もいます。
つまり、時計が読めることと時間を使って行動できることは同じではないのです。

実際、息子も時計を読むこと自体が全くできなかったわけではありませんでした。
それなのに、準備が終わると時計を確認せずにYouTubeを見たり、工作を始めてしまい、出発時間が近づいてから慌てていました。
私は以前、時計を見ればいいのに…、時間を守って動いてと思っていましたが、息子をよく観察してみると、足りなかったのは時計を読む力ではありませんでした。
今は何時なのか?を知って、そこからこのあとどうするのか?を考える力がまだ育っていなかったのです。
だから私は、「早くして!」「時計見て!」と言い続けるのではなく、息子自身が時間を使って考える経験を作っていくことが必要なのではないかと考えるようになりました。
そこから少しずつ息子との関わり方を変えたことで、「17時になったら宿題する」と自分で時間を決め、「18時になったらお風呂に入って、夕ご飯食べたら19時半から20時まではゲーム時間にする」と先の予定を息子自身で考えられるようになっていきました。
そして夏休みの初日の朝には、私から時間を急かす声かけは1つもしないまま、自分で8時に出発すると決め、そして逆算して朝の予定を立て、時計を確認しながら1人で準備して学童へ向かうことができたのです。
以前の私からしたら、考えられないような変化でした。
では、時間を守れるようにどんな関わり方をしたのか?を次にお話ししますね。
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自分で時間を考えて動き始めたサポート方法
小学生の息子が時間を守れるように、私が取り入れたのは次の4つです。
・子ども自身に「何時になったらやる?」と時間を決めてもらう
・最初は1つの行動から始める
・自分で決められたこと、行動できたことを肯定する
・うまくいかなかった時も、一緒に予定を立て直す
まずは、1つだけ予定を決めてもらうことから始めました。
以前の私は、「宿題の時間だよ!」「もうゲーム終わりの時間だよ!」と、私が息子の時間を決めていました。けれど、それでは息子自身がいつ、何をするのか?を考える機会がありません。
そこで、「何時になったら宿題をやる?」と聞いて、息子自身に決めてもらうことにしました。
すると息子は、「17時になったら宿題をやる!」と、自分で時間を決められたので私は、「自分で時間を決められたね!」とできたことを肯定しました。
ここで大切にしたのは、最初から時間を守れるようにすることではありません。まずは、自分で時間を決めるという経験を作ることです。
親が決めた時間ではなく、自分で決めた時間だからこそ、17時になったら宿題をやろうと、自分のこととして時間を意識するきっかけになります。
もちろん最初から時計を見て、自分で行動できたわけではありません。自分で17時になったら宿題をやると決めても、時間を見ていないこともありました。
そんな時は「17時になったよ〜」と、私が優しく声をかけて一緒に時計を確認しました。
そして次に取り組んだのが、「宿題は何分くらいで終わるかな?」と、実際にかかる時間を知ることです。
まずはタイマーなどを使いながら、「今日は何分で終わったね!」「前より早く終わったね!」と、実際にかかった時間を一緒に確認しました。
そうすると少しずつ、宿題にはこのくらい時間がかかるという感覚が育ってきました。
そこで今度は、「宿題は何時までに終わらせる?」と、終わりの時間も自分で考えてもらいました。
「宿題が終わったらYouTubeを見たい」となったら、「じゃあ、YouTubeを見るためには、何時までに宿題を終わらせたらいいかな?」と一緒に考えました。
こうして、ただ時計を読ませるのではなく、このくらいのことをするには、このくらい時間がかかる、という感覚を実際の経験の中で少しずつ育てていきました。
また、自分で決めた時間に始められた時には、「自分で決めた時間に始められたね!」「時計を見て動けたね!」と伝えました。
時間を守れたことだけを褒めるのではなく、自分で考えて、決めて、行動できたことを肯定することを大切にし、自分で決めたらできたという経験を積み重ねることで、少しずつ息子自身が時間を意識するようになっていったのです。
もちろん、毎回予定通りにできたわけではありません。
習い事などで疲れている日は、自分で「17時になったら宿題をやる!」と決めても、時間を見ていないこともありました。
そんな時に、「ほら、だから早くしてって言ったでしょ!」と責めてしまうと、また私が時間を管理することになってしまいます。
そこで、「今日はもう少しYouTube見たいんだね」「じゃあ、予定を少し変えようか」「何時になったら宿題にする?」と、一緒に予定を立て直すようにしました。
予定は、親に守らされるものではなく、自分で考えて調整できるものと考えて、うまくいかなかった時も、どうすれば次はできそうかを一緒に考えるようにしました。
すると、息子の時間の使い方に少しずつ変化が現れ始めたのです。
以前は、1つのことが終わるたびに私が、「次は何する?」と聞いてたのですが、いつの間にか、「宿題は18時までに終わらせて、そのあとお風呂に入るよ!お風呂が終わったら、ご飯できるまでYouTubeを見て、ご飯食べる!」と、自分から先の予定まで考えるようになりました。
そして驚いたのは、時計やタイマーを自分から使うようになったことです。
ある時には「Siri、あと5分測って」と、自分からタイマーを使い始めました。「今日は何分で宿題終わるかな?」と時間を測り、「今日は前より早く終わった!」と、自分の時間を振り返る姿も増えていきました。
時計はいつの間にか、親に急かされるものから、自分の予定を叶えるための道具へと変わっていたのです。

そして、その積み重ねが大きく表れたのが、夏休み初日の朝でした。
夏休み中の学童は8時から9時までの間に登校すればいいと伝えると、息子は、「じゃあ僕、8時に行く!」と自分で決めました。
するとそこから、「8時までに家を出ないといけないから、7時半までにご飯を食べる」「7時40分までに歯磨き」「7時50分までにトイレに行っておいて…」と、私が何も言わなくても、自分で逆算して予定を立て始めたのです。
そして、時計を何度も確認しながら自分で決めた予定通りに準備を進め、「8時になったから行ってくるね!」と、笑顔で一人で学童へ向かいました。
私はこの姿を見て、時間を守れるようになったということ以上に、自分で時間を使って考えていると感じました。
以前の私は、息子が時間を守れないと、「早く!」と急かしていました。けれど、私が時間を管理するのではなく、息子自身が時間を考える機会を作っていくことで、少しずつ自分で動けるようになったのです。
時間を守れない小学生に必要なのは、親が何度も「早く!」と言うことではなく、「何時になったら何をする?」と、自分で時間を決める経験を積み重ねること。
まずは今日1つだけでも、「何時になったらやる?」と、お子さんに聞いてみてください。
すぐに時間を守れるようにならなくても大丈夫です。自分で決めて、やってみる。
そんな小さな経験の積み重ねが、子どもが時間を使って、自分で考えて行動する力につながっていきます。
「早く!」と言う前にまずは一度、子どもに時間を決めてもらう。ぜひ、できそうなところから試してみてくださいね。
「宿題やりたくない!」
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「間違い直しイヤ!」
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執筆者:前田みづき
(Nicotto Projectアンバサダー)
「早く!」と言うより、自分で考えられる関わり方をお伝えしています。


