発達障害の子どもが食事中の立ち歩きをやめられる!ほめワザ大公開

発達障害のお子さんが食事中に立ち歩きをするとお悩みの方、多動・衝動性が原因と分かっていても辛いですよね。イライラガミガミ怒っていた私がしつけ的な対応をやめて、褒めに少し工夫を加えただけで、子どもが激変した我が家のエピソードをご紹介します。
 
 

発達障害の我が子、どうしてちゃんとご飯が食べられないの?

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもと一緒に過ごしていると、日常生活の中にさまざまな気になる行動がありますよね。
 
 
その中でも、食事どきの悩みって、悩み事の上位に入るほど、悩んでいる人が多いのです。
 
 
「食事中、全然座って食べてくれない」
「箸をうまく使えなくて、手で食べちゃう」
「食べるときに体がふにゃふにゃして、姿勢が悪い」
「食事のマナーがなってない」
 
 
発達凸凹があるお子さんは、集中が続かない、気がそれやすい、こだわりがある、不器用などの特性のため、食事どきにうまくふるまえないことがあります。
 
 
これは、お母さんのしつけが悪いからではないですし、お子さんも頑張っているけどうまくいかないことが多いんです。
 
 
でも、食事どきにうまくふるまえないと、家族以外の人たちとの会食外食などの楽しい機会も、お母さんにとっては拷問のような時間になってしまいますし、園や学校での給食も心配になってしまいますよね。
 
 
なんとかして、ご飯をちゃんと食べさせたいと、食事の時間にガミガミ叱ってばかりになっている方がほとんどだと思います。
 
 
でも実は、その対応では、子どもの食卓問題を解決することはできないんです。
 
 
 
 

怒ってもどんよりするだけ…。食卓での問題行動はしつけではよくなりません!

 
 
我が家には、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの7歳の息子がいます。 つい最近まで、相談者さんと同じような悩みを抱えていました。
 
 
ここで、ちょっと前までの我が家の食事風景を見てみましょう。
 
 
家族みんなで「いただきます」と始まった食事。数口食べては立ち上がり、テレビの前のソファに寝転がる子ども。
 
 
「ちゃんと座って食べなさい!」
 
 
と怒られる…そして仕方なくまた椅子に座り数口パクリ。そして今度は、リビングにあるおもちゃが気になってウロウロ…そしてまた怒られる。なんとか座って食べていると、
 
 
「箸の持ち方が悪い」
 
 
と言われる。箸でうまくつまめないご飯粒を手で取って食べたら、
 
 
「手で食べない!」
 
 
と怒られる。しまいには、本人もイライラしてしまい、食卓の雰囲気はどんより最悪…。
 
 
 
 
これは我が家の場合ですが、相談者さんをはじめ、みなさんのおうちでも、似たような状況があるのではないでしょうか?
 
 
我が家は祖父母と同居しており大人が4人いるのですが、食事のたびに、いろんな大人から同じようなことを指摘される我が子。
 
 
一緒に食べている私も、どんよりした食卓の雰囲気に耐えられなくなっていました。では、この食卓での声かけについて、少し考えてみましょう。
 
 

食事のときのルールを具体的に伝える

 
 
まず、ついつい使ってしまう、「ちゃんとしなさい」という言葉。
 
 
発達障害を持つ子どもには、この「ちゃんと」がよくわからないことが多いのです。
 
 
ですから食卓ではどのようにふるまえば良いのかを具体的に話してあげる必要があります。
 
 
あらかじめお子さんに、食事どきのルールをわかりやすく教えてあげるといいですね。
 
 

食事に集中しやすい環境を整える

 
 
気がそれやすい特性を持つお子さんでは、食事中にテレビがついていたり、さっきまで遊んでいたおもちゃが目に入ってしまうと、食事に集中できなくなってしまいます。
 
 
・テレビは消す、または布をかけて隠す
・おもちゃは見えないようにしまうか、他の部屋に移動させる
 
 
などの対応を取ってあげるとよいですね。
 
 

できていることをみつけ、言葉にする

 
 
そして、これが一番のポイント!
 
 
ガミガミとネガティブなことを指摘する、いわゆる「しつけ」は、食事どきには持ち込まないようにしましょう。
 
 
できていないことばかりを指摘される「しつけ」は、発達障害の子どもには合わない方法です。
 
 
確かに、できていないこと、注意したいことがたくさんあるとは思います。でもよく思い返してみてください。
 
 
ご飯を美味しそうに食べる姿や、「お茶ください」って自分で言えたときなど、良い行動、ほめられる行動もいくつか見つかるのではないでしょうか?
 
 
それをしっかり見つけてあげて、言葉にしてほめてあげる。
 
 
そうすると、子どもの脳には、できた行動と、ほめられて嬉しいという気持ちがセットでインプットされ、それを繰り返すことでだんだん良い行動が定着していくのです。
 
 
この、「しつけではなく、ほめや肯定的な対応で子どもと関わる」というのが、発達科学コミュニケーション(発コミュ)の真髄。
 
 
私も、食事どきのしつけ的な言葉を封印し、ほめを増やしていくことにしました。
 
 

良い行動をほめるだけ。秘密兵器はなんと〇〇〇!

 
 
こうして、発コミュを学び、しつけではなくほめることの大切さを学んだ私。
 
 
食卓での良い行動をほめるのが良いことがわかったら、あとはほめるだけ!と意気込んだものの、ほめ慣れていない間は、「すごいね」「エラいね」などお決まりの言葉しか出て来ず、うまくほめが届かないこともありました。
 
 
そこで、我が家で編み出したほめワザは、子どもが良い行動をやっているときに、スマホで子どもの写真を撮ること。
 
 
そう、なんとスマホを秘密兵器として利用してみたのです。
 
 
 
 
うまく座って食べられていたら
 
 
「おっ、その姿勢いいね〜、かっこいいよ」
 
 
などと、プロのカメラマンのように声をかけながら写真を撮ります。だいたい子どもは乗ってきてくれます。もし、立ち歩きをしようとしたら、
 
 
「お写真撮りたいから座っててね」
 
 
と、優しく声をかける。きょうだいがいる場合は、それぞれの写真を撮りながら、
 
 
「おっ、〇〇ちゃんいいね〜」
「あっ、▲▲くんもかっこいいよ〜」
 
 
と声かけをすると、きょうだいで競い合って良い行動をしてくれます。
 
 
「写真を撮る」ことはわかりやすいほめ行動だったようで、我が子にとってはこれがごほうびになり、食事どきの行動が変わっていきました。
 
 
このように、ほめる・肯定的に関わるというのは、言葉でほめ言葉を伝えるだけではないのです。子どもが喜ぶ行動をすることも、ほめのバリエーションのひとつになるというワケなんです。
 
 
我が子はカメラを向けると自発的にぴしっとしてくれますが、お子さんがどうしたら良いかわからないときには、
 
 
「〇〇くん、もっとこうしたらかっこいいよ〜」
 
 
など、モデルさんに指示するみたいに声をかけてみましょう。
 
 
さらに、写真が撮れたら、食後に子どもと確認をします。
 
 
お母さんが「こういう姿勢はよかったね」と言ってあげたり、子どもに「どこがかっこよかったと思う?」と意見を聞いてみたりと、親子のコミュニケーションにもなりますね。
 
 
逆に、良くない行動を写真に撮って子どもに見せ、悪いお手本にすることもできますが、こればかりやるのはオススメできません
 
 
まずは良い行動だけを写真に撮って、お子さんと楽しく振り返ることからやってみてください。
 
 
これをやった我が家では、きょうだい二人が競って良い行動をしては、「母ちゃん、お写真とって〜」と言ってくるようになり、食卓での問題行動が激減しました。
 
 
でも、毎日子どもの写真をスマホに保存していては、メモリもなくなってしまいます。
 
 
慣れてきてくれた最近では、「母ちゃんの心のカメラで撮らせてね」と言って、カシャカシャと言いながら心の中に保存しています(笑)
 
 
いかがでしたか?
 
 
ほめワザは、何も写真を撮ることだけではありませんよ。例えばクイズが好きなお子さんなら、
 
 
「ちゃんと座って食べられてるね〜!では問題です。今日のカレーに入っているお野菜はなんでしょう?」
 
 
食材クイズを出してあげるだけで立派なごほうびになるのです。
 
 
あなたのお子さんに応用できるほめワザ、探してみてくださいね!
 
 
しつけをやめてほめを増やす方法についてお伝えしています。
 
 
執筆者:森中博子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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